【京都市内中心部のマンション名は駅名をつけない】
京都市内中心部、格子状に道路が走るエリアのマンションは、物件名に漢字で住所地を表記している場合が多い。バブル以前に建てられた古い分譲マンションや個人オーナーの賃貸マンションでは、京都市内に限らずマンション周辺の狭域を表す地名が使われている場合が多い。
しかし最近の分譲マンションでは集客のことを考えて、乗降客数の多いメジャーな駅名を名前に使うことが多い。例えば大阪梅田界隈では、JR大阪環状線「福島」駅界隈では「梅田」「新梅田」、阪急線「中津」駅界隈も「梅田」「北梅田」等がマンション名につけられる。町名を出すことで印象が良くなり集客に繋がりそうな「有名な地名」以外はあまりマンション名に含まれない。
ところが京都市内では駅名ではなく通り名を使うことが大変多い。例えば本日(2018年11月29日)の「今、旬なマンション」の京都/サイトリンク/100戸未満でも、「ザ・パークハウス三条油小路」(「二条城前」駅)、「ジオ御所南夷川富小路」(「丸太町」駅)、「シーンズ京都西大路五条パークホームズ」(「丹波口」駅)、「ジオ京都御池油小路ザ・テラス」(「二条城前」駅徒歩4分)は、最寄り駅名ではなく通り名が冠されている。
【「通り名+通り名」は京都市内中心部を示すステータス】
京都では通り名を使うことが多いのは、それがステータスに繋がるからだ。
京都市内中心部、とりわけ「田の字」と呼ばれる碁盤の目の様にほぼ全ての街路が直交するようなエリアでは、特定の場所を表すのに町名を使わない。南北に走る通り名と東西に走る通り名を並べて場所を示す。三条通と油小路通のクロスする場所は「三条油小路」。夷川通と富小路通なら「夷川富小路」と言った具合だ。
このように京都市内中心部は町名ではなく「通り名+通り名」で場所を表す。なので、そのようなネーミングのマンションは、たとえその通り名がメジャーではなかったとしても、中心部にあることを主張したネーミングとなり、それがステータス感につながるというわけだ。
【京都で通り名を使う本当の訳】
ところでこの「通り名+通り名」という場所の特定の仕方だが、「私は京都市内中心部に住んでいるのだ!」と自慢混じりで使われているわけではない。京都市内在住のほとんどの人は、そもそも町名を使わないのだ。
使わないどころか、中心部に住んでいる人でさえ、町名を言われてもその町がどこにあるのかを知らないことがほとんどだ。一度ウィキペディア等で町名を確認すればわかるが、町の数はおよそ500もあり、とても覚えきれない。
また、覚えたとしても町名だけでは場所が特定できない。京都市以外の人にはにわかに信じられないかもしれないが、同じ区内に同じ名前の町名が複数ある。例えば中京区内には「亀屋町」が5つ、「大文字町」「中之町」「桝屋町」は4つある。他にも2つ以上ある町名はいくつもあり、「町名だけでは行けない」家は多い。
というわけで、京都市内中心部は非常にたくさんの町に分かれており、複数ある町名がいくつもあり、宅配便ですら通り名を言わなければ配達ができないような住所事情。よってマンション名には通り名を使う事は住んでいる人にとっては便利な話であり、なおかつ「京都市内の中心部にある」というステータスにも繋がる。
◎ 参考サイト
「京都市中京区 住所」
https://map.yahoo.co.jp/address?ac=26104&az=)
◎ 参考サイト
「今、旬なマンションランキング」:30日間/京都/サイトリンク数/2018/11/29 09:44 現在
https://www.sumai-surfin.com/product/ranking/re_rank_season.php