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マイホームを購入するにあたって、住宅ローン選びは重要なポイントです。「不動産会社やハウスメーカーから提携ローンを勧められたけど、自分で住宅ローンを探すべきか悩んでいる」という方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、提携ローンの仕組みやメリット・デメリットについて解説します。
目次
1. 提携ローンとは何か
まずは、提携ローンとは何なのかについてご説明します。
提携ローンとは、金融機関と不動産会社(ハウスメーカー等も含む)が協力して提供している住宅ローン商品のことです。
どの金融機関と提携しているのかは不動産会社によって違いますが、大手金融機関や地方銀行、ネット銀行など幅広い金融機関と提携していることもあります。
提携ローンの仕組み
通常の住宅ローン(非提携ローン)では、お金を借りる人とお金を貸す金融機関の2者の関係になります。
それに対して、提携ローンは不動産会社も含めた3者の関係になり、基本的な金融機関とのやり取りは不動産会社が担当します。
後ほど詳しく解説しますが、提携ローンは手続きの簡易化以外にも金利優遇などさまざまなメリットがあります。
しかし、不動産会社等への手数料が必要だったり金融機関が限られたりするなど、デメリットがあるのも事実です。メリットとデメリットをしっかり理解した上で、ご自身にはどちらが合っているのかをしっかり検討しましょう。
2. 提携ローンのメリット
それでは、提携ローンのメリットをご説明します。
手続きの手間が省ける
提携ローンのメリットの中でも特に嬉しいのが、住宅ローン手続きの手間が省けることです。住宅ローンの申し込みを自分でする場合、何度も金融機関とやり取りをすることになります。
一般的に、事前審査では複数の金融機関に申請をするので、それぞれの金融機関ごとに書類を用意する必要があります。インターネットだけで事前審査が完結する金融機関もありますが、それでもいろいろな金融機関に申し込みをするのは結構大変です。
しかし提携ローンの場合は、金融機関に提出する事前審査の書類をまとめて記入できる(複写式になっていて一度の記入で済む)ことがあります。
提出書類に関する質問や不備があったときのやり取りについても不動産会社が代行してくれます。
非提携ローンの場合、手続きは基本的には店舗で行います(一部ネット銀行やネット対応している金融機関を除く)。
一方提携ローンは、金融機関の担当者を不動産会社等に呼んでもらって手続きできる場合があります。新築マンションでは、入居者説明会のときに金銭消費貸借契約会(金消会)を行うところも多いです。わざわざ金融機関に行って手続きをしなくて済むので、忙しい時期には助かりますね。
また、住宅ローンのスケジュール管理も不動産会社がやってくれるので、初めて住宅を購入する人でも安心です。
審査が非提携ローンより早いことがある
住宅ローンの審査では、購入する物件に対する審査も行われます。購入する物件(不動産)は万が一返せなくなったときに備えて「担保」となるからです。
提携ローンの場合は、物件に関する情報が事前に不動産会社から金融機関に提供されています。そのため、非提携ローンよりも審査がスピーディーに行われることが多いです。
少しでも早く審査を終わらせたい事情がある場合には、提携ローンの方が良いでしょう。
金利などが優遇されることがある
提携ローンの中には、非提携ローンよりも金利が優遇されるものもあります。
例
Webサイト上の 最優遇適用金利 |
提携ローンの 適用金利 |
---|---|
0.45% | 0.40% |
ただし、必ずしもすべての金融機関で優遇されるわけではありません。どれだけ優遇されるのかはその人の年収や年齢等を総合的に判断して決まります。
また、金利優遇以外にも、金融機関へ支払う事務手数料が安くなっている提携ローンもあります。
ローン特約が利用できる
提携ローンに限ってローン特約が利用できるというケースは多くなっています。
ローン特約とは、住宅ローンが借りられなかった場合に売買契約を無条件に白紙に戻せる特約のことです。手付金も返還されます。
マイホーム購入は、一般的にはこのような手順になっています。
売買契約を締結してから本審査が行われます。下記のような理由で、事前審査は通ったけど本審査には落ちてしまうということも考えられます。
- ● 怪我・病気等の健康上の理由で急に働けなくなった
- ● 倒産やリストラで転職することになった
- ● 大幅に給与を減らされた
- ● 事前審査後に別のローンを借りてしまった
- ● 担保となる物件の価値が低いと評価された
もしローン特約がない場合には手付金を放棄(または違約金支払い)することになりますが、ローン特約があれば手付金は戻ってきます。この特約は買主に有利なものなので、非提携ローンだと認められないことがほとんどです。
新築マンションの場合、契約から引き渡しまで1年以上かかることも珍しくありません。何事もないのが一番ですが、不測の事態に備えてローン特約を付けた方が安心です。
ローン特約についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
「住宅ローン特約」の内容と、利用する際の注意点を解説します。
融資実行・引き渡しがスムーズ
非提携ローンの場合は、金融機関から買主の口座(住宅ローン借主)にお金が振り込まれて、その後買主の口座から不動産会社の口座へ振り込まれるという流れになります。
しかし提携ローンは金融機関から不動産会社に直接お金が振り込まれます。
また、非提携ローンは抵当権設定登記(購入する土地や建物を担保に入れるための登記のこと)をしてから融資実行(引き渡し)となりますが、提携ローンは融資実行と引き渡しの後に抵当権設定登記をするのが一般的です。
抵当権設定登記をしないで先にお金を貸すのは、金融機関にとってリスクがあります。しかし提携ローンは不動産会社と金融機関の間に信頼関係があるので、融資実行してから抵当権設定登記をすることが認められています。
以上のことから、非提携ローンよりも提携ローンの方が融資実行や引き渡しがスムーズにできます。
3. 提携ローンのデメリット
次に、提携ローンのデメリットをご説明します。
不動産会社等に事務手数料を支払う必要がある
提携ローンは、不動産会社に住宅ローン事務手数料※を支払う必要があります。これは金融機関に対して支払う事務手数料や保証手数料とは別物です。
※ローン代行手数料・ローン斡旋手数料等名称はさまざま
仲介手数料の場合は法律で上限額が決まっていますが、住宅ローン事務手数料は上限がありません。そのため、金額は不動産会社によって大きく変わってきます。5万円の会社もあれば20万円を請求する会社もあります。
高額な手数料を請求する悪質な会社もあるようですので、提携ローンを依頼するときには必ず事前に確認しましょう。
他の住宅ローンと比較検討しにくい
非提携ローンの場合は自分で情報を集めて、どの金融機関に事前審査を申し込むか比較検討します。
しかし提携ローンの場合は、不動産会社に言われるがままに事前審査の申し込みをしてしまう人もいるでしょう。
後から金利がさらに低い商品や団信が充実している商品を見つけて後悔することがあるかもしれません。
住宅ローンに関する情報収集をして、納得した上で申し込みをするようにしましょう。
また、住宅ローンに関する知識を身につけておくことも重要です。下記の記事では住宅ローンの金利タイプと選び方について解説していますので、基礎知識を知りたいという方はご覧ください。
変動金利と固定金利、どっちがいい?最新の住宅ローン金利推移についても解説!
変動金利と固定金利のそれぞれのメリットや向いている人、最新の相場について解説します。
非提携ローンと比べると商品が豊富でない
不動産会社はすべての金融機関と提携しているわけではないので、希望する金融機関の住宅ローンを借りられないことがあります。
また、提携ローンは非提携ローンとは違う独自の商品です。そのため、特定の団信(がん団信や疾病保障)への加入が制限されたり、期間限定優遇キャンペーンの対象外になったりすることもあります。
提携ローンだからといって必ずお得なわけではないということは念頭に置きましょう。
4. 提携ローンに関する体験談
最後に、住まいサーフィンで更新している「実録!マンション・一戸建て購入のしくじり体験談」から、提携ローンに関する体験談をご紹介します。
夫に持病があり、団信に加入できないことが最初からわかっていたので、フラット35しかローンを組めない状態でした。検討期間が短いこともあり、自分たちで調べる時間も足りず、仲介不動産の担当者と相談し、不動産会社が提携しているローン会社でフラット35のローンを組みました。>>この体験談をもっと詳しく見る
住宅ローンのことまで考えずに家探しを進めていて、急にいい家が見つかって契約したので、住宅ローンについて考える余裕がありませんでした。それで、不動産会社と提携してる銀行の中から選ぶことにしました。ネット銀行は金利が安いかもしれないと思いましたが、時間的に検討する余裕がありませんでした。ただ、金利も大差はなく、提携先の銀行のためスムーズにやりとりできたので、結果的には良かったと思います。>>この体験談をもっと詳しく見る
希望の住宅を見つけてから融資実行(引き渡し)までの期間は人それぞれで、数年かかる人もいればすぐに融資実行となる人もいます。後者の場合、時間との戦いです。
不動産会社へ支払う住宅ローン事務手数料が著しく高いなどの事情がなければ、提携ローンの方が良いでしょう。
住宅ローンは販売会社の提携ローンを利用しました。勤めている会社にはローン優遇がいくつもあったので、提携ローンの条件と比べてみましたが、会社の優遇ローンと提携ローンに差がなかったため、手続きの利便性を考えて、提携先のローンをお願いしました。幸いにも大きな会社での勤続や保有資産の状況もあり、全く問題なくローン審査が通ったので、とてもうれしかったです。>>この体験談をもっと詳しく見る
共働きですが、片方だけのローンでは難しかったので、半額をそれぞれの名義にしてペアローンを組みました。不動産会社提携の銀行で優遇金利を適用してもらえ、変動金利で契約。住宅ローン控除もそれぞれ利用できたので、良かったです。>>この体験談をもっと詳しく見る
提携ローンの場合は金利優遇されることも多いです。非提携ローンを利用するつもりの人も、試しに提携ローンの事前審査申し込みをすることをおすすめします。
ここまで、提携ローンにして良かった人の体験談をご紹介しました。しかし、提携ローンにしたことを後悔している人や、あえて非提携ローンにしたという人もいます。
私の場合、物件に関しては特に不満はありませんが、納得のいく住宅ローンが組めなかったという反省点があります。ローンは、不動産会社の提携金融会社より好条件のものが他にたくさんあるので、検討してみても良いと思います。>>この体験談をもっと詳しく見る
不動産会社から提携先の住宅ローンを何社か勧められましたが、金利がそこまで安くなかったので、自分たちで探しました。金利は将来どうなるかわからなかったので、変動金利ではなく、10年の固定金利が一番安いところを選び、契約しました。契約は、書類も多く説明も色々とされて大変でしたが、書類を書くことに必死で、内容はほとんど覚えていません。>>この体験談をもっと詳しく見る
5.まとめ
今回の記事では、提携ローンのメリットやデメリットについて解説しました。
提携ローンには手続きの簡易化やローン特約などメリットが多いです。
しかし、最後の体験談でもさまざまな声があったように、必ずしも提携ローンにするのが最善の選択とは限りません。デメリットも理解した上で、ご自身に最適な住宅ローンを探しましょう。
マンション購入を検討している人の中には、物件価格が高騰しているのでなかなか購入に踏み切れないという方もいらっしゃるでしょう。また、物件価格の高騰以外にも、将来の金利上昇、2024年問題による建築費高騰、人口減少といった不安要素は多くあります。マンション購入で後悔しないためには、より一層の情報収集が重要です。
とはいえ、どうすれば良いか分からないという方も多いでしょう。
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▼PIVOT 5年後、都心のマンションはどれだけ値上がりするのか?
▼NewsPicks プロだけが知る「令和の不動産売買」【沖有人vs中山登志朗】
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