十三。馴染みのない人にとっては難読地名。大阪市淀川区にある地名であり、阪急電鉄の駅名でもある。ジュウサンでもジューゾーでもなくジュウソウと読む。
知らない人には難読地名だが、多くの関西人のイメージとしては、ピンク街、風俗街だ。いかがわしい街、ガラの悪い街、といった印象の人も多いだろう。実際に十三駅界隈にはパチンコ店やラブホテル、風俗店が多い。団塊の世代の人であれば会社帰りや接待でキャバレー、ピンサロ、アルサロに行った、なんて思い出もあろう。
住む場所としての選択肢としてはあまり取り上げられることのない歓楽街十三に、超巨大タワーマンションが誕生する。「ジオタワー大阪十三」だ。
本マンションは大阪市が実施した「もと淀川区役所跡地活用事業」のコンペにより阪急阪神不動産が選定されたものであり、「ジオタワー大阪十三」は同社の単独事業としては過去最大戸数(712戸)となる。
風俗街のイメージが強い十三でこのようなビッグプロジェクト、果たして売れるのか?と考える人も多いかもしれないが、筆者としては、かなり魅力的な物件になると踏んでいる。
ポイントは、その立地に尽きる。
「十三」駅は、阪急京都線・阪急宝塚線・阪急神戸線が結節点となる駅で、南東約3㎞には大阪梅田のビル群が広がる都心部に近接。にもかかわらず十三と梅田の間に流れる淀川が二つのエリアを隔てているため、大きな開発がされてこなかった。まあ大阪市内ではあるが大阪メトロの駅もなく、3線あってもどれも梅田に向かうのみ。なので3線が停まるにもかかわらず「梅田の手前の歓楽街」というポジションでしかなかった。
そんな十三の街を大きく変えるのが新線の開発。「なにわ筋連絡線」と「新大阪連絡線」。なにわ筋連絡線が完成すればJR・南海と乗り入れ関西国際空港まで繋がり、新大阪連絡線が延伸すれば新大阪駅へのアクセスも便利になる。大阪梅田に続く大阪北エリアのハブ的存在となるわけだ。
両路線はすぐに開通するわけではないが、そのような「将来性」が見込まれることで一気に消費者マインドは上がる。いってみればマンション購入のきっかけとなる。歓楽街というネガティブなイメージはあるが、梅田周辺(福島、中津等)より価格は安く抑えられるであろうから梅田勤務の子育て層の選択肢になるであろうし、歓楽街であるからこその商店街、飲食店等の充実という暮らしやすさもある。共用部の充実等はWEBサイトを見ていただくとして、大変魅力の多いマンションだ。
当初は「え?アマでマンション??」と訝られていたJR尼崎駅や阪神尼崎駅界隈だが、今では多くの住宅ストックがあり住宅地としての選択肢となっている。交通利便性が高い割には人気薄だったエリアは、大規模分譲マンションの出現で変貌した。ここ十三もそうなるであろう。さすが「売主別 中古マンション値上がり率(騰落率)ランキング2022(関西版)」6年連続1位の阪急阪神不動産だ。
*参考リンク:
住まいサーフィン編集部コラム「ジオタワー大阪十三の価格や資産価値はどれくらい?十三駅周辺マンションも確認!」
[第198号]歓楽街十三のタワーマンションは「買い」〜ジオタワー大阪十三
2023年08月23日