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住まいサーフィン編集部

第一種熱交換換気とは何か?メリットやデメリットを解説!

2024年04月16日

更新日最終更新日:

昨今の住宅市場では、断熱性や省エネ性が重視されています。せっかくマイホームを買うなら快適な住宅が良いですよね。
快適な住宅を選ぶためのポイントの一つが、換気です。換気システムによっては住宅の断熱性が低くなってしまうこともあります。高断熱・高気密の家なら、第一種熱交換換気がおすすめです。

今回の記事では、換気の重要性や基礎知識、第一種熱交換換気のメリット・デメリットについて解説します。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

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1. 換気はなぜ重要なのか?

まずは、換気の重要性についてご説明します。

新築住宅の居室には24時間換気システムを設置しなければなりません。24時間換気システムとは、窓を開けなくても室内の空気が入れ替わる設備のことです。
シックハウス症候群対策のため、2003年7月以降に建築されるすべての住宅に設置が義務化されました。

シックハウス症候群とは、建材・家具から発散される化学物質やカビ・ダニなどによって室内の空気が汚染され、下記のような症状が出ることです。

シックハウス症候群の症状例

  • ● 頭痛
  • ● 鼻水
  • ● 咳・のどの痛み
  • ● 吐き気
  • ● 倦怠感
  • ● 皮膚の乾燥や痒み
  • ● 目のチカチカ

症状一覧を見ただけだと、疲れによる体調不良や風邪の初期症状にも思えますよね。シックハウス症候群の場合、原因となる建物から離れることで症状が軽減したり消失したりします。

シックハウス症候群が起きるようになった理由は、住宅の高気密化と化学物質の使用です。
昔の住宅は今より風通しが良かったですが、時代が変わって室内の快適性や断熱性が重視されるようになりました。そのため、今の住宅はしっかり換気をしないと室内に汚れた空気が滞留してしまいます。
冬の間は寒いから24時間換気システムを閉じている方もいるようですが、シックハウス症候群防止のためにも必ず一年中開けておくようにしましょう。

また、シックハウス症候群の原因は化学物質だけではなく、カビやダニ、ハウスダストなども含まれます。高気密の家は湿気がこもりやすくなるので、しっかり換気をしないとカビが発生してしまいます。
シックハウス症候群で体調不良にならないためにも、高気密・高断熱の家こそ換気が特に重要です。

2. 換気の基礎知識と種類

次に、換気の基礎知識をご説明します。
換気には自然換気機械換気があります。

  • 自然換気:室内外の温度差による対流や外風による圧力といった自然条件を利用した換気方式
  • 機械換気:換気扇や送風機などの機械を使って強制的に換気する方式

自然換気は騒音が発生しませんが、そのときの自然環境によって換気量が変わってくるので安定した換気ができません。
一方で機械換気は安定した換気ができますが、費用がかかり、騒音が発生することがあります。

また、換気をするには給気排気の両方を行います。給気は外から室内へ空気を入れることで、排気は室内の空気を外へ出すことです。

給気と排気

給気と排気、どちらか一つでも欠けてしまうと「換気」にはなりません。

換気システムの種類

給気・排気が自然換気と機械換気どちらなのかによって、換気システムの種類が変わってきます。

  給気 排気
第一種換気 機械給気 機械排気
第二種換気 機械給気 自然排気
第三種換気 自然給気 機械排気

このように、換気システムは第一種換気・第二種換気・第三種換気の3つに分かれています。
第一種熱交換換気は、その名のとおり第一種換気です。第一種換気の多くの製品は熱交換器が入っています。

3種類の中で、自然排気なのは第二種換気だけです。室内の気圧が外よりも高くなるので、ドアなどを開けてもほこりや菌などが入ってきにくくなります。
第二種換気は製造工場や病院(手術室)などの清潔さが求められる空間で取り入れられている換気システムです。

住宅の場合は、第一種換気もしくは第三種換気が採用されています。多くの住宅では第三種換気を取り入れています。
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。

第一種換気と第三種換気のメリット・デメリット

第一種換気は機械給気ですが、第三種換気は自然給気です。
それぞれの特徴を知っていただくために、メリットとデメリットをご紹介します。

第一種換気のメリット・デメリット

第一種換気のメリットは、確実に空気の入れ替えをできるところです。機械による給気なので、一定時間の間に決められた空気量が効率良く入れ替わります。
また、給気時にフィルターを通すので花粉やPM2.5が室内に入ってくるのを防いでくれます。

さらに、後ほど詳しく解説しますが、熱交換換気システムの場合は断熱性が高まるというメリットもあります。

第一種換気のデメリットは、設置コストとランニングコストが高いところです。多くの住宅が第一種換気ではなく第三種換気となっているのも、コストの高さが原因と言えるでしょう。

第三種換気のメリット・デメリット

第三種換気は、排気だけに機械を使います。そのため、設置コストおよびランニングコストは安いです。
また、第二種換気と違って室内の気圧が外よりも低くなるので、室内に湿気がたまりにくいというメリットもあります。

一方で、自然給気が十分でない状態で機械排気をすると、ドアや窓の開閉がしにくくなったり、風切り音が発生したりしてしまいます。
キッチンで換気扇を付けていたら玄関の扉が開けにくくなった経験や、換気扇からピューピューと音がした経験がある方も多いのではないでしょうか。このような現象は、気密性が高いマンションでよく起きる現象です。

なお、気密性が低い住宅の場合は「ショートサーキット」という現象が起こってしまい、効率良く換気できないことがあります。
ショートサーキットとは換気扇周辺の隙間から給気され、家の中を通らずにそのまま排気されてしまうことです。

また、給気口から外の気温の影響を受けやすいというデメリットもあります。
第三種換気は自然給気なので、家の中に複数の給気口が設置されます。
給気口とはこのようなものです。※写真は閉じている状態になります。

24時間換気システム

冬はここから冷たい空気が入ってきてしまい、逆に夏は熱気が入ってきて冷房の効きが悪くなります。
さらに、春や秋には花粉も入ってくるでしょう。PM2.5など汚れた空気が入ってくることもあります。

このように、第三種換気はコストが安いという大きなメリットがありますが、デメリットも多いです。
省エネで健康的な生活をしたいという方は、第一種換気システムの導入をおすすめします。特に第一種熱交換換気なら、外の気温からの影響をほぼ無くすことができます。

第一種換気と第三種換気

3. 第一種熱交換換気とは

つづいて、第一種熱交換換気についてご説明します。

第一種熱交換換気とは熱交換器を利用した換気システムのことです。熱交換器は排気時に捨てる室内の熱を回収して、給気してきた空気にその熱を戻します。
つまり、換気システムによる室内の温度変化を防いでくれるということです。

第一種熱交換換気

冬場、熱は15%が換気によって流出すると言われています。第一種熱交換換気を導入したときの効果は大きいでしょう。
参考:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会

また、温度変化を防ぐことは快適さの向上だけでなく、冷暖房などの光熱費削減にも繋がります。特に断熱性が高い住宅であれば、第一種熱交換換気システムにすることでさらなる真価を発揮できるでしょう。

第一種熱交換換気のメリットをまとめると、このようになります。

第一種熱交換換気のメリット

  • ● 室内の温度変化を防いでくれるので快適に生活できる
  • ● 断熱性が高まり光熱費も削減される(省エネ)
  • ● 室内を確実に換気してくれる
  • ● 花粉や汚染物質も防いでくれる

なお、デメリットは先ほどもご説明したように設置コストやランニングコストがかかることです。
ただ、第一種熱交換換気の使用は光熱費の削減に繋がるので、トータルで見るとランニングコストはそれほど高くならないでしょう。

4. ダクト式とダクトレス式の違い

換気の設置方法には、ダクト式ダクトレス式があります。
最後に、第一種熱交換換気のダクト式とダクトレス式の違いについてご説明します。

  ダクト式 ダクトレス式
配管(ダクト) 天井裏や床下に配管を設置する 配管なし
換気システム本体 壁掛け・天井に隠蔽 建物の外壁に設置
確実な換気
設置コスト 高い 安い
設置場所 ダクトが設置できればOK 制限される
メンテナンス ダクト内の清掃+各フィルターの清掃 各フィルターの清掃

ダクト式が配管を使った設置方法で、家の中に配管を設置するためランニングコストが高いです。
また、ダクト内は定期的に清掃する必要があります。放置していると大量のほこりだけでなくカビが発生することもあり、部屋の中にほこりやカビを拡散することになってしまいます。

ダクトレス式は配管がない設置方法で、ダクト式よりも安価で設置できます。工事もダクト式ほど大掛かりではありません。
しかし、換気システム本体は建物の外壁に設置されるので、外に面していない部屋だと設置できません。
また、ダクト式より換気性能が低い可能性があります。ダクトレス式は数十秒ごとにファンが回転して、給気と排気を交互に行います。換気扇周辺の空気はしっかり入れ替わっていると考えられますが、室内の一部空気は上手く入れ替えされないかもしれません。

確実な換気をしたいという場合にはダクト式の方が安心でしょう。
コストを抑えたい方や後付けで設置したいという方にはダクトレス式がおすすめです。
さまざまなメーカーが第一種熱交換換気システムの製品を出しているので、まずは一度工務店に相談してみてください。

5.まとめ

今回の記事では、換気システムの種類と第一種熱交換換気について解説しました。

第一種熱交換換気は室内をしっかり換気してくれる上、断熱性能も高めてくれます。花粉症の人は、室内での症状改善も期待できます。
ただし、メンテナンスは必須です。ダクトレス式であっても適切な清掃やフィルターの交換を怠ると、換気性能が低下したり空気が汚染したりしてしまいます。
健康で快適な生活を送るためにも、定期的なメンテナンスを忘れないようにしましょう。

ところで、2025年4月から、すべての新築住宅に省エネ基準適合が義務化されます。一定以上の省エネ性能は保障される一方で、価格が心配という方も多いのではないでしょうか。住宅価格の高騰は今後も続く見通しです。
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