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住まいサーフィン編集部

家賃の値上げは拒否できる?交渉の手順やポイントを解説!

2024年12月27日

更新日最終更新日:

家賃の値上げは拒否できる?交渉の手順やポイントを解説!

食品や日用品、生活に関わるあらゆる品目の値上げラッシュが続いています。
そのような市況の中で、住宅にかかる費用も例外ではありません。

2024年、東京23区の新築マンション平均価格は1億円を超えています。
そのため、マイホーム購入は一旦諦めて賃貸住宅に暮らしている方も多いのではないでしょうか。

しかし、賃貸住宅の家賃も値上げされることがあります。

この記事では、突然の値上げ通知にどのように対応すべきか、家賃の値上げは拒否できるのかを解説します。
また、記事の最後では家賃上昇への対抗策についてもご紹介しますので、是非最後までご覧ください。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

1998年開設、マンションの適正価格や資産価値を判断するための価格情報サイト「住まいサーフィン」が運営。
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保有し、不動産の専門知識を持つスタッフが自宅売買に役立つ情報を発信します。
売り手と買い手の情報格差が大きい住宅業界。
自宅購入で後悔する人を減らすため、業界の専門知識・データを分かりやすくお届けします!

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1. 家賃の値上げが起こるのはなぜ?

そもそも、家賃って急に値上げしても良いの?と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

貸主は正当な理由」を満たした場合のみ、家賃を値上げできる権利が認められています。

具体的には下記のような理由が「借地借家法」に定められています。

  • ● 賃貸住宅の資産価値が上昇し、大家の支払う税金が増えた
  • ● 物価上昇により維持管理の負担が増えた
  • ● 周辺相場と比較して家賃が安い

ここからは、3つの理由を一つずつ解説します。

賃貸住宅の資産価値が上昇し、大家の支払う税金が増えた

大家(オーナー)は、毎年市区町村に固定資産税・都市計画税を納付しています。
固定資産税は3年に1度評価の見直しが行われるため、地価が上昇している場合は固定資産税の金額も増えます。

固定資産税が増額された場合、負担が増えた分を家賃に上乗せするケースがあります。

物価上昇により維持管理の負担が増えた

物価上昇が続く折、賃貸経営に関わる費用も例外ではありません。
賃貸経営を行う中で、管理委託費や修繕費、共用部の電気代、保険料など様々な経費がかかります。

大家が負担する経費が増えた場合、家賃に転嫁され値上げとなるケースがあります。

周辺相場と比較して家賃が安い

再開発などで街の人気が向上すると、賃貸需要が増えエリア内の家賃相場は上がります。

すでに賃貸中の部屋は周辺相場との乖離が広がっていきます。
大家からすれば、もっと高く貸せるということですから、機会損失が生まれている状態です。

その結果、周辺相場に合わせた家賃の値上げが行われるケースがあります。

2. 家賃の値上げタイミングは?

ここまで、家賃が値上げされる事情について知っていただきました。

では実際に家賃が値上げされるのはどのようなタイミングなのでしょうか。

最も一般的なケースは、契約の更新時です。
多くの賃貸住宅は契約期間が2年間となっているため、更新時に合わせて家賃の値上げが通知されることが多いです。

ただし、家賃値上げの通知時期に関して法律上の決まりはありません。
極論を言えば前日でも問題は無いため、突然家賃の値上げ通知が届くこともあります。

家賃の値上げ通知が届いた場合、黙って応じるしかないのでしょうか。
ここからは家賃の値上げを拒否できるのかについて詳しく見ていきましょう。

3. 家賃の値上げ通知が届いたら拒否できる?

結論から申し上げますと、家賃の値上げ通告が届いても、必ず従わなければならないわけではありません。

家賃の値上げは双方の合意の上で行われるため、交渉や拒否が可能です。

家賃の値上げに応じたくないといった場合は断ることができ、すぐに退去する必要もありません。

ただし、大家さんも相応の理由があって値上げに踏み切っているはずです。
やみくもに拒否をしても、交渉を受け入れてくれる可能性は低いです。

家賃の値上げ拒否に関して上手く交渉を行いたい場合、下記のようなポイントを押さえておきましょう。

家賃値上げの理由・根拠を確認する

まずはじめに、なぜ家賃が値上げされるのか理由を確認しましょう。

家賃相場の上昇が理由の場合、ご自身でも周辺相場を調べてみましょう。
駅からの距離・広さ・築年数の条件が近い部屋とご自身が居住中の部屋を比較し、妥当性を確認します。

比較の結果、値上げ幅が大きすぎると感じた場合は、具体的な数値をまとめておきましょう。
根拠を具体的に提示することで、交渉が上手くいく可能性が上がります。

家賃の値上げ幅や値上げ時期を交渉する

大家は正当な理由を満たした上で家賃の値上げを要求しているため、値上げそのものを拒否するのは難しいかもしれません。
家賃の値上げ拒否が失敗した場合、退去を勧告されることもあります。

そのため、値上げ自体を拒否するのではなく、以下のような交渉をしてみるのも一つの手です。

家賃の値上げ幅を小さくしてもらう

例えば6,000円の値上げを提示された場合、値上げ幅を緩和してもらえないか交渉してみましょう。
通知された金額よりも値上げ幅を小さくしてもらえる可能性もあります。

家賃の値上げ時期を遅らせてもらう

すぐに値上げされると困るという場合、値上げ開始の時期を遅らせてもらえないか聞いてみましょう。

  • ● 子どもの進学に合わせて後1年だけ住むつもりでいるため、1年後まで値上げを遅らせてほしい
  • ● 春に転職が決まっているため、3か月後に値上げとしてほしい

理由やご自身の現状を添えて、強い言い方をするのではなく丁寧な態度で申し入れを行いましょう。

更新料の減額をしてもらえないか交渉する

家賃の値上げは契約更新のタイミングとなることが多いです。
そのため、値上げを受け入れる代わりに、更新料の免除または減額してもらえないか相談するやり方もあります。

このような交渉の結果、値上げ拒否が出来なかった場合の対処法も確認しておきましょう。

4. 家賃値上げの拒否が失敗した場合の対処法

家賃値上げの拒否が出来なかった場合も、すぐに退去する必要はありません。
いくつかの対処法がありますので、ご紹介します。

専門家に相談する

家賃の値上げ拒否の交渉について、当事者間でのやり取りがこじれるとトラブルに発展するケースもあります。
困った場合は、専門家に相談してみましょう。住まいの相談窓口を提供している自治体もあり、弁護士への相談も可能です。

弁護士を介して、家賃の値上げを拒否する旨を記載した内容証明郵便を送ることもできます。
さらに、どうしても値上げが納得できなければ、第三者を交えた調停や訴訟(裁判)で話し合うこともできます。

ただし、裁判となれば費用が発生します。金銭面、費用、労力から見て割に合わないケースが大半となるでしょう。

現在の賃料を払い続ける

金銭的に苦しく、値上げには応じられないが、すぐに退去できないという場合もあるかもしれません。
そのような場合も値上げ前の家賃を支払い続ければ、強制的に追い出されることはありません。

また仮に、大家が家賃の受け取りを拒否した場合には法務局に供託できます。

家賃を支払わなければ家賃滞納となり、債務不履行で契約を解除される可能性がありますのでご注意ください。
値上げ拒否の交渉が上手くいかなかった場合も従前の家賃は必ず支払い続けましょう。

引っ越しも検討する

値上げにどうしても納得がいかない場合、引っ越しも検討しましょう。

借主が家賃値上げを拒否し続ける場合、大家(貸主)が家賃増額請求の調停申立をするケースもあります。
裁判となった場合、心身の負担は大きくなります。

さらに万が一、裁判で家賃の値上げが正当な理由を満たしていると認められた場合には、家賃の不足分を後から支払う必要が出てきます。

大家と大きく揉める前に引っ越しをしてしまうのも一つの策といえるでしょう。

契約更新時の値上げ要求の場合、更新前に引っ越しをすれば、更新料を支払う必要はありません。
一般的な更新料である家賃の1か月~2か月分を引っ越し費用に充てることもできます。

5. 家賃値上げへの対抗策

家賃値上げを拒否して引っ越しを決めた場合、新たな家を探すことになります。
しかし、首都圏の家賃は今後も上昇していく見込みであり、引っ越しをしても将来的に家賃が値上げされる不安は付きまといます。

一般消費者が家賃の値上げにどう対抗すればよいのか、2つの選択肢をご紹介します。

① 賃貸住宅の契約時は普通借家で借りる

1つ目の対抗策は、賃貸に住み続ける場合は「普通借家契約」を結んでおくことです。

普通借家契約であれば、大家さんから値上げを通告された際、不当だと感じた場合は値上げを拒否したり、値上げの根拠を要求したりすることが可能です。

普通借家契約の場合、借主・貸主お互いの合意がなければ家賃を上げることはできません。
仮に、大家さんから「値上げに応じないのであれば退去してほしい」などと言われた場合であっても、従前の家賃を支払い続けていれば退去義務はありません。
借主の権利がしっかりと守られていますので、安心して住み続けることが出来ます。

それに対し、「定期借家契約」の場合は、予め決められた期間が満了した時点で契約終了となり、一般的には退去する必要があります。
お互いの合意があれば再契約が可能ですが、その際に大幅に値上げされるリスクがありますので注意が必要です。

ここ最近、「定期借家契約」の賃貸住宅が増えていますので必ず確認しましょう。
長く住み続けたいと考えている場合には、「定期借家契約」ではなく、「普通借家契約」の賃貸住宅を選ぶことをおすすめします。

② マイホームを購入する

2つ目の対抗策はズバリ、ご自身の買える予算内でマイホームを購入してしまうことです。

高値掴みを心配する方もいますが、金融緩和は未だ継続しており、かつ建築費の増大で不動産価格の上昇は今後も続いていく見込みです。
将来的に見れば、含み益が生まれる可能性の方が高いでしょう。

不動産にはオフィスや商業施設、ホテル、住宅など様々な種類があります。
その中で「住宅」は個人が住むために購入するものです。したがって、消費者需要がゼロになることはありません。
そのため、住宅は景気悪化の影響を受けにくい資産と言われます。

実際に、2008年にリーマンショックが起きた際にも、物件価格の下落幅は1割程度でした。そして、下落後2~3年で価格回復しています。

無理のない返済額で購入しておけば、一時的に不動産価格が下がったとしてもそのまま住み続ければよいのです。
マイホーム購入は家賃と異なり、支払ったお金は掛け捨てではないため、ローン完済後にはご自身の資産となります。

賃貸派の方の中では、マイホーム購入は人生の足枷になるという意見があります。
その意見は正しくもありますが、全ての物件が必ずしも足枷になるわけではありません。

資産価値の保ちやすい住まいを選べば、いざというときには手放すことが可能です。

突然、不動産価格が暴落する可能性は低いので、下落の兆候が見えたら損切りするという気持ちで購入するのも一つの手です。

6. まとめ

こちらの記事をご覧になり、マンション購入を検討してみようと考えた方もいらっしゃるでしょう。
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住宅ローンは低金利が続いていますが、マンション価格の高騰は続いています。
物件価格の高騰以外にも、将来の金利上昇、2024年問題による建築費高騰、人口減少といった不安要素は多くあります。

マンション購入で後悔しないためには、より一層の情報収集が重要です。

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