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マンションを選ぶときに、気にするべきポイントの1つが方角(向き)です。日当たりが良いのは南向きですが、他の方角はどうなのでしょうか?特にタワーマンションでは住戸ごとに向きが違っていて選択肢が多いので、どの方角にするのか悩んでいる方も多いでしょう。
今回の記事では、各方角のメリット・デメリットや、マンションの方角を選ぶときの注意点を解説します。
目次
1. マンションで人気なのはどの方角?
マンションの向きとは、一般的には一番大きい窓がある方角のことを言います。リビングの窓がある方向や、バルコニーがある方向のことが多いです。
それでは、どの方角が人気なのでしょうか?
マンションに限らず、日本の住宅は、昔から南向きに作られることが多くなっています。日本は北半球に位置していて、南向きであれば一日を通して日当たりが良いからです。そのため、一番人気の方角は南向きと言えるでしょう。
南向き以外にも、人気が高い方角があります。それは東向きです。東向きは午前中から日差しが入るため、朝から洗濯物を外干しするライフスタイルの人には特に合っています。
しかし、マンションの向きは南向きと東向きだけではありません。西向きや北向き、他にも南東向きなどさまざまです。各方角のデメリットも把握したうえで、ご自身の生活スタイルや価値観に合った方角を選ぶことが、後悔しないための鍵となります。
2. マンションの向きに関する失敗体験談
この章では、マンション購入者の体験談をご紹介します。住まいサーフィンで更新している「実録!マンション・一戸建て購入のしくじり体験談」から、マンションの向きに関する失敗体験談を厳選しました。マンションの向きをどうするか悩んでいる方は、失敗の声も参考にしてください。
南向きを選んだ人の失敗体験談
リビングが一面窓になっていて図面やモデルルームでは素敵!と思いました。でも、いざ住んでみると一面窓で、通気のための小さな開閉口しかなく、窓が開かないという作り。これが失敗でした。高層マンションの南向きで、夏は日差しをまともに受けます。窓が開かず風も通らないため、リビングにいると、クーラーなしでは熱中症確実な状況です。北向きならば今の間取りでも問題ないですが、南向きなら全室にベランダが付いているなど、部屋と外壁にワンクッションある作りを選ぶべきだったと思います。>>この体験談をもっと詳しく見る
東向きを選んだ人の失敗体験談
新築マンションを購入しましたが、当時は共働きだったので、日中の陽当たりはあまり気にせずに東向きの部屋を選びました。ですが、仕事を辞めて家にいるようになると、昼前には部屋に日が入らなくなり、洗濯ものが乾かなくて不便さを感じるようになりました。マンションは暖かいとよく聞きますが、やはり日当たりは大切だと思います。夏はいいですが、冬は東向きは寒く、洗濯物がなかなか乾きません。バルコニーの向き、日当たりには気を付けたほうがいいと思います。>>この体験談をもっと詳しく見る
西向きを選んだ人の失敗体験談
庭付きと部屋の広さは満足しているのですが、西向きのため日照時間が短いことが不満です。さらに購入したのが春先だったので、冬場の日照時間がさらに短くなるということを計算していませんでした。そのため冬は特に洗濯物が乾きにくい、植物の育ちが悪いなどの弊害が出てしまいました。>>この体験談をもっと詳しく見る
北西向きを選んだ人の失敗体験談
価格的に南向きの部屋は手が届きませんでした。そのため私たちが選んだのは北西向きの部屋。しかも1階です。現地を何回か見て部屋の明るさも大丈夫だと思ったのですが、実際住んでみると特に冬は日が入りにくくて暗いため、とても寒いです。気分が滅入りそうになる冬もありました。やはり日が入る部屋がよいと思います。日の光は生活にかなり重要な要素だと住んでみてわかりました。>>この体験談をもっと詳しく見る
3. それぞれの方角のメリット・デメリット
次に、各方角のメリットとデメリットをご紹介します。
南向きのメリット・デメリット
メリット
- ● 一日中日当たりが良くて、部屋も明るい
- ● 冬でも日当たりが良くて暖かい
- ● 洗濯物がよく乾く
- ● 湿気が溜まりにくい
デメリット
- ● マンション価格が高くなりやすい
- ● 夏は部屋の中が暑くなることがある
- ● 窓に近い家具や床などが日焼けすることがある
一番人気の南向き、そのメリットは日当たりの良さです。季節を問わず日照時間が長くなっています。部屋の中はほぼ一日を通して明るいでしょう。冬場も日が当たって暖かいので、照明費用・暖房費用の節約にもなります。
一方で、人気が高いからこそ、他の住戸に比べて価格が高く設定されることが多くなっています。また、先ほどの失敗体験談でも紹介したように、夏場は部屋がかなり暑くなることもあるようです。遮熱性能が高いカーテン(レースカーテン)を購入するなど、マンションによっては対策した方が良いかもしれません。そして、窓の近くに置いた家具や床は日焼けすることがあるので注意してください。
東向きのメリット・デメリット
メリット
- ● 朝から日の光が入る
- ● 午前中の日当たりが良いので、朝から洗濯物が乾きやすい
- ● 午後は日が入りにくいので、夏は部屋が暑くなりにくい
デメリット
- ● 午後からは部屋が暗くなりやすい
- ● 冬は部屋が寒くなりやすい
- ● マンション価格が少し高いことがある
東向きマンションは朝から日の光が入り、午前中は日当たりが良い時間が続きます。午後は日が当たりにくくなるので、夏場は室内が暑くなりにくいのもメリットです。
デメリットとしては、午後に日が当たりにくいことが挙げられます。午後には部屋が暗くなるので、昼間から電気を付ける必要があるでしょう。東向きは気温が高い午後に日が入りにくく、冬は日照時間が短いので、寒さを感じることも多いようです。南向きに次いで人気は高いものの、南向きほど日当たりが良いわけではないので注意してください。また、西向きや北向きに比べると、マンション価格が若干高めに設定されることもあります。
西向きのメリット・デメリット
メリット
- ● 午後の日当たりが良い
- ● 冬は午後に部屋が暖かくなりやすい
- ● 朝はまぶしくならない
デメリット
- ● 午前中は部屋が暗い
- ● 夏は西日によって部屋が暑くなりやすい
- ● 窓に近い家具や床などが日焼けすることがある
西向きは、午後から日当たりが良くなります。冬は夕方まで日差しが届いているので、部屋の中も暖かくなりやすいのもメリットです。朝にまぶしい光が入らないので、朝はゆっくり寝たいという方は西向きの部屋を選ぶと良いでしょう。
西向きのマンションは、午前中は日が当たらないので部屋も暗くなります。朝から洗濯物を干しても、夕方頃にならないと乾かないでしょう。また、西日が入るので、夏は部屋が高温になりやすいです。「地獄のような暑さ」という体験談もあったので、熱中症対策は必須となります。西日は日差しが強いので、窓に近い家具や床が日焼けする可能性もあるでしょう。
北向きのメリット・デメリット
メリット
- ● マンション価格が安いことがある
- ● 夏は部屋が暑くなりにくい
デメリット
- ● 日当たりが悪いので、部屋も暗くなりやすい
- ● 冬は特に寒い
- ● 湿気がこもりやすい
タワーマンションでよく見られる北向きの住戸。他の向きよりも日当たりが良くないので、割安に設定されていることが多くなっています。
これについて、もう少し詳しく説明しましょう。新築マンションでは、多くの住戸が一斉に売り出されます。北向きは他の向きよりも人気がないので、スムーズに売れるよう割安な価格に設定されることが多いです。新築時には他の住戸よりも安く買えて、売却時には他の住戸とそれほど大きな差がない価格で売れたという事例もあります。お買い得で、値上がり率も高くなることがあるのは大きなメリットです。
また、北向き住戸は日が入らないからこそ、夏は部屋が暑くなりにくくなります。
デメリットとしては、日当たりの悪さが挙げられます。部屋は一日を通して暗くなりやすく、冬場は特に寒いでしょう。また、日が当たらないので湿気が部屋の中に残り続けます。湿気がこもるとカビやダニが発生しやすくなるので、換気や除湿などの対策が必要です。
南東・南西など、中間の向きの場合は?
マンションによっては、2つの方角の中間を向いていることがあります。その場合は、メリットやデメリットはどうなるのでしょうか。マンションの中でも南東向きと南西向きは比較的多いので、この2つの方角について見ていきます。
南東向き
主なメリット
- ● 特に午前中の日当たりが良い
- ● 午後であっても多少日が入ることがある
- ● 夏は、南向きよりも部屋が暑くなりにくい
主なデメリット
- ● 窓に近い家具や床などが日焼けすることがある
- ● 南西向きに比べると、午後は日が入りにくい
- ● マンション価格が高いことがある
南東向きの場合は、純粋な南向きよりも早い時間帯から日が入ります。1日の中でも特に午前中の日当たりが良いです。午後の早い時間なら日が入りますが、南向きほどではないので、夏は部屋が暑くなりにくいのもメリットと言えます。
デメリットとしては、日当たりが良いので家具や床が日焼けする可能性があることが挙げられます。また、午後に日が多少入るとはいえ、南西向きよりは午後に部屋が暗くなりやすいです。また、東向き・西向き・北向きと比べると、マンション価格が高めに設定されることもあります。
南西向き
主なメリット
- ● 午前中だけでなく、午後も日当たりが良くて部屋が明るい
- ● 西日のおかげで冬は特に暖かい
- ● 洗濯物が乾きやすい
主なデメリット
- ● 夏は西日で部屋が暑くなる
- ● 窓に近い家具や床などが日焼けすることがある
- ● 朝は日が入りにくい
南西向きの場合は、朝以外のほとんどの時間帯は日が入ります。そのため洗濯物は乾きやすく、部屋の中が明るい時間も長いでしょう。午後は西日が入るので、冬は特に暖かくて暖房代も節約できそうです。
しかし、外が暑くなる時間帯から夕方までずっと日が入るため、夏は部屋がかなり暑くなります。遮熱カーテン以外にも、窓ガラスフィルムなど入念な対策をした方が良いかもしれません。また、南東向きと同様に、家具や床が日焼けしやすいデメリットもあります。朝は日が入りにくいので、朝日を見てすっきり目覚めたいという方には向いていません。
なお、例えば南東向きでも、南寄りの南東向きもあれば東寄りの南東向きもあります。「南東向きだと聞いたけど、東寄りだから午後は全然日が入らなった・・」ということもあるでしょう。どの方角を向いているのかは、地図などでしっかり確認するようにしてください。
4.マンションの向きを選ぶときの注意点
最後に、マンションの向きを選ぶときの注意点を解説します。
各部屋の窓の位置を確認する
「マンションで人気なのはどの方角?」で解説したように、マンションの向きとは、リビングの一番大きい窓やバルコニーがある方角のことを指します。しかしマンション内のすべての部屋が、その方角を向いているわけではありません。例えば、リビングの窓は南向きでも、主寝室の窓は北向きであることが考えられます。
同一マンション内の同じ向きの住戸でも、間取り・窓によって居室の日当たりや明るさは変わってきます。角住戸であれば、窓が多く設置されていることあります。マンションを購入するときには、価格と向きだけでなく、間取りや窓の位置にも注目してみてください。
南向き=絶対に日当たりが良いとは限らない
マンションを購入するときには、向きだけでなく、周辺環境を確認するようにしましょう。南向きだから日当たりが良いと思ったけど、目の前に高い建物があるから全然日が入らない・・ということがあります。1階や2階などの低層階の場合は、高い建物がなくても日が入りにくいことがあるので、注意が必要です。
また、マンション建設時や購入時には何もなくても、将来建物などが建設されることがあります。
失敗したと思ったのは、購入して1年くらいたったとき、目の前の空き地にマンションが建ってしまったこと。ベランダのすぐ前に、隣のマンションのエレベーターや廊下があり、とても圧迫感があります。日光も全く入ってこなくなり、日中でも暗い感じになってしまいました。リビングも丸見えなので、カーテンをずっとしています。防犯的にも反対側のマンションから飛び移ってこられそうで、不安な感じがあります。>>この体験談をもっと詳しく見る
既に建設が決まっているものなら調べれば分かりますが、買ってから数年後に建設が決まることもあるでしょう。特に以下の場合は、将来的にマンションなどの高い建物に変わる可能性があるのでご注意ください。
- ● 空き地
- ● 月極駐車場
- ● コインパーキング
- ● 古い社宅や古い賃貸アパート・マンション
逆に考えると、公園や幹線道路、駅の場合には、環境が変わる可能性は低いです。マンションの周辺環境については、しっかりと情報収集をしましょう。
人気の向き=資産価値が高い、というわけではない
最近は、マンションに資産価値を求める人が増えています。資産価値があるマンションは値下がりしにくいので、売却するときに住宅ローン残高よりも高く売れる可能性が高いです。マンションによっては、購入時よりも高値で売れることもあるでしょう。
記事前半で解説したように南向きや東向きは人気が高いですが、そういった人気のある向きの方が資産価値が高いのでしょうか。実は、そうとは限りません。例えばタワーマンションの同じ階で、①南向きで目の前にマンションがある住戸、②北向きで目の前には何もなくて眺望が開けている住戸があるとします。この場合は、①よりも②の方が中古売却価格が高いこともあるでしょう。
マンションの場合は、実際の日当たりや眺望がどうなのかが重要になってきます。特にタワーマンションにおいては、眺望が良い住戸ほど高値で取引される傾向があります。
また、新築マンションについては多くの住戸が一斉に売り出されます。人気がある向きは価格が高く設定され、そうでない向きは割安に設定されることが多いです。しかし、マンションを売却するときには、周辺の取引事例が主な比較対象になります。結果として、人気が少ない向きの方が高く値上がりするという事例が出てきます。
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5.まとめ
今回の記事では、マンションの向きについて解説をしました。
日当たりを重視する方には南向きや東向きがおすすめです。ただ、日中のどの時間帯に家にいるのか・どの部屋で過ごすのかによって、向いている方角は変わってきます。
間取り図などをよく確認した上で、ご自身のライフスタイルに合ったものを選択するようにしましょう。
マンション価格の高騰は続いています。それ以外にも、将来の金利上昇、2024年問題による建築費高騰、人口減少といった不安要素は多くあります。マンション購入で後悔しないためには、より一層の情報収集が重要です。
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