家を住むときに、賃貸か家を購入するかというのは、結論が出ない問題とされています。
なかなか結論が出ないテーマです。
ただ、やはりこのテーマは我々が生活する上では避けて通れないので、少し深堀りをしてみようと思います。
買うのと借りるのどっちがいいの?
- ■50年間の住居費のランニングコスト
- 例えば同じ条件の不動産を「購入した場合」、「借りた場合」に費用はどのくらいかかるでしょうか。
【不動産の条件】
不動産の価格: 3,090万円、面積71.30平米
住宅ローンを組む金額: 2600万円
月々の住宅ローンの支払額: 約9万円(フラット35利用で2%35年返済)
管理・修繕積立金は毎月2万円
この条件で同じ駅で同じ徒歩分で貸りた場合、賃料+管理費で16.1万円かかります。
毎月5.1万円の差になります。
月額の支払いということを考えてみると、購入したほうが負担はかからないということになります。
全く同じ条件の住戸を借りた場合、賃貸のほうが毎月の負担が大きいことを伝えると、驚かれる方が多いです。
あと、家を所有をするという際にかかる費用としては、
・管理費
・修繕費
などがかかります。
管理費というのは、共用部分の清掃やマンションの管理業務のコストです。
具体的には管理人の人的コストや、共用部分の維持にかかる費用です。
少し話はずれますが、この管理コストが異様に低いと、マンションの劣化スピードが早くなります。
適正な管理コストを負担することはマンションの質の維持につながります。
更にマンションのランニングコストですと、固定資産税と都市計画税がかかります。
これはマンションの建物と土地の評価額から算出した価格に所有するマンションの持ち分を乗じた金額が課税対象額となり、その金額に税率がかかります。
また、ランニングコストではありませんが、購入の場合ですと、所有することで発生する経費があります。
その一番大きいのは専有部分のリフォーム費用です。
当然建物は年数が経てば、劣化していきます。
その劣化分を補う費用が当然発生します。
リフォーム費用と言うのは意外と馬鹿にならなくて、おおまかな価格ですが、
・システムキッチンの買い替え: 80万円前後
・浴室のリフォーム: 80万円前後
・トイレのリフォーム: 30万円前後
・リビングのリフォーム: 50〜100万円
・ダイニングのリフォーム: 50万円前後
・寝室のリフォーム: 50〜100万円
・玄関のリフォーム: 50万円前後
など。
普通に丁寧に生活をしていれば、15〜20年に1回程度発生するかな、という程度です。
50年間住み続けると仮定すると、2度ほどリフォームをするという計算になります。
賃貸マンションだと、よほど変な使い方をしなければ、照明などの消耗品以外は、オーナー負担ということになっています。
したがって、賃貸だと入居者は共益費を含んだ管理費を払い続けるだけにとどまります。 - ■初期にかかる費用
- それでは家を購入する場合、借りる場合に最初に払う費用を検証してみましょう。
賃貸の場合
・敷金家賃2ヶ月
・礼金家賃1ヶ月
・仲介手数料家賃1ヶ月分
・前家賃1ヶ月分
・引越し費用が15万円
冒頭のモデルケースだと賃料(共益費込)16.1万円としましたので、管理費が2万円だとして、賃料14.1万円で計算します。
14.1万円×(敷金2ヶ月+礼金1ヶ月+仲介手数料1ヶ月+前家賃1ヶ月)+引越し費用15万円
=85.5万円
一方でマンション購入の初期費用は、3,090万円のマンションで2,600万円の住宅ローンを組んだ場合、頭金の400万円以外に諸経費がかかります。
目安としてはマンション購入費の7%前後かかります。
具体的には、
金融機関等に支払う項目
・印紙税: 20万円(住宅ローンの金銭消費貸借契約に貼付する印紙)
・登録免許税: 約10万円(表示登記、所有権移転登記、抵当権設定登記など)
・司法書士報酬: 約10万円(登記手続きをした場合に司法書士に支払う)
・固定資産税: 約5万円(通常引渡し時に、日割り計算で支払います)
・融資手数料: 約3万円前後(金融機関によって融資金額の1%を徴収するケースも有り)
・保証料: 約50万円(金融機関によっては無料の場合もあります)
・火災保険料: 約20万円(保険内容は保険会社によります)
・地震保険料: 約3万円前後(保険内容は保険会社によります)
・団体生命保険: 通常は金利に含まれます
その他(やり方などによって金額は前後します)
・引越し代: 15万円
・インテリア、家具代: 50万円
・家電、諸経費: 30万円
合計216万円
では、持ったほうが得なのか、借りたほうが得なのか。
冒頭の条件で、買う場合と借りる場合の50年間の住居費を出したところ・・・
購入した場合は約6,500万円、賃貸の場合は、約9000万円かかります。
※購入は固定資産税、修繕積立金の増額負担、2回の専有部リフォームを考慮
※賃貸は1年に1%賃料が下落すると仮定し、2年に1度更新料負担
賃貸と購入は究極的な選択ですが、そのライフスタイルや総合的に特か損かを突き詰めていくと、最終的には購入するほうが賢明のようです。
若い時は賃貸でもいいですが、どこかのタイミングで買うかということを常に意識して、色々なマンションを定期的に検討することが良いでしょう。