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住まいサーフィン編集部

建ぺい率の基礎知識と重要性

2024年07月02日

更新日最終更新日:

建ぺい率の基礎知識と重要性

「建ぺい率」は家を建てるうえで非常に重要なキーワードとなります。

家を建てる際にはいろいろな制約があります。制約を無視して家を建てることはできません。

建てたい家の理想を叶えるためにも「建ぺい率」についてしっかりと理解し、理想の住まいを手に入れましょう!

今回の記事では、建ぺい率や容積率について、またその計算方法や緩和措置などをご紹介します。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

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1. 建ぺい率とは

建ぺい率の基本的な定義

建ぺい率とは「敷地面積に対する建築面積の占める割合」です。

敷地の面積に対して何パーセントまで建物を建築できるか、その割合を「建ぺい率」と言います。

建築面積は建物を上から見た時の大きさが基準となり、一般的な2階建て、3階建てのような一戸建てでは一番大きな階の面積を建築面積として計算します。

もし1階よりも2階の方が広ければ、2階の面積が建ぺい率の建物面積の対象となります。

建ぺい率

なぜ「建ぺい率」を気にしなければいけないのか?

それは行政によって「建ぺい率」の上限が決まっているので、土地の広さという情報だけでは思い描いていた家を建てることが叶わないということが起こってしまうからです。

土地に対しての建ぺい率によって建てられる家の大きさは異なります。

一般的に建ぺい率は30%~80%の範囲内で決まっています。

建ぺい率と容積率の違い

容積率とは「敷地面積に対する延床面積の占める割合」です。

延べ床面積とは建物すべての階の床面積を合計した面積です。

すなわち、どのくらいの高さの建物を建てることができるのか、何階建ての建物を建てることができるのかということです。

容積率

建物の容積を制限することによって、収容人口を規制し、また、道路・公園・上下水道などの公共施設とのバランスを保ち、居住環境を保護するために都市計画で「指定容積率」が定められています。

2. 建ぺい率・容積率の計算方法

次に建ぺい率・容積率の計算方法についてみていきましょう。

基礎的な計算方法

建ぺい率
建ぺい率(%)= 建物面積 ÷ 敷地面積 × 100

【建ぺい率の計算例】
100㎡の土地 建ぺい率60%
⇒建築面積 60㎡までの住宅 

容積率
容積率(%)= 延床面積 ÷ 敷地面積 × 100

【容積率の計算例】
100㎡の土地 容積率150%
⇒すべての階の延床面積合計 150㎡までの住宅

例えば「土地面積100㎡で建物面積50㎡(1階部分)+40㎡(2階部分)」だった場合、建ぺい率・容積率の計算式は以下の通りです。

  • ● 建ぺい率=50㎡÷100㎡×100=50%
  • ● 容積率=(50㎡+40㎡)÷100㎡=90%

建ぺい率・容積率ともにそれぞれ決められた%よりも下回る基準で建築する必要があります。

建ぺい率と容積率の考え方

下記の図のように、決まっている建ぺい率、容積率の基準以内で建築しなければなりません。

建ぺい率と容積率の考え方

建ぺい率・容積率の緩和措置

建ぺい率、容積率には緩和条件が設定されています。

【建ぺい率】

防火地域・準防火地域 ①防火地域(80%以内)耐火建築物
    ⇒建ぺい率制限なし(建ぺい率100%)
②防火・準防火地域の耐火・準耐火建築物
    ⇒+10%緩和
角地 +10%緩和
防火地域 + 角地 +20%緩和

【建ぺい率・容積率】

住宅等地下室 物件全体の1/3以内であれば
建ぺい率・容積率の計算に含めなくても良い
ロフト・屋根裏部屋 該当フロアの床面積の1/2以内であれば
建ぺい率・容積率の計算に含めなくても良い
吹き抜け 吹き抜け部分は床面積に参入しない
吹き抜けは地面から天井まで突き抜けているため、
床がないものとみなされる
エレベーターの昇降路 延べ面積に参入しない
バルコニー・ベランダ
庇・出窓(細かい条件あり)
外壁から突き出した部分が1m以内であれば
建ぺい率・容積率の計算に含めなくても良い
ガレージ・車庫 物件全体の1/5以内であれば
建ぺい率・容積率の計算に含めなくても良い

こちらに記載した緩和条件以外にも緩和条件は設けられています。

検討している土地が緩和条件を受けられるかどうかを調べるのは難しいため、建設会社などにご相談いただくことをオススメします。

緩和措置をうまく利用して、理想の住まいに近づけましょう!

3.地域ごとの建ぺい率の違い

用途地域と建ぺい率・容積率

用途地域別に「建ぺい率」と「容積率」が決められています。

計画的に市街地を形成するために用途に応じて13地域に分けられたエリアのことを言います。

都市開発を計画的に進めるために決められており、この基準を元に住宅が建てられます。

住居中心の8地域についてみていきましょう。

【住居系用途地域】

用途地域 用途内容 建ぺい率 容積率
第一種低層住居専用地域 低層住宅のための地域 30・40・50・60% 50・60・80・100・150・200%
第二種低層住居専用地域 主に低層住宅のための地域
(150㎡までの店舗含)
30・40・50・60% 50・60・80・100・150・200%
第一種中高層住居専用地域 中高層住宅のための地域 30・40・50・60% 100・150・200・300・400・500%
第二種中高層住居専用地域 主に中高層住宅のための地域
(1500㎡までの店舗・事務所含)
30・40・50・60% 100・150・200・300・400・500%
第一種住居地域 良好な住環境保護を目的とした地域、
住宅や3,000㎡までの店舗・事務所等
50・60・80% 100・150・200・300・400・500%
第二種住居地域 良好な住環境保護を目的とした地域、
住宅や10,000㎡までの店舗・事務所等
50・60・80% 100・150・200・300・400・500%
準住居地域 道路の沿道に指定され、
自動車関連施設などと住居が調和した
環境を保護する地域
50・60・80% 100・150・200・300・400・500%
田園住居地域 農業用施設、
低層住居地域に建築可能な住宅
30・40・50・60% 50・60・80・100・150・200%

主な住宅(戸建て)中心の用途地域

● 第一種低層住宅専用地域

建物の高さが10m、もしくは12mまでと決められており、広い敷地に1~2階建ての住宅が並ぶエリアになります。

建ぺい率30~60%と決められており、土地に対して建物の面積が小さいのが特徴です。

隣戸との距離にも指定があり、景観整備もなされるなど、住みやすさが重視されたエリアになります。

日当たりもよく、閑静な住宅街であることが多いです。

● 第二種低層住宅専用地域

第一種低層住宅専用地域と同様の条件ですが、第二種低層住宅専用地域では150㎡、2階建てまでの店舗を作ることができます。

スーパーやコンビニエンスストアなどが建設可能です。

● 第一種住居地域

第一種住居地域は良好な住環境を守る地域と指定されています。

道路斜線や隣地斜線などの高さ制限はあるものの、絶対高さの制限はないため3階建てを建設することが可能です。

大規模ではない店舗や事務所なども建てられますが、6~7割が住宅、残りが店舗などのため、利便性が高く生活しやすいのが特徴です。

● 第二種住居地域

第一種住居地域と異なる点は大規模な施設や遊戯施設も建設可能な点です。

商業施設もあり利便性は高いですが、駅や幹線道路も近くなるため騒音や防犯といった面で注意が必要なエリアもあります。

特定の用途における建ぺい率の調べ方

気になる土地が出てきたらまずその土地を扱っている不動産会社に問い合わせをしてみましょう。

また、市区町村に問い合わせをしたり、市区町村の公式WEBサイトでも確認できます。

4.建ぺい率の重要性

都市計画における建ぺい率の役割

無秩序に街が広がらないように一定のルールに基づいて建物の建築を規制し、都市計画が進められています。

建ぺい率や容積率を守らずに建てた建物は「違法建築物」になってしまい、下記のような事態を引き起こしてしまいます。

● 工事自体を引き受けてもらえない

● 住宅ローンを組むことができない

建ぺい率・容積率を守ることで、隣戸との一定の空間を生み、採光や通風を良くしたり、火災時には延焼を逃れるといった効果もあります。

建ぺい率・容積率は快適なまちづくりや快適な暮らしにつながるための大切な要件となります。

5.まとめ

建物の広さに影響する建ぺい率、容積率についてご紹介しました。

これから住む土地がどういった用途地域にあたるのかを知ることは生活していくうえでとても大切です。

建ぺい率と容積率で建設できる家の大きさが変わるため、ご希望の土地がある地域の用途地域、建ぺい率と容積率は必ず調べましょう。

この記事をお読みの方は、注文住宅を検討している方も多いかと思います。

注文住宅を建てる方の多くは、まず先にデザインを重視する傾向にあります。
しかし、戸建て住宅に住む上で次のような心配事はありませんか?

  • ● 地震発生時の倒壊リスクが、マンションよりも戸建ての方が高い
  • ● マンションに比べて、部屋が寒い印象がある
  • ● 友人のマンションに比べ、エアコンの効きが悪い
  • ● ヒートショックはマンションよりも戸建てで起きやすい

上記のようなリスクがあるため、デザインだけでなく住宅性能を考慮した家造りが重要です。

住宅性能は目に見えませんが、部屋の暖かさや通気性の良さは住んだ後に実感できます。
さらに、高性能住宅は省エネ効果が高いため毎月の光熱費削減にもつながります。

安全・安心で快適な暮らしを送るために、耐震性や断熱性にも配慮したマイホーム計画を立てましょう。

また近年、住宅関連の様々な補助金制度が運用されており、高性能住宅を建てれば補助金が受け取れます。
さらに、省エネ住宅は税制優遇までも受けられるので活用して損はありません。

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注文住宅が向いているのはどんな人!?

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