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住まいサーフィン編集部

マンション騒音の種類と防音対策について

2022年10月27日

更新日最終更新日:

マンション生活におけるイライラの原因のひとつに近隣からの騒音があります。
とくに夜間の就寝時やテレワークで集中しているとき、住宅の防音性が気になる方が多いのではないでしょうか。

また反対に、小さいお子さんがいるご家庭では、子供の足音や声が響いていないかを常に気にしているという意見も多く聞かれます。

ご近所問題へと発展しまう恐れもあるマンション騒音。
本記事では、マンション騒音の種類や、防音性・遮音性について、詳しく解説していきます。

この記事を書いた人

住まいサーフィン編集部

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1. マンション騒音の種類

住宅構造の防音性について触れる前に、まずは騒音の種類を知っておきましょう。

マンションで悩まされる騒音の種類には、大きく分けて「固体音」と「空気音」の2つがあります。

まず、「固体音(個体音)」とは、建物の壁や床などの構造体内部を通過した振動となり響く音を指します。

固体音は床や天井、壁を振動させて伝わるので、発生源が何処なのか分からないことが多い音であるのが特徴。
固体音の原因にとしては、エアコンが唸る作動音、昇降するエレベーターの機械振動、トイレやバスルームの排水音などが考えられます。

固体音は建物構造に起因するため、改善が難しい騒音と言われています。

もう一つの騒音の種類として「空気音」があります。

空気音は、隣戸からの音楽・話し声、共用廊下を歩く人の声、エアコン室外機作動音、クルマや電車の走る音、近隣の保育園の子どもの叫び声など空気を伝わってくる音を指しています。

空気音はその名の通り、空気伝播する音であるため、入居後の防音・遮音対策による軽減も可能。固体音と比べると防音対策がしやすい騒音と言えます。

ここからは、住宅の防音性について詳しく見ていきましょう。

2.住宅の防音性・遮音性とは

住宅の防音性とは一般的に、木質構造⇒鉄骨構造⇒鉄筋コンクリート構造の順に高くなります。

まず、木造建築は一戸建て住居に多いのが特徴。
一戸建て住戸は隣戸との距離があるため、互いの生活騒音は伝わりにくく、木造建築ではそれほど高い防音性能は必要とされません。

その一方、マンションは壁や床1枚で上下・隣の住戸と接しているため、防音性が重要視されます。
マンションを検討されている方は、防音性の高い鉄筋コンクリート(RC)造の物件を選ぶようにしましょう。

木造建築と比較し格段に遮音性の高いRC構造ですが、建築方法の違いによって防音性や遮音性に差が生まれてきます。
次項でさらに詳しく見ていきましょう。

3.マンションの防音対策で重要なポイント

ここからはマンションの防音性で重要な『壁・床・窓』についてご紹介します。

壁の防音対策

まず、部屋と部屋の間を区切る壁の防音性能が気になる方が多いのではないでしょうか。

部屋を区切る戸境壁には、RC構造のほか石膏ボードでグラスウールをサンドイッチする”乾式遮音壁”が採用されるケースがあります。
乾式遮音壁は、RC戸境壁より軽量であることが特徴で、20階建て以上の高層マンションで主に採用されています。

かつては、乾式遮音壁はRC戸境壁と比較し遮音性が劣り、タワーマンションは“うるさい”という言説もありましたが、技術進歩が目覚ましく現在では200mm厚のコンクリート壁と同等の遮音性があるとされています。

したがって、新築マンションの場合はさほど神経質になる必要はありません。

しかし、リノベマンションなどを検討する際は壁の材質や厚さを確認しておくことをおすすめします。
中古マンション購入で防音性を配慮したい場合は、壁の材質はRC造・厚みが180mm以上の物件を選ぶとよいでしょう。

床の防音対策

続いて気になるポイントがマンションの床構造です。上下からの騒音にお悩みの方は非常に多いです。

まず、床から伝わる音(床衝撃音)は重量衝撃音(LH)と軽量衝撃音(LL)の2つに分けられます。重量衝撃音(LH)は子どもが飛び跳ねる音や重いものを落とした際の音、軽量衝撃音(LL)はスリッパで歩く足音やスプーンなどの軽いものを落とした際の音をイメージしてください。

重量衝撃音(LH)の対策として有効なのは、床に使用している鉄筋コンクリートの厚みです。床の厚みはスラブ厚とも呼ばれます。
最近のマンションではスラブ厚が200mm程度の物件が多いです。さらに、遮音性を売りにするマンションではスラブ厚が300mmという物件もあります。
しかし、中古マンションのなかにはスラブ厚が120mm、150mmの物件も存在しますので要注意です。

軽量衝撃音(LL)の対策では床の仕上げ材が重要です。
古くは、マンションの床仕上げ材として吸音性の高いカーペットが主流の時期もありました。しかし、現在では主に”防音フローリング”が用いられています。
フローリング材には遮音等級(L値)が指定されており、遮音性を数値で判断することも可能です。数値が小さいほど遮音性は高く、L-40もしくはL-45であれば一般的な性能と言えます。

また、軽量床衝撃音の対策として、「二重床工法」で作られている物件もあります。

その名の通り、コンクリートスラブの間に脚を立て、床(天井)を離して仕上げる工法です。
二重床工法は防音対策のほか、床と床の隙間に設備配管・配線を隠すことができるため、天井がすっきりする、メンテナンスがしやすい等のメリットもあります。

窓ガラスとサッシの防音対策

もう一点、外部からの騒音を遮断するためには窓ガラスとサッシの防音性能が重要になります。

基本的に、窓ガラスの遮音性能は、その厚さに比例しています。
マンションで一般的な6mmの網入りガラスよりも8mm⇒10mm⇒12mmと厚くなるほど遮音性は高くなります。
同時に、遮音性に加えて風に対する耐風強度も上がるため、高層階になるほど厚い窓ガラスとなっているタワーマンションもあります。

また、防音効果のある防音(遮音)ガラスは、「合わせガラス」と呼ばれているものです。
合わせガラスは2枚の透明ガラスの間に特殊な防音フィルムをサンドイッチした特殊構造でできています。
防音ガラスの遮音性能にはJIS規格があり、T2(レベル2)⇒T3(レベル3)などと表示され、数字が大きいほど遮音性能が高くなっています。

なお、似たような構造のガラスに2枚のガラスの間に空気層を持たせた複層ガラス(ペアガラス)がありますが、こちらは断熱性能を高める目的のガラスで、遮音効果はあまり期待できません。
ただし、断熱と遮音性能の両方をアップさせるために防音合わせガラスにもう1枚のガラスで空気層をつくった複層トリプルガラスという特殊なガラスも存在しています。

また、窓ガラスのほか、窓枠サッシの遮音性能にもJIS規格が定められています。その遮音性能はT値で表し、T1~T4の4段階に設定。これもT4規格サッシがもっとも遮音効果が高いとされています。
一般的な戸建住宅や集合住宅のアルミサッシの防音性能は、これもJISの遮音性能規格(T値)で最も低い「T1」製品が使われています。中高層分譲マンションでもT2規準の場合が多いのが現状です。

T1サッシに、高い性能の防音ガラスを入れても、サッシの隙間から音が漏れてしまい、効果は薄れるため要注意です。

分譲マンションの場合、窓枠サッシは共有部となります。そのため、後からサッシを防音タイプに交換するには管理組合の許可が必要です。1世帯だけの工事だと、外観が揃わないといった理由から、許可は降りないことがほとんど。
したがって、マンション入居後に窓の防音・断熱性能を上げる場合は、内窓を設置し二重窓にする対策となります。

幹線道路沿いや繁華街等、賑やかな立地のマンションを検討する場合、購入時に窓ガラスとサッシの性能確認を必ず行いましょう。

4.まとめ

  • ● マンションの防音対策は壁・床・窓がポイント
  • ● 特に中古マンションの場合は念入りに確認すること

この記事ではマンションの防音性を判断するために注意したいポイントをご紹介しました。

マンション購入経験者のなかでも騒音のお悩みは非常に多く、思わぬ失敗ポイントがあった…という体験談が多く寄せられています。

下記の特集ではマンション・戸建購入の失敗談のまとめ記事となっています。
ぜひ購入前に目を通し、参考になさってください!!

参考:マンショントラブル第一位はずばりこれ

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