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家の購入のため住宅ローンを借り入れしたいけど、無理なく返済できるか心配。
下記のようなお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
・総額いくら返済すればよいの?
・自分の年収に見合う借入額っていくら?
・毎月の返済額はいくら?
住宅ローンの返済額や借入額が知りたくても、計算方法が分からないという声をよく聞きます。
住宅ローンは金利が絡んでくるため計算が複雑です。
そのため、簡単に算出できるという方はあまりいませんよね。
今回は、住宅ローンの借入額の計算方法をわかりやすく解説し、計算が簡単にできる簡易シミュレーションも紹介します。
借入可能額や返済額をしっかり理解して、適正な金額の住宅ローンを組みましょう。
目次
1.住宅ローンの新規借り入れ額の計算方法
住宅ローンの借り入れ額を計算する方法を紹介します。
次の3つの方法で計算し、自分に合った借り入れ額や返済額を考えていきましょう。
- ● 借入金額から毎月の返済額を計算
- ● 年収から借入可能額を計算
- ● 毎月の返済額から借入可能額
それぞれの計算方法を細かく確認していきます。
借入金額から毎月の返済額を計算する方法
購入したい建物が決まっていたり、借り入れしたい金額が決まっているなら、借入金額から毎月の返済額を計算しましょう。
そして、無理なく返済できる額なのかを見極めてください。
毎月の返済額は、金融機関ごとの利息を加味しなければならないため、簡単に計算することはできません。
おすすめはエクセルの関数を使う方法です。
エクセルのPMT関数を使います。
PMTを選択するとウィンドウが開くので、「利率」に金利、「期間」に返済期間、「現在価値」に借入金額を入力してください。
「将来価値」と「支払期日」は何も入力しなくて大丈夫です。
- ● 利率:年利から月利に直す(金利1%の場合「1%/12」と入力)
- ● 期間:年を月に直す(35年の場合「35*12」と入力)
- ● 現在価値:借り入れ額(3,000万円の場合「30000000」と入力)
入力が完了すると、月々の返済額が出てきます。
エクセルを使って返済額を確認することはできますが、かなり面倒くさいですよね。
あまりおすすめしない方法です。
後ほどご紹介するシミュレーションを使いましょう。
年収から借入可能額を計算する方法
続いて、自分の年収から借入可能額を計算する方法です。
ローンの借り入れ額に対してまったく見当がつかない方は、試してみてほしい方法です。
住宅ローンの審査は年収を元に、返済できる金額が算出されます。
そして、返済できる金額を元に、借入可能額が決められています。
実際に年収から借入可能額を計算してみましょう。
条件:Aさん(年収500万円)がA銀行(返済負担率30%、金利1%で審査)から借入したい
条件の中にある返済負担率とは、年収に占める年間のローン返済額の割合のことです。
金融機関ごとに返済負担率の基準が定められています。
今回は30%と仮定しました。
金利に関しては、審査金利と適用金利が異なる金融機関もありますので注意しましょう。
では、実際にシミュレーションしていきます。
①Aさんの年間返済可能額を考える
まずは、Aさんの年間返済可能額を計算します。
年収×返済負担率=年間返済額
500万円×30%=150万円
②Aさんの月々の返済可能額を考える
年間返済額が150万円だったので、12ヶ月で割れば月々の返済可能額が分かります。
年間返済額÷12ヶ月=月々の返済額
150万円÷12ヶ月=12.5万円
③借入可能額を考える
月々12.5万円のローン支払いをする場合、いくらのローンが借入できるのでしょうか。
以下の計算式で算出できます。
月々の返済額÷100万円あたりの月々の返済額×100万円=借入可能額
100万円あたりの月々の返済額の計算はややこしいので、今回は早見表を活用してみてください。
【100万円あたりの月々の返済額】
20年 | 25年 | 30年 | 35年 | |
---|---|---|---|---|
0.8% | 4,510円 | 3,678円 | 3,125円 | 2,730円 |
0.9% | 4,554円 | 3,723円 | 3,170円 | 2,776円 |
1.0% | 4,598円 | 3,768円 | 3,216円 | 2,822円 |
1.1% | 4,643円 | 3,814円 | 3,262円 | 2,869円 |
※元利均等返済、ローン返済無し
今回は、100万円を35年・金利1%で借入するため、月々の返済額は2,822円です。
では、式に当てはめてみます。
月々の返済額÷100万円あたりの月々の返済額×100万円=借入可能額
125,000円÷2,822円×100万円=約4,429万円
500万円の年収だと、A銀行の場合は約4,429万円のローンが借りられそうです。
ちなみに、無理のない返済負担率は25%と言われています。
金融機関が審査基準にしている返済負担率が分からないケースも多いですよね。
そのようなときは、返済負担率25%前後で計算すると、無理ない返済計画が立てられるでしょう。
毎月の返済額から借入可能額を計算する方法
続いて、毎月の返済額から借入可能額を計算します。
審査に通る借り入れ額ではなく、自分達に合った借り入れ額を知りたいという方におすすめです。
初めに家族で話し合って、毎月返済できそうな金額を計算しましょう。
次のような内容を見直してみると、月々の返済額が考えやすいです。
- ● 現在の家賃
- ● 現在と建築後の光熱費の差額
- ● 現在の月々の収支
- ● 加入しているサブスクや保険の内容
- ● 将来の大きな支出の予定(車購入・子供の進学・家の修繕費等)
- ● 将来の支出のために毎月貯蓄したい金額
家を購入すると修繕費や税金を貯蓄する必要があります。
単純に「今の家賃より数万円多くローンを組める」と考えている場合は危険です。
将来のことも見据えながら、ローンの返済額を考えましょう。
また、年2回のボーナスを返済に充てるかも考えてください。
ボーナス返済にすれば月々の返済を抑えることができるため、毎月貯蓄しやすくなります。
逆に、ボーナス返済を無くしてボーナスをすべて貯蓄に充てても良いでしょう。
ボーナスの安定性や金額を考えながら、返済に使うか検討しましょう。
夫婦2人で決めた金額が妥当か不安なときは、ファイナンシャルプランナーに相談することもおすすめです。
ファイナンシャルプランナーは、お金に関する資格を持ったプロです。
ライフプランを立ててもらうことで、自分達の将来を踏まえたマネー設計ができます。
毎月の返済額が決まったら、先ほどと同じ方法で計算していきます。
話し合いの結果、月々10万円の返済でボーナスは無しにすると仮定しましょう。
月々の返済額÷100万円あたりの月々の返済額×100万円=借入可能額
100,000円÷2,822円×100万円=約3,543万円
100万円あたりの月々の返済額は下記の早見表を利用しました。
今回は1%の金利で35年間借り入れすると仮定しています。
【100万円あたりの月々の返済額】
20年 | 25年 | 30年 | 35年 | |
---|---|---|---|---|
0.8% | 4,510円 | 3,678円 | 3,125円 | 2,730円 |
0.9% | 4,554円 | 3,723円 | 3,170円 | 2,776円 |
1.0% | 4,598円 | 3,768円 | 3,216円 | 2,822円 |
1.1% | 4,643円 | 3,814円 | 3,262円 | 2,869円 |
※元利均等返済、ローン返済無し
年収をベースとして計算する借入可能額と、自分達にとっての返済可能額は異なります。
家族で話し合いながら妥当な金額を考えてみてくださいね。
2.実際に住宅ローンの返済額をシミュレーションしてみよう
さまざまな計算方法をお伝えしましたが、シミュレーションサイトを活用すれば、簡単に住宅ローンの返済額を計算することができます。
使うシミュレーションによって異なりますが、次のような計算が行えるケースが多いです。
・借入額から返済額を計算
・年収から借入額を計算
・返済額から借入額を計算
・ボーナス払いを設定したときの返済額を計算
・金利が段階的に上がった場合の返済額を計算
・繰上返済をした後の返済額を計算
さまざまなケースを想定して瞬時に金額を調べることができます。
シミュレーションサイトの方がスピーディーかつ正確なので、自分で手計算するのはおすすめしません。
ちなみに、シミュレーションを使うときは、金利を入力しなければならないことが多いです。
借入したい金融機関の金利をあらかじめ調べておきましょう。
借入額・返済額・返済期間などは要望に合わせて入力してください。
さまざまな数値を入力して、シミュレーションしてみましょう。
簡易シミュレーションツール
初めて住宅ローンシミュレーションする場合は、住まいサーフィンの簡易シミュレーションツールがおすすめです。
年収と自己資金を入れるだけで、住宅ローンの適正金額と上限金額を算出してくれます。
金利は大手メガバンクの最新の金利を採用しているため、参考にしやすいです。
会員登録やログインをしなくても利用できるので、これから借入額を検討したいという方はぜひ活用してください。
3.まとめ
住宅ローンの借入額や返済額の計算は簡単ではありません。
しかし、しっかりと計算して金額を理解しておかないと、ローンを組んだ後の返済が大変になります。
必ず金額を理解した上で住宅ローンを契約してくださいね。
手軽に計算したいなら、シミュレーションサイトの利用がおすすめです。
わかっている情報を入力するだけで、借入可能額や返済額をチェックすることができます。
楽できるツールを活用して、賢くマイホーム購入を進めましょう。
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