【奈良は「カシハラ」、大阪は「カシワラ」】
大阪府下に柏原市という行政区がある。大阪府の東端に位置し、お隣は奈良県。お世辞にも知名度があるとは言えない市だ。そんな柏原市が「今、旬なマンション(※)」の「大阪 東大阪」の11物件中8物件を柏原市のマンションが占めている(古いマンションも入っているが‥‥)。さて、あまり耳慣れない柏原市。一体どんな街なのだろうか?
説明に入る前に、まずは読み方。「かしわら」と読む。お隣の奈良県に橿原市があるがこちらは「かしはら」。兵庫県にはかつて柏原町(現 丹波市)があったがそちらは「かいばら」。今でもJR福知山線に「柏原(かいばら)」駅がある。なんともややこしい。
この柏原市、それほど大きな街ではない。人口は7万人足らず。大阪市福島区や大阪市天王寺区より数千人少ない。大きさは約25km2。大阪市内中心部の北区・中央区・天王寺区を合わせた面積より少し広い。都心へのアクセスはJR大和路線と近鉄大阪線を利用し、それぞれJR「天王寺」駅と近鉄「上本町」駅へと向かう。中心となるのはJRなら「柏原」駅、近鉄なら「河内国分」駅だ。
【交通利便性に比べて安い不動産相場】
中心部の駅からはJRで天王寺まで20分足らず、近鉄で上本町まで20~30分。天王寺界隈への移動は苦ではない。むしろ利便と言ってもいいかもしれない。梅田中心で考えると千里中央(「千里中央」駅~「梅田」駅は30分弱)あたりと所要時間は変わらない。
しかし、不動産相場は安い。ライフルホームズの家賃相場(https://www.homes.co.jp/chintai/osaka/kintetsuosaka-line/price/)で3LDK・4K・4DKの家賃相場を比較すると、大阪府下の近鉄大阪線の駅で「河内国分」駅は最安値(5.95万円)。JR「柏原」駅も同じくJR関西本線の駅で最安値(6.35万円)となっている。かなり「お得」と言っても良い。
参考までに平成27年国勢調査のデータより人口構成を調べてみた。生産年齢(15~64歳)人口割合は61.3%で大阪府平均と同じ。高齢者(65歳以上)割合26.5%は大阪府平均(26.1%)より少し高いものの隣接する八尾市(27.4%)、羽曳野市(28.4%)、藤井寺市(26.8%)よりは低い。取り立てて高齢化が進んだ「老いた街」とはいえない。参考までに、同じ大阪府下外周部に位置する豊能町(38.9%)、能勢町(34.8%)、岬町(36.4%)などは30%を超えている。
【ゆったり住めるコスパのいい街】
柏原市内の近鉄大阪線に「堅下」駅という駅がある。「かたしも」と読む。「河内ワイン」の産地として有名な「カタシモワイナリー」のある場所だ。意外にも思えるが、大阪府は全国でもその収穫量が上位に顔を出すブドウの産地。栽培の中心となるのが柏原市だ。ぶどう狩りで訪れたことのある人もいるであろう。
それ以外に柏原市の「見どころ」としては古墳、遺跡などが多いことがある程度で、残念ながら集客力のある著名なレジャー施設はない。買い物施設も百貨店やイオンは市内には存在しない。外から人を呼び込める施設が少ない。これが不動産相場の安さにつながっていると考えられる。
しかしそれは裏を返すと、ゆったりとした暮らしができると言うこと。都心からそれほど遠くない場所で生活コストも安い。百貨店やイオンがない、と言ってもお隣の八尾市に行けばイオンもある(多くの人は車で行くであろうから同じ市域になくても困らないであろう)。
住宅地として、また行政区としてもマイナーな存在の柏原市。案外、「コスパのいい」街と言える。
※参考リンク
「今、旬なマンション」30日間・大阪 東大阪・サイトリンク数・2018/05/22 01:15 更新
https://www.sumai-surfin.com/product/ranking/re_rank_season.php