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日本は省エネ性能の高い住宅を推進しているので、住宅購入時や省エネリフォーム時に補助金をもらえることがあります。各家庭で毎日使っている「給湯器」も補助金(給湯省エネ事業)の対象になっています。
給湯器の一般的な耐用年数は10~20年です。寿命が近いようであれば、給湯省エネ事業を活用することで省エネな給湯器をお得に購入できます。
今回の記事では、2024年最新の給湯省エネ事業の内容や各機器のメリット・デメリットについて解説します。
目次
1. 給湯省エネ事業とは何か
まずは給湯省エネ事業とはどんな事業なのかご説明します。
政府は2050年カーボンニュートラル実現に向けて、「住宅省エネ2024キャンペーン」と呼ばれる4つの支援事業を実施することにしました。
住宅省エネ2024キャンペーン
- ① 子育てエコホーム支援事業
- ② 先進的窓リノベ2024事業
- ③ 給湯省エネ2024事業
- ④ 賃貸集合給湯省エネ2024事業
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするということです。「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素などの温室効果ガスの「排出量」 から、植林・森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、その合計を実質ゼロにすることを意味します。
給湯省エネ事業は、4つの支援事業の中の1つです。高効率な給湯器を導入すると、製品や性能に応じて(基本補助分だけで)8~18万円の補助金がもらえます。
なぜ給湯器の補助金事業が実施されるようになったのでしょうか。それは、給湯分野というのは家庭におけるエネルギー消費の中でも大きな割合を占めているからです。
資源エネルギー庁の「令和4年度エネルギーに関する年次報告」によると、(2021年度の)世帯ごとのエネルギー消費量のうち28.7%が給湯に使われていました。
家庭におけるエネルギー消費量を削減するために、給湯器の省エネ化は重要なポイントと言えます。
高効率な給湯器を導入するメリット
給湯器を省エネ化することのメリットは、地球環境保全だけではありません。各家庭にもメリットがあります。
高効率給湯器を導入するメリット
- ● 光熱費が安くなる
- ● 災害にも強い
高効率給湯器を導入する一番のメリットは、エネルギー消費量が削減されて光熱費が安くなることです。季節問わず一年中毎日使うものだからこそ、効果は実感しやすいでしょう。
例えばエコキュートは太陽の熱エネルギーと電気を使ってお湯を作りますが、電気代が安い夜間電力が使われるのでランニングコストがかなり低くなります。結果的に、エコキュートでは月々の光熱費が1/3ほど節約されるそうです。
参考:https://sumai.panasonic.jp/hp/start/(Panasonic はじめてのエコキュート)
また、普通の給湯器よりも災害に強いという特徴があります。
エコキュートは停電時でも出湯可能で、「非常用取水栓」というものも標準設備となっています。
ハイブリッド給湯機は電気とガスの両方のエネルギーを使うので、停電時にはガス・ガスが停止した時には電気でお湯を作ることができます。
給湯省エネ事業で補助金を受け取るには、対象機器を導入する必要があります。
それぞれの機器にメリット・デメリットがあるので、比較検討しましょう。
2024年給湯省エネ事業の条件
次に、2024年に給湯省エネ事業で補助金をもらうための条件を見ていきましょう。
- 対象者
- ● 対象機器を設置する住宅の所有者等
- ● 給湯省エネ事業者と契約を締結し、以下①~④のいずれかの方法で本事業の対象機器である高効率給湯器を導入する方(購入の場合)
- ①新築注文住宅に、対象機器を購入し、設置する方法【工事請負契約】
- ②対象機器が設置された新築分譲住宅(戸建または共同住宅等)を購入する方法【不動産売買契約】
- ③リフォーム時に、対象機器を購入し、設置する方法【工事請負契約】
- ④既存給湯器から対象機器への交換設置を条件とする既存住宅を購入する方法【不動産売買契約】
- ● 給湯省エネ事業者とリース契約し、以下①~④のいずれかの方法で本事業の対象機器である高効率給湯器を導入する方(リースの場合)
- ①新築注文住宅に、建築主が対象機器をリースにより設置する方法
- ②建築中の分譲住宅(戸建)に対して、住宅購入者が対象機器をリースにより設置する方法
- ③建築中の分譲住宅(共同住宅等)に対して、管理組合等が対象機器をリースにより設置する方法
- ④既存住宅のリフォーム時に、住宅所有者等が対象機器をリースにより設置する方法
- 対象となる住宅
- ● 新築住宅または既存住宅(戸建てと集合住宅どちらも対象)
- 対象となる機器
- 以下の製品で、性能要件を満たしたもの。
- ● ヒートポンプ給湯機(エコキュート)
- ● 電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)
- ● 家庭用燃料電池(エネファーム)
- 対象となる期間
- ● 着工日が2023年11月2日~遅くとも2024年12月31日まで
給湯省エネ事業の対象者は上記①~④のいずれかの方法で対象の高効率給湯器を導入する人で、購入だけでなくリース契約者(契約期間6年以上)も対象です。
対象機器が設置された新築住宅を購入した人やリフォーム時に設置した人、さらには中古住宅を購入した時に対象機器に交換した人も含まれます。
中古住宅購入時の補助金について、元々対象機器設置されていた場合には対象にならないのでご注意ください。
また、対象となる期間は「遅くとも2024年12月31日まで」となっていますが、この事業は予算に達し次第終了となります。2024年6月24日現在、予算に対する補助金申請額の割合は34%です。
なお、2023年に行われた同事業は、2023年12月31日時点で29%でした。6月時点で去年の申請額の割合を超えているので、2024年は12月31日よりも前に予算に達して終了する可能性もゼロではありません。
対象となる機器については後ほど詳しく解説します。
2024年給湯省エネ事業の補助金額
つづいて、気になる補助金額についてご説明します。
給湯省エネ2024事業は、補助金額が一律で支給されるわけではありません。
機器の種類によって基本額が決まっていて、性能に応じて加算されます。さらに、既存給湯器の撤去も行う場合には撤去加算額も定額で支給されます。
- 1台あたりの補助金額
=基本額(8~18万円/台)+性能加算額(2~5万円)+撤去加算額(該当者のみ、5万円または10万円)
基本額
設置する給湯器 | 補助額 (基本額) |
---|---|
ヒートポンプ給湯機 (エコキュート) |
8万円/台 |
電気ヒートポンプ・ ガス瞬間式併用型給湯機 (ハイブリッド給湯機) |
10万円/台 |
家庭用燃料電池 (エネファーム) |
18万円/台 |
※補助上限は戸建ての場合は2台、集合住宅の場合は1台まで
性能加算額
設置する給湯器 | 加算要件 | 補助額 (加算額) |
|
---|---|---|---|
いずれか | 両方 | ||
ヒートポンプ給湯機 (エコキュート) |
A | 2万円/台 | 5万円/台 |
B | 4万円/台 | ||
電気ヒートポンプ・ ガス瞬間式併用型給湯機 (ハイブリッド給湯機) |
A | 3万円/台 | 5万円/台 |
B | 3万円/台 | ||
家庭用燃料電池 (エネファーム) |
C | 2万円/台 |
加算要件のA~Cについては給湯省エネ2024事業公式サイトにてご確認ください。
撤去加算額
工事の内容 | 補助額 (加算額) |
---|---|
電気蓄熱暖房機の撤去 | 10万円/台 |
電気温水器の撤去 | 5万円/台 |
※補助上限は電気蓄熱暖房機の撤去が2台、電気温水器の撤去が基本補助を受ける台数まで
例えば新築分譲住宅※を購入して、以下のエコキュートを設置するとします。
※寒冷地ではなく一般地の住宅とする
- 三菱エコキュートEXシリーズ
- ①SRT-B376U(給湯省エネ事業の対象製品):税込価格118.8万円
- ②RMCB-D6SE-T(A要件を満たすリモコン):税込価格7.7万円
- 給湯器本体(①)+リモコン(②)の合計:126.5万円
参考:https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/ecocute/product/pdf/ecocute-price.pdf(三菱エコキュート価格一覧表)
この製品だと、基本補助額8万円+加算要件(A)2万円の合計10万円が給湯省エネ2024事業の補助金として受け取れます。
A要件を満たさないリモコン(RMCB-D6SE)の定価は税込6.6万円です。A要件を満たすリモコンとの価格差は1.1万円ですが、加算要件による追加の補助金は2万円になります。
一見高いように見えても、補助金を利用するのであれば高性能な製品の方がお得なケースもあるということです。
なお、今回は定価をご紹介していますが、実際に給湯器を購入する場合には大幅に割引されることがほとんどです。
定価の3割~6割引き、製品によっては7割~8割引きで購入できることもあります。
定価だけを見て「高いから諦める」のではなく、まずは工事費用も含めた見積もりをしてみてください。
2. 2024年給湯省エネ事業の対象機器
給湯省エネ事業の対象機器は大きく分けると3種類あります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。
エコキュート
エコキュートとは、ヒートポンプの原理を使って、夜間電力や太陽光で発電した電力を有効に利用する給湯器です。
冷媒の圧縮・膨張サイクルによってお湯を作り、貯湯タンクに蓄えておくので、必要なときにお湯を使うことができます。
画像出典:給湯省エネ2024事業公式ホームページ
給湯省エネ2024事業で給付金をもらうには、エコキュートの性能レベルが基準(2025年度目標基準値)に達している必要があるのでご注意ください。
エコキュートの中には「おひさまエコキュート」という商品があります。太陽光発電システムが別途必要な商品になります。
画像出典:給湯省エネ2024事業公式ホームページ
おひさまエコキュートは2025年度の目標基準値を満たしていないものでも対象です。
エコキュートのメリット
- ● 環境にやさしい
- ● 光熱費が安い
- ● 災害時にも強い
エコキュートは空気の熱を利用して高効率でお湯を沸かすヒートポンプ方式が使われているので、CO2排出量が低減されます。電気・ガスだけでお湯を作るよりも環境にやさしいです。
電気代が安い夜間にお湯を作るため、光熱費が安くなるのも大きなメリットと言えます。
また、夜間にお湯を作ったらタンクに貯めておくので、停電や断水が起こった非常時にも「非常用取水弁」からお湯(水)を取り出せます。
エコキュートで作ったお湯は飲用としては使用できませんが(一部製品を除く)、非常時に使える生活用水があるのは安心です。
エコキュートのデメリット
- ● お湯切れすることがある
- ● 原則飲用には適していない
- ● 深夜に音が出る
エコキュートの大きなデメリットとして、湯切れするリスクが挙げられます。
エコキュートは夜間にお湯を作ってタンクに貯めておきますが、タンクのお湯がなくなったら蛇口をひねってもお湯は出なくなります。入浴中に湯切れになったら大変です。
もちろんお湯を追加で沸かすことはできますが、時間がかかる上、夜間に作るよりも電気代がかかってしまいます。普段よりも多くお湯を使う場合には、あらかじめ沸き増ししておきましょう。
また、エコキュートのお湯は(一部製品を除いて)飲用には適していません。
各メーカーのエコキュート説明書には、飲用としては避けるように明記されています。なぜかというと、タンクの中のお湯は一度沸かしているので、カルキ等が抜けてしまい水道法の水質基準に満たなくなっているからです。
ただし、一部のメーカーでは飲用できるタイプのエコキュートも作っています。
エコキュートは夜間にお湯を作るので、隣家が近い場合には注意が必要です。音の大きさは40~50dB程度なのでうるさい音ではありませんが、エコキュートからは低周波音が発せられます。夜間は静かで音が響きやすいので、人によっては気になってしまうでしょう。
隣家の寝室近くにエコキュートを設置してしまった場合には、騒音によるクレームが起こるかもしれません。設置場所には十分注意してください。
ハイブリッド給湯機
ハイブリッド給湯機とは、ヒートポンプ給湯機とガス温水機器を組み合わせたものです。2つの熱源を効率的に用いることで、高効率な給湯ができるようになります。
電気とガスのいいとこ取りで、万が一湯切れがあっても素早くお湯を沸かしてくれるのが特徴です。
リンナイの「ECO ONE(エコワン)」やノーリツの「ユコア」がハイブリッド給湯機に分類されます。
画像出典:給湯省エネ2024事業公式ホームページ
給湯省エネ2024事業で補助金をもらうためには、下記の性能要件があります。
- ● 熱源設備として電気式ヒートポンプとガス補助熱源機を併用するシステムで、貯湯タンクを持つ機器であること。
- ● 一般社団法人日本ガス石油機器工業会の規格(JGKAS A705)で、年間給湯効率が108%以上のものであること。
ハイブリッド給湯機のメリット
- ● 環境にやさしい
- ● 湯切れを心配しなくていい
- ● 災害時にも強い
ハイブリッド給湯機は、電気とガスを使って効率良くお湯を作ります。
画像出典:エコワンの仕組み(リンナイホームページ)
基本的には環境にやさしいヒートポンプで必要な分だけ沸かして、お湯を多く使う時間帯にはガスと電気を使います。湯切れも湯あまりもないので、非常にエコな給湯器と言えるでしょう。
お湯が足りなくなってもガスで瞬発的にお湯を沸かしてくれるので、エコキュートのように湯切れする心配もありません。
また、普段は電気とガスの両方を使って効率的にお湯を作っていますが、非常時にはガスだけまたは電気だけでも利用できます。
電気かガスどちらかが復旧すればお湯が沸かせるので災害時に心強いです。
さらに、タンク内にお湯(水)が残っていれば、生活用水としても使用できます。
ハイブリッド給湯機のデメリット
- ● 導入コストが高い
- ● エコキュートより光熱費が高い
ハイブリッド給湯器の大きなデメリットは、価格が高いので導入コストがかかることです。製品にもよりますが、一般的にはエコキュートよりも高価格になります。
利用年数が短いと結果的に損してしまうことになるので、導入時にはしっかり比較検討しましょう。
また、ハイブリッド給湯機は普通の給湯器よりもずっと省エネなので光熱費も安いですが、エコキュートに比べると高くなります。一般的に、電気よりもガスの方が利用料金が高いからです。
ハイブリッド給湯機に限らないことですが、給湯器を導入するときには「貯湯タンクの大きさ」がポイントになります。
特に世帯人数が多い場合には、お湯が足りなくなって何度もガスで沸かすと光熱費が高くなってしまうので注意してください。
エネファーム
エネファームとは、都市ガスやLPガスなどから水素を作って、その水素と空気中の酸素の化学反応により発電するものです。エネルギーを燃やさずに直接利用することで、発電効率が高くなります。
また、発電の際に発生する排熱を回収して、給湯器としての役割も果たしてくれます。電気を作るのと同時にお湯も作ってくれる創エネ設備です。
画像出典:給湯省エネ2024事業公式ホームページ
給湯省エネ2024事業で給付金をもらうには、一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)が公表する登録機器リストに登録されている製品を導入する必要があります。
製品リストはこちらをご覧ください。
エネファームのメリット
- ● 環境にやさしい
- ● 電気代を節約できる
- ● 停電時でも発電できる
エネファームはエネルギーを燃やさずに電気を作って、さらにその熱でお湯も作ります。CO2の排出量が低減されて、環境にやさしいです。
自家発電をするので、環境にやさしいだけでなく電気代も節約できます。
また、ガス会社の中にはエネファーム利用者向けの優待プランもあるようです。
エネファームの大きなメリットは、停電があってもガスが止まっていなければ発電できることです。電気も使えますし、給湯もできます。いざというときの備えにもなりますね。
また、エコキュートやハイブリッド給湯機と同様に、非常時にはタンク内のお湯(水)を取り出して生活用水として利用することも可能です。
エネファームのデメリット
- ● 導入コストがかなり高い
- ● ガス代が高くなることがある
- ● 広い設置スペースが必要
エネファームは発電もしてくれる魅力的な設備ですが、エコキュートやハイブリッド給湯機に比べると導入コストが非常に高いです。
本体価格も高く、さらに工事にも数十万円の費用がかかります。導入コストだけで100万円~200万円ほどかかるようです。定期的にメンテナンスもしなければなりません。
エネファームは発電時にガスを使うため、ガス代が高くなることがあります。エネファーム利用者向けの優待プランを利用できることもありますが、それでも使用量が多ければ月々のガス代は高くなってしまうでしょう。
特にプロパンガス(LPガス)は都市ガスよりも料金が高いので、ガス代が高額になる可能性があります。
また、エネファームは給湯器(給湯ユニット)だけでなく燃料電池発電ユニットも設置する必要があるので、広い設置スペースを確保しなければなりません。
マンション用のコンパクトなエネファームも発売されていますが、メーカーや製品が限られてしまいます。
ここまで、エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファームの特徴とメリット・デメリットをご紹介しました。
給湯省エネ事業でもらえる補助金額も、機器や性能によって違います。また、給湯器は永遠に使えるものではなく、一般的な耐用年数は10~20年です。
後悔しないためにも、それぞれのメリットやデメリットをしっかりと理解したうえで検討しましょう。
3. 2024年給湯省エネ事業に関するよくある質問
最後に、給湯省エネ2024事業に関するよくある質問にお答えします。
エコジョーズは給湯省エネ事業の対象になるか?
エコジョーズとは、少ないガスで効率よくお湯をつくる給湯器です。新築分譲マンションや新築建売住宅に導入されていることも多いため、給湯省エネ事業の対象になるのか気になる方も多いでしょう。
結論としては、給湯省エネ2024事業の対象にはなりません。新築住宅に入居するケースでエコジョーズが設置されていても、残念ながら補助金はもらえません。
しかし、リフォームでエコジョーズを導入(購入のみ・リースは含まれず)した場合には「子育てエコホーム支援事業」で補助金(3万円)をもらえる可能性があります。
ただし、子育てエコホーム支援事業は「補助額5万円以上」のリフォームでないと対象にならないので、他の省エネリフォームもする必要があるのでご注意ください。
エコジョーズの対象製品は給湯省エネ2024事業のホームページから調べられます。
給湯省エネ事業の申請方法は?
給湯省エネ事業は、建築事業者・施工業者・不動産販売事業者・リース事業者(いずれも給湯省エネ事業者)が申請をします。補助金も業者を通じて消費者に還元されます。
消費者が行う手続きはありません。
※以下画像は工事請負契約で導入したケース
画像出典:給湯省エネ2024事業公式ホームページ
他の補助金と併用できるのか?
給湯器の導入に関する補助金は、基本的には併用できません。ただし、給湯器以外のリフォーム工事に関しては併用できることがあります。
政府が2024年に実施する住宅省エネ系補助金事業には、給湯省エネ2024事業以外にも「先進的窓リノベ2024事業」と「子育てエコホーム支援事業」があります※。
※賃貸集合住宅オーナー向けの「賃貸集合給湯省エネ2024事業」は除く
先進的窓リノベ2024事業は窓などの断熱性能向上リフォームに関する補助金で、給湯省エネ2024事業と併用できます。
一方、併用できる場合とできない場合があるのが「子育てエコホーム支援事業」です。
子育てエコホーム支援事業は新築住宅購入に対する補助金と省エネリフォームに対する補助金の2種類があります。省エネリフォームは全世帯が対象で、対象工事には高効率給湯器の設置が含まれます。
高効率給湯器の導入については、給湯省エネ2024事業と子育てエコホーム支援事業の併用はできません。
例えばエコキュートを導入したときに、子育てエコホーム支援事業に申請してさらに給湯省エネ2024事業に申請することはできないです。
同じ工事内容でも、事業によってもらえる金額は違います。給湯省エネ2024事業は特に省エネ効果が高い製品に特化した事業で、求める性能と補助額が高いことが特徴です。
子育てエコホーム支援事業で高効率給湯器を設置した場合の補助金は3万円なので、給湯省エネ2024事業の方が補助金を多くもらえます。
ただし、補助対象となる製品や契約、着工の時期等の要件が異なります。製品によっては給湯省エネ事業は対象にならないけど子育てエコホーム支援事業なら対象になることもあるようです。
子育てエコホーム支援事業についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
子育てエコホーム支援事業の内容や条件、補助金額について解説します。
なお、国が他に実施している補助金については、原則として併用できません。工事請負契約が別、かつ工期が別である場合のみ他の補助金と併用できる場合があります。
地方公共団体が行っている補助金事業は、国費が充当されているもの以外なら併用できます。
交付された補助金は課税対象になるのか?
工事発注者(消費者)が個人の場合には、補助金は一時所得に該当します。そのため、一定額以上受け取った場合には税務署等に申告する必要があります。
ただし、給湯省エネ事業の補助金は、所得税法第42条第1項(国庫補助金等の総収入金額不算入)に規定される「国庫補助金等」に該当するので、所定の手続きをすれば所得から除外できる場合もあるようです。
また、住宅ローン減税等を併用する場合、住宅の取得価格等から控除する必要もあります。詳細は税務署等に確認しましょう。
参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2202.htm
(国税庁 国庫補助金等を受け取ったとき)
2025年以降も同様の補助金事業はあるのか?
2025年以降の補助金事業は現時点でまだ決まっていませんが、同様の事業が実施される可能性はあります。政府は住宅の省エネ化を強く推進をしているからです。
給湯省エネ事業は2023年にも実施されました。しかし、給湯省エネ2024事業の補助金額は2023年よりも多いです。
補助金額 | |
---|---|
2023年の給湯省エネ事業 | エコキュート:5万円/台 ハイブリッド給湯機:5万円/台 エネファーム:15万円/台 |
給湯省エネ2024事業 | エコキュート:8万円/台 ハイブリッド給湯機:10万円/台 エネファーム:18万円/台 さらに性能加算額と撤去加算額もあり |
2025年以降に給湯省エネ事業と同様の補助金制度を利用する場合、条件や対象製品などが変更となる可能性もあります。最新の内容をしっかり確認してください。
高効率な給湯器は地球環境にやさしいだけでなく、光熱費の節約や災害時の備えにも繋がります。電気代やガス代が高騰している今だからこそ省エネ性能の高い給湯器を導入して、補助金制度も最大限に活用しましょう。
4.まとめ
世界的にも省エネやカーボンニュートラルが重視されていますが、日本の住宅市場においても今後重要になるのが省エネ性能の高い住宅です。
国や自治体もさまざまな補助金制度でその推進をバックアップしています。
省エネ住宅の重要度は理解できたし、今なら補助金ももらえる。いざ行動しよう!とした皆さんは、以下のように思われたのではないでしょうか?
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