これから住まいを取得する場合は、いろいろ住むところも含めて選択肢がありますが、現在持ち家に住んでいる場合は、その住まいを災害に強い住まいにする工夫が大切です。今回は地震の対策について考えてみましょう。
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地震の対策について考えてみましょう
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こまめに情報を収集すれば、自分の家にはどんな準備が必要かはわかります
建物の耐震対策
マンションの耐震対策…マンションの場合は管理組合で耐震改修に向けて話会うことになります。いろいろ な方が居住していますので意見を一致させることは大変な作業です。最寄りの市区町村に耐震改修の相談窓口があるので、そこで相談してみましょう。耐震改修を行っている設計事務所の紹介や補助金の案内等をアドバイスしてくれます。また国土交通省では詳細なマンション耐震化マニアルを作成しています。
(財)日本建築防災協会 『マンション耐震診断・耐震改修について、疑問・質問と回答
今のままで大丈夫?地震への不安を解消する「耐震診断・耐震改修」』戸建て住宅の耐震対策…戸建ての場合は間取りや構造によって補強方法は様々です。当初はしっかり設計されていても、過去のリフォームで、耐力上大切な壁や柱を撤去してしまっているケースも多くあります。実際にまったく同じ間取りの隣接している2つの建売住宅が、その後のリフォームの違いによって、片方は全壊、もう片方は一部補修で済んだという事例もあります。最寄りの市区町村の窓口で相談してみましょう。ネット等でも丹念に探すと、今の住まいの良さや持ち味を生かして補強する手法を考えている設計事務所もあります。基本的には、下記の3通りの対策があります。もちろん併用するとより効果的です。
- 建物を軽くする→屋根瓦を軽い素材に交換するなど。家具で壁が破損する場合もありますので、重いものを置かないなども多少効果があります。
- 構造体を強くする→壁や柱を補強したり、接合部を強化したりして、構造体を強くします。
- 地盤を強くする→基本は建物を建てる前に行いますが、建っていても補強する方法はあります。
リフォームの優遇制度
©佐藤章子
©佐藤章子※参考:その他に、返済が利子相当分だけで済む高齢者向け返済特例制度もあります。詳しくは住宅金融支援機構にお問い合わせください。
©佐藤章子- 大がかりのリフォームでなくても、ちょっとしたひと手間で、災害リスクを軽減できます。災害はゼロにはできません。あくまで、その危険度を少しでも低くすることが大切なのです。窓にフィルムを張る、浸水の危険がある地域の場合は土嚢等を用意するなど、こまめに情報を収集すれば、自分の家にはどんな準備が必要かはわかります。
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Author:佐藤 章子 先生 (一級建築士・CFP・一級FP技能士)
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写真提供:佐藤章子一級建築士として、大手ゼネコンや住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事し、2001年に独立。2002年に『住まいと暮らしのコンサルタント事務所』ハウステージを設立。
「健全な住まいづくりは、健全な生涯設計に宿る…」をモットーに、ファイナンシャルプランニングと建築のハード面の双方から、住まい作りや暮らしを総合的にアドバイスしています。