田中和彦が斬る!関西マンション事情 不定期
田中 和彦

[第23号]キングマンション堂島川

2016年04月13日

【関西タワーマンションの草分け的マンション】
「キングマンション堂島川」が竣工したのは1998年。タワーマンションの草分け的存在である。東京は旧JR汐留貨物駅跡地に建設された「東京ツインパークス」の竣工が2002年。それに先行すること約4年。「キングマンション堂島川」がいかに早い時期に現れたマンションであるかがわかる。また、竣工当時から約20年が経った今でも都心型タワーマンションとしてとても魅力的な要素を兼ね備えたマンションでもある。

【都心のオアシス的な立地】
最大の魅力的な要素、それは立地だ。「キングマンション堂島川」が建つのはあみだ池筋にかかる堂島大橋の北詰め。建物の北西方向には道路を挟んで下福島公園、南東方向には旧淀川である堂島川が隣接。とても開放感のある敷地である。また橋を渡って東側、徒歩5分にはリーガロイヤルホテルがある。公園、川、ホテルに囲まれた立地。JR「大阪」駅まで2km弱の立地というでもあり、なかなかの得難い立地だ。分譲された当時のマンション界隈は「大阪中心地から少し離れたエリア」というイメージを持つ人の方が多かった。それが竣工10年後の2008年には京阪中之島線「中之島」駅が開業、支線とはいえ鉄道駅から徒歩2分のマンションとなった。居住地としての都心が再評価されていることも併せ、分譲主には先見の明があったと感心する。

【バルコニーのあるアットホームな外観】
「キングマンション堂島川」には、昨今の都心型タワーマンションにあるような無機質で尖った印象は全くない。むしろ旧来のファミリーマンション然とした外観だ。タイル張りで、かつ、バルコニーがあるためにそう見えるのだが、バルコニーと躯体の外壁部の凹凸によって階高が強調されて、一般的なタワーマンションとはまた違った重厚感を出している。共用施設や専有部の設備/仕様は最近の新築マンションに比べて見劣りするかもしれないが、今後は採用されにくいであろう個性的な外観と今後とも出にくいであろう立地。それが「キングマンション堂島川」の魅力といえる。

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この記事の編集者

田中 和彦

株式会社コミュニティ・ラボ代表。マンションデベロッパー勤務等を経て現職。
ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当し、関西の街の魅力発信に定評がある。

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