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分譲マンション購入時にかかる諸費用のうちの一つが、不動産取得税です。
固定資産税は聞いたことあるけど、不動産取得税は知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、マンションの不動産取得税の計算方法や、最新の軽減制度について詳しく解説します。
目次
1. 不動産取得税って何?
不動産取得税とは、土地や家屋を売買や贈与により取得した際に支払わなければならない税金です。
課税主体は土地や家屋の所在地の都道府県になります。
固定資産税や都市計画税は毎年支払う必要があるのに対して、不動産取得税は取得したときに1回だけ支払います。
固定資産税と都市計画税については、以下の記事で解説してますのでご覧ください。
固定資産税と比べて1回しか支払わないとなると、その金額も多いのでは・・と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし不動産取得税には軽減制度があり、控除額も大きいです。
そのため、購入したマンションによっては不動産取得税は0円ということもあります。
控除額は築年数や住宅性能によって異なります。
ご自身が購入予定のマンションはどれくらい控除されるのか、事前に確認しておくことが大切です。
申告方法
不動産を取得した後、10~60日以内に、不動産の所在地を管轄する都道府県税事務所に申告をします。
申告の期限は都道府県によって様々です。
東京都の場合は取得してから30日以内とされています。
また、申告をしていなくても税事務所から納付通知が届くこともあります。
しかし軽減措置や控除を受けるためには申告が必要なので、忘れずに手続きをするようにしましょう。
2. 不動産取得税の計算方法
それでは不動産取得税の計算方法について見ていきましょう。
評価額によって税額は決まる
マンションの不動産取得税は、以下の式で算出することができます。
軽減措置適用後の計算式
土地
固定資産税評価額×「1/2」×税率3%※
家屋
固定資産税評価額×税率3%※
※2027年3月31日までの軽減措置を適用した計算式になります。
2027年4月以降は、土地と建物それぞれの「固定資産税評価額」×税率4%となる予定です。
固定資産税評価額とは課税台帳に登録された価格のことで、「固定資産評価基準」に基づいて自治体が決定します。
土地の固定資産税評価額は、公示地価(国土交通省が公表する土地の価格)の約7割を目安に決められています。
一方家屋の固定資産税評価額は、再建築価格(まったく同じ建物を再建築するのにかかる金額)が基準になっています。
固定資産税評価額は、自治体の「固定資産課税台帳」を閲覧することで確認できます。
しかし、この固定資産課税台帳は所有者本人や同居の親族、相続人の代表など限られた人しか閲覧することはできません。
マンション購入前に固定資産税評価額を確認したい場合は、不動産会社に相談してみましょう。
軽減制度
不動産取得税は一定の要件を満たすことで、控除や減額を受けることができます。
軽減措置を受けるための要件
- ●床面積※1 50㎡以上240㎡以下
- ●取得者の居住用(セカンドハウスも含む)
- ●中古の場合、耐震基準要件を満たしているもの※2
※1専有面積だけでなく、共用部分の床面積を専有部分の床面積割合によりあん分した床面積も含む
※2昭和57年1月1日以降に新築、または
建築士等が行う耐震診断によって新耐震基準に適合していることの証明がされたもの
それでは具体的な控除や減額の内容をご紹介します。
家屋の控除
新築の家屋は、以下の金額が固定資産税評価額から控除されます。
控除額 | |
---|---|
新築 | 1,200万円 |
認定長期優良住宅 | 1,300万円 |
参考:認定長期優良住宅にかかる固定資産税・不動産取得税が軽減されます(東京都主税局)
※認定長期優良住宅の不動産取得税の特例措置は2026年3月31日までとなっています。
中古の家屋は、建築された年によって控除額が異なります。
新築された日 | 控除額 |
---|---|
平成9年4月1日以降 | 1,200万円 |
平成元年4月1日~平成9年3月31日 | 1,000万円 |
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 | 450万円 |
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 | 420万円 |
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日 | 350万円 |
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日 | 230万円 |
昭和39年1月1日~昭和47年12月31日 | 150万円 |
昭和29年7月1日~昭和38年12月31日 | 100万円 |
昭和56年12月31日以前の新築については、新耐震基準に適合していることの証明が必要になるので注意しましょう。
土地の減額
土地については、以下①②のうちいずれか金額が多い方が算出された税額から減額されます。
新築だけでなく、中古も同様です。
①4万5,000円
②土地1㎡当たりの固定資産税評価額×「1/2」×住宅の床面積の2倍※×3%
※一戸当たり200㎡が限度
3.マンションの不動産取得税を試算してみる
それでは、不動産取得税はどれくらいになるのかシミュレーションしてみましょう。
新築マンションの計算
以下の新築マンションを購入したと仮定します。
- ●床面積80㎡(共用部含む)
- ●家屋の固定資産税評価額1,600万円
- ●持分土地面積70㎡
- ●土地の固定資産税評価額3,000万円
- ●認定長期優良住宅ではない
新築マンションの場合は、このように計算します。
家屋の不動産取得税
〇固定資産税評価額×3%
〇控除額1,200万円
(1,600万円-1,200万円)×3%=120,000円
土地の不動産取得税
〇固定資産税評価額×「1/2」×3%
3,000万円×1/2×3%=450,000円 ―A
Aから、①②いずれか金額が大きい方を減額する。
①
4万5,000円
②
〇土地1㎡当たりの固定資産税評価額×「1/2」×住宅の床面積の2倍×3%
(3,000万円÷70)×1/2×(80×2)×3%=1,028,571円 ―B
②の方が大きいので、こちらが減額になる。
AからBを引くとマイナスになるので、土地の不動産取得税は0円になる。
よって、今回の不動産取得税は120,000円になります。
中古マンションの計算
以下の中古マンションを購入したと仮定します。
- ●平成8年3月新築
- ●床面積80㎡(共用部含む)
- ●家屋の固定資産税評価額600万円
- ●持分土地面積70㎡
- ●土地の固定資産税評価額3,000万円
家屋については、以下のように計算します。
家屋の不動産取得税
〇固定資産税評価額×3%
〇控除額1,000万円
(600万円-1,000万円)×3%=0円
土地の不動産取得税
土地については新築マンションと同様の計算なので、土地の不動産取得税は0円になる。
よって、今回の不動産取得税は0円となります。
今回は中古マンションの例で0円となりましたが、新築マンションの場合でも、土地や家屋の固定資産税評価額によっては0円になることがあります。
4.まとめ
今回の記事では、マンションの不動産取得税の計算方法や軽減措置について解説しました。
不動産取得税は、不動産の購入時に1度だけ支払う必要がある税金です。
物件によっては支払う金額が多いこともあるので、必ず購入前に不動産会社へ確認するようにしましょう。
また、主税局のホームページに「税額計算ツール」も用意されていますのでご自身で確認したい方は活用してみましょう。
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