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住宅ローンを利用する際、もし融資が通らなかったらどうなるの?とお考えの方もいるのではないでしょうか?
そんな時に役に立つのが「住宅ローン特約」です。
現金一括で住宅を購入するという方以外は、トラブル回避のためにもしっかりと確認しておきましょう。
「住宅ローン特約」の内容について、また利用する際の注意点も含めてみていきましょう。
1. 住宅ローン特約とは?
「住宅ローン特約」とは、買主が住宅ローンを利用する際、借入額の全額や一部について金融機関の承認が得られない時(ローンが組めない時)に売買契約を無条件で解除できるという特約になります。
住宅ローン特約は、どのようなタイミングで必要となるのでしょうか?
その内容を理解するために、簡単にローン契約と住宅購入の流れを合わせてみていきましょう。
【ローン契約の流れ】 | 【住宅購入の流れ】 | |
---|---|---|
1 | 住宅ローンの情報収集・相談 | 物件探し (土地・建物・マンションなど) |
2 | 申込~事前審査(仮審査) | 物件決定 |
3 | 本審査申込 ~ 承認 | 物件申込 (不動産売買契約) |
4 | 契約手続き | |
5 | 融資実行 | 決済・引き渡し |
購入物件(土地、建物、マンションなど)が決定し、物件を申し込んだ際に売主と不動産売買契約を結びます。
この不動産売買契約の際に「住宅ローン特約」を付けることができます。
売買契約後、金融機関に融資を申込、住宅ローンの本審査に入ります。
仮審査で一旦審査が通っていた場合でも、仮審査時よりも物件金額(融資金額)が上がっていたり、勤務状況や経済状況が変わっているなど、買主の条件が異なっていた場合など本審査が通らないことがあります。
融資が下りず借り入れができない状態で「売買契約が済んでいるので全額支払え」と言われても困ってしまいます。
でも、住宅ローン特約を結んでいれば、万一本審査が通らない場合は売買契約を白紙に戻すことができるのです。
契約が解除された場合は、住宅ローン特約により買主が売主に支払っていた契約金も全額返金され、違約金も発生しません。
これが「住宅ローン特約」です。
2. 住宅ローン特約の種類
住宅ローン特約には2種類あります。
「条件型」と「解除権留保型」の2種類です。
内容と注意点をみていきましょう。
条件型
まず条件型ですが、「解除条件型」と「停止条件型」の2種類に分けられます。
解除条件型では融資を受けられない場合、自動的に契約が白紙解除となります。
融資が受けられない場合、買主の意思表示がなくとも法律上当然に契約が解除されるため、手付金などの返還が受けられないといったトラブルを避けられます。
停止条件型では、金融機関から融資の承認が得られたタイミングで契約が成立します。
つまり、融資が下りない場合は契約自体がなかったものとなります。
メリット | 自動的に契約が解除・成立するので意思表示の必要なし |
---|---|
デメリット | 他の金融機関からの融資が受けられない ※他の金融機関で融資を受ける場合には別の売買契約が必要になる |
売買契約が一旦無効となるため、他の金融機関からの融資を受けたいとなった場合、改めて売買契約を結ぶ必要が出てきます。
ただし、解除期限までに買主が他の金融機関に融資申し込みをして契約の続行を希望し、売主がそれに合意した場合「売買契約変更合意書」を結ぶことにより、契約を続行することができます。
解除権留保型
買主からの解除の申し出があってはじめて契約が白紙となります。
メリット | 他の金融機関からの融資が受けられる |
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デメリット | 解約期限までに契約解除の意思表示が必要 (解除期限は申し出により延長可能) |
融資が受けられない場合、あくまでも買主の申し出があってはじめて契約を解除することができます。
ですので、契約解除を申し出ずに他のローン先を探すことができます。
ただし、解除期限までに契約解除を申し出ないと手付金が返金されないばかりか、違約金も発生してしまいます。
住宅ローン特約の解除期限は延長することができます。
他のローン先を探して融資を受けたい場合は必ず売主に相談することを忘れないようにしましょう。
3. 住宅ローン特約の注意点
住宅ローン特約を結ぶ際には以下の条件をしっかりと確認し、売買契約書にローン条項を明記しましょう。
- ● 借り入れを行う金融機関名
- ● 融資利用額
- ● 融資までの期間
- ● ローン特約により解除可能な期間
- ● 条件型か解除権留保型か
特約解除となる条件に合致していなければ特約は適用となりません。
売買契約の際に、住宅ローン特約の詳細までしっかりと確認することがトラブル回避の大前提となります。
必ず売買契約書に借り入れる金融機関名、金額など諸条件がしっかりと明記してあるか確認しましょう。
では、次のようなケースでは特約は適用されるでしょうか?少し具体的に3つの例をみていきましょう。
- Q 売買契約後に今よりも良い条件の物件が見つかったので、わざと住宅ローン審査に落ちたり、虚偽の申請をした場合は?
- A 住宅ローン特約が適用になるのはあくまで買主に過失がなかった場合のみになります。
ローン条項を合意した以上、買主には決められた融資に申し込みをし、ローン実現のために誠実に努力する義務を負うこととなります。
融資申請手続きを遅らせたりなど、わざと融資を受けられなくする行為は、住宅ローン特約は適用とならず、特約の解除はできませんので絶対にやめましょう。
ですので、その時は契約解除を申し出、手付金を放棄するほかありません。
新しい物件との条件を見極め、手付金を放棄しても、支払う総額が減ったり、条件が良くなるようであれば、手付放棄し契約解除する旨、売主に相談してみましょう。
- Q ローン特約付きで物件を購入。残念ながら希望した銀行の融資が通らなかったので、解約を希望したものの、売主からは他の銀行に申し込みをしろ、無理ならノンバンクに申し込めと言われた場合は?
- A 売買契約を交わす際に、具体的な銀行名が明記してあり、その銀行から融資を断られたのであればローン特約が適用となり解除を申し出ることができます。手付金も返金され、違約金も発生しません。
一方、売買契約書に具体的な銀行名がない場合、他の銀行では融資を受けられる可能性があるので契約解除することができません。最悪、銀行とは金利などの融資条件が異なる、高い金利のノンバンクで融資を受けざるを得ないというトラブルに発展する可能性がありますので注意しましょう。
売買契約書に具体的な融資希望銀行名が明記してあるかどうかが契約解除できるかどうかの鍵となります。
- Q ローン手数料などの諸費用を工面できず、融資が通らなかった場合にローン特約による解除はできる?
A 借主都合でローンが借りられなかった場合に、ローン特約による解約はできません。
住宅ローン借り入れにかかる諸費用は現金で用意する必要がありますので、事前に用意しておきましょう。
このような事情で契約解除をする場合、手付金の放棄、もしくは違約金の支払いが必要となります。
なお、提携ローンの場合は住宅ローン特約の付帯が義務付けられていますが、非提携ローンは任意となっています。そのため、非提携ローンは住宅ローン特約が付いていないケースも多いです。
しかし、非提携ローンであっても売主や仲介業者との交渉次第では住宅ローン特約を付けることもできます。
提携ローンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
住宅ローンは提携ローンにした方が良い?メリットとデメリットを解説!
提携ローンの仕組みやメリット・デメリットについて解説します。
4.まとめ
住宅ローン特約についてみてきました。
この制度は不動産売買において買主を保護するための重要な特約です。
ローン特約のおかげでローン利用の場合でも安心して売買契約を締結することが可能です。
購入物件が決まって、売買契約を結ぶ際には詳細までしっかり確認し、売買契約書にローン条項を明記することが大切ですね。
物件購入時にはたくさん決めなければいけないことが出てきますので、漏れがないように注意しましょう。
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▼PIVOT 5年後、都心のマンションはどれだけ値上がりするのか?
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