関西の人口減がヤバい。
国立社会保障・人口問題研究所の12月22日の発表によると、関西2府4県の人口は2050年に1650万2000人となり、2020年と比べ19.7%減少し、約5分の4となる。
この数字、全国平均(17%)を遥かに上回る数字。関西が日本の人口減を「引っ張っている」形だ。ちなみに関東は7.2%で関西の約3分の1でしかない。府県別に見ると、奈良県・和歌山県の減少が激しく、それぞれ28.2%と31.5%。約3割となる。
これだけ人口が減ると、空き家の件数も当然増える。人口と世帯数は同じ動きをせず、人口減の割合ほど世帯数や空き家件数が減ることはない。例えば両親+児童二人の世帯で、子供が就職もしくは進学して関東に引っ越したとした場合(このようなケースは大変多い!)、人口減でも空き家は増えない。しかし人口減は空き家増加につながることは確実だ。
2020年から30年後。遠い将来の話ではなく今を起点とすれば、たかが27年後にこのような未来が(関西では)待っている。マイホームを購入する人には否が応でも気になるであろう。
しかしそれほど悲観することもない。いくら人口が減るとはいっても大阪府726万人、京都府208万人、兵庫県436万人の人口がある。これだけの大きな需要があるエリアは世界的に見てもそれほど多くない。「エンドユーザーに選んでもらえる」物件を所有していれば心配はない。
大切なのは「エンドユーザーに選んでもらえる」が何かだが、色々な要素があり何が正解かは難しいが確認しておきたいのは二つ。
一つは人口増減。関西の人口が減る、とはいっても一律に減るわけではなく、その減り具合はまだら模様。行政区によって差がある。人口減少が緩やかなエリアで住宅を取得すれば、人口減少が激しいエリアよりも「エンドユーザーに選んでもらえる」物件のハードルが下がる。
もう一つは空室率。人口減少が同程度であれば、当然、空室率が低いエリアの方が需要が高く、売却(or賃貸)しやすい。
マンションの今後の資産価値を考えるなら、この二つの指標は押さえておきたい。
ちなみに人口増減・空室率ともに、一般的には郊外部よりも都心部の方が人口減は少なく空室率も低い。安いからと郊外物件を買うよりも、高くても都心物件を買う方が将来的な需要から考えると無難といえる。
人口減は不動産の資産価値にとってはマイナス要素だが、資材高・エネルギー高・人件費高騰は収まる様子もなく新築単価は今後も上昇が予想され、既存の建物の価値は増す。昨今のマンション価格高騰から「あの時に買っておけば良かった」と思う気持ちもあるだろうが、今が将来の「あの時」となるかどうかは、どの物件を選ぶかにかかっている。
*参考:関西の人口50年に2割減 20年比、減少幅は全国上回る(日本経済新聞)