ダイヤモンドオンラインの記事でブランド総合研究所が行った「住みたい都道府県&市区町村ランキング2019」に関する記事を見かけた。関西の市区町村も上位にランキングされており在住者としては気になるところだ。今回はこのランキングを見てみたい。
【都道府県:関西TOPは大阪府。滋賀県最下位の以外】
まずは「住みたい都道府県」。関西からは大阪府(4位)京都府(5位)兵庫県(7位)がTOP10入りしている。この手の「住みたい系ランキング」で大阪は、京都や兵庫の後塵を拝することが多いが、ここでは関西TOPが大阪府。1位東京都、2位神奈川県の並びを見ると「利便性が高い都心」の評価が高いように見える。8位沖縄県を除くと、残りは北海道、福岡県、千葉県、愛知県。いずれも政令指定都市、しかも2000年以前に指定された都市を含む都道府県だ。
一方TOP10に入らなかったのは11位奈良県、23位和歌山県、25位滋賀県。和歌山県は、県庁所在地であり県域の北端に位置する県内最大都市の和歌山市でも大阪通勤圏とは言えず、順位が低いのは想定できるが、意外なのが滋賀県。県内でも琵琶湖の東側(湖東)はJR東海道線が走り、新快速駅停車駅を利用すれば1時間程度でJR大阪駅まで通勤可能な市が大津市、草津市、守山市等複数ある。子育てがしやすいとの定評もあり、実際に近畿地方で唯一人口が増加している都道府県でもある(2015年と2019年の国勢調査比較)。全国で行われたアンケートだけに、「住みやすさ」よりも「知名度の低さ」が結果に響いたのであろう。
【神戸市が全国2位、京都市も7位に。】
次は「住みたい市区町村」。アンケートの対象は都道府県は当然47だが、市区町村は国内1000の市区町村が対象。よほどの「地理マニア」でもなければ1000ある市区町村の細かい差がわかるわけもなく、自ずと「人気投票」「イメージ調査」的な側面が強くなる。
イメージが良いと市区町村言えばやはり神戸市。兵庫県のイメージが湧かなくとも神戸市については「六甲山」「港」「おしゃれ」等々プラスのイメージを持つ人が多い。結果は横浜市に次いで2位。「おしゃれな港町」への憧れが大きいというところか。TOP10には京都市もランクイン(7位)している。昨今の観光ブームでは大阪市京都市ばかりが目立ち「京阪神」では話題が少なかった神戸市。住宅地としての評価はイメージをキープしていた。
2位神戸市は前年も2位、7位京都市は前年5位から2ランクダウンだったが、大阪市は31位と前年15位から大きく順位を落とした。2018年と2019年を比較し、分譲マンション販売は引き続き好調でありホテル開発なども順調。観光客や宿泊施設の増加に対する嫌悪感なら京都市も大きくダウンするはず。ここまでランクダウンする理由は見当たらない。
【「住みたい」街は「デザインやセンスの良い」街】
記事中に以下のような記載がある。
===========( 引用 )============
調査対象になっているおよそ1000の市区町村の「街のイメージ」と「居住意欲度」を重回帰分析したところ、「デザイン・センスの良さ」「教育・子育て」のイメージが居住意欲度に最も大きな影響を与えていることがわかったのだ。
===========(引用終了)============
ちなみにそれぞれの上位5位に入っている関西の街は以下の通り
「デザインやセンスの良い地域・まち」ランキング
(都道府県) 3位兵庫県、4位京都府
(市区町村) 1位神戸市、5位芦屋市
「教育・子育ての地域・まち」ランキング
(都道府県) 4位兵庫県
上記の街は「住みたい都道府県&市区町村ランキング」でも上位だ。マイホーム選びで多くの人が重視するのは「交通利便」「生活利便」そして家族構成によって「教育環境」といったあたりだが、ここで「住みたい」と「デザインやセンスの良い」の相関が高いというのが興味深い。
以前にも増して「ブランド」の価値は高まっており住宅に対して求められるデザインやセンスのハードルも上がっている。不動産の資産価値を維持するための物件選びは二つの意味で「センスが必要」になってくる。
(参考)
ブランド総合研究所が調査を行った最新版「住みたい都道府県&市区町村ランキング2019」
住みたい都道府県&市区町村ランキング【2019完全版】(ダイヤモンドオンライン)
https://diamond.jp/articles/-/231753