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住まいサーフィン編集部

マンションの「ハイサッシ」とは?メリット・デメリットを解説!

2023年11月27日

更新日最終更新日:

マンションの「ハイサッシ」とは?メリット・デメリットを解説!

マンション・戸建てを探していると、「ハイサッシ」というキーワードを目にすることがあります。
マンションの窓の大きさを決めるサッシの高さは、室内の日当たりや見映えに大きく影響する要素であることをご存知でしょうか。
本記事ではハイサッシとは何か、またメリット・デメリットについて詳しく解説します!

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

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1.マンションのハイサッシとは

「ハイサッシ」とは、天井近くまで高さのあるサッシ(窓枠)を意味します。
通常のサッシが1.8m~2.0m弱であるのに対し、ハイサッシの場合は2.1m~2.4mほどの高さになります。ハイサッシにすると一部分の壁一面がガラス窓になり、光をより多く室内に取り入れることができます。

ハイサッシは、主採光部であるリビングに設けられるのが一般的です。
リビングに開放感が生まれるハイサッシは人気が高いですが、実際に採用されているマンションは少数派です。
その理由として、ハイサッシを採用するためには、従来工法と比較しコストがかかる工法で建てる必要があるためです。

通常のサッシとハイサッシ、工法の違いとは?

マンションの基礎構造には大きく分けて、ラーメン構造と壁構造の2つが存在します。

  • ●ラーメン構造…梁と柱で建物を支える構造
  • ●壁構造…壁で建物を支える構造

順梁工法

順梁工法は、ラーメン構造の中でも最も一般的な工法です。
耐震性に優れている工法ですが、梁と柱が居室内にせり出すため見た目にも圧迫感があり、デッドスペースが生まれてしまうのが難点です。
また、順梁工法のマンションは窓枠の上部が梁となるため、窓の高さをとれずハイサッシを採用することが構造的に難しいです。

このような難点を解消し、より開放感のある空間を生み出すために、以下のような工法が存在します。

逆梁工法

逆梁工法とは、順梁工法とは逆の位置に梁を取り付ける工法です。
順梁工法は、天井から下がるように梁が取り付けられていますが、逆梁工法は床から盛り上がる形で梁が設置されます。

順梁工法で窓枠の上部に存在していた梁は、多くの場合でバルコニーの手すり部分に移動されます。
梁の位置を移動させることで、天井に届くハイサッシを取り付けることが可能となります。

梁と柱を住戸の外側に設置する建築方法は、「逆梁アウトフレーム工法」とも呼ばれます。

扁平梁工法

梁の高さ(梁せい)を通常の1/2程度とし、梁幅を伸ばすことで強度を維持する扁平梁工法と呼ばれる技術も存在します。
以前は、構造的な制約から15階建てを超える建物では採用されていませんでした。
しかし最近では、高強度の材料を用いたり、より幅広の扁平梁を使用したりすることで20階程度の建物にも採用され始めています。

扁平梁工法により梁が薄くなった分、梁下の開口寸法が拡大され、ハイサッシを取り付けることができます。これにより、室内空間の有効利用や開放的な空間の実現が可能となっています。

TWFS工法

TWFS工法とは、柱と梁を設けず、床と壁だけで構造躯体を構成する壁工法の一種です。
床と壁を肉厚にすることで、室内にせり出してしまう柱・梁を排除しています。
強靱な構造躯体を実現しながら、居住空間の開放性を高めることができ、ハイサッシの設置も可能となります。

2.ハイサッシのメリット

つづいては、ハイサッシのメリットについて見ていきましょう。

リビングに開放感が生まれる

ハイサッシは窓が大きく外との一体感が生まれるため、リビングに開放感が生まれます
また、天井が高く感じられるので、部屋が広く見える、ホテルのような高級感を演出してくれるといった効果もあります。

日当たりが良い

ハイサッシは一般的なサッシ高と比較し、高さの分だけ陽の光を多く取り込むことができます。
陽の光が当たるスペースが増えるため、部屋の奥まで光が届きやすく明るい空間となります。そのため、冬の季節も採光ができ照明の電気代節約にもなるかもしれません。

風通しが良い

ハイサッシは日当たりだけでなく、通風にも優れています。
窓が大きい分、外の空気を多く取り込めるため、空気の入れ替えが簡単にでき気持ちの良い空間となります。

眺望が楽しめる

ハイサッシは窓が大きくなるため、部屋の中から眺望をより楽しめるメリットもあります。
海や公園、夜景といった景色が見えるマンションであれば、ハイサッシの魅力を存分に感じられるでしょう。

3.ハイサッシのデメリット

魅力の多いハイサッシですが、デメリットについても確認しておきましょう。

ハイサッシ用のカーテンは特注品となる

ハイサッシは通常の物件と比較し、窓枠が数十センチ高くなります。
そのため、既製品のカーテンではサイズが合わず、サッシ高に合わせて丈の長いカーテンを特注する必要があります。オーダーカーテンとなるので、費用が割高になるでしょう。

バルコニーが狭くなる

ハイサッシのマンションは多くの場合、梁をバルコニーに移動させた逆梁工法で建設されます。
そのため、通常サッシ上にある梁がバルコニーに設置されることとなり、梁の厚みの分スペースが狭くなります

また、梁の部分は足がかけられる程度の奥行きがあるため、子供が手すりをよじ登ってしまうリスクがあります。
お子さんのいるご家庭は、転落防止のために窓に二重ロックをかけるなどの対策が必要です。

バルコニーの手すりがコンクリートになる

逆梁アウトフレーム工法の場合、梁はバルコニーの手すり部分と一体化します。
そのため、窓の下部分はコンクリートでふさがれ、外の景色が隠れてしまいます。

購入費用が高額となる

ハイサッシのマンションは従来工法で建設されたマンションと比較し、建築費用が高くなります
また、サッシ自体の費用も割高になります。
そのため、ハイサッシはハイグレードマンションで採用されているケースが多いです。

4.まとめ

本記事では、ハイサッシの特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説しました。
近年の建築費用の増加によって、ハイサッシを採用する新築マンションは減りつつあります。
そのため、ハイサッシのお部屋に住みたい方は、新築マンションだけでなく中古マンションも検討してみることをおすすめします。

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