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住まいサーフィン編集部

家は専任媒介契約で売る方が良いって本当?特徴や注意点を解説!

2024年01月19日

更新日最終更新日:

せっかく家を売るなら、なるべく高く売りたい。これは誰しもが思うことでしょう。

家を売る場合、不動産会社に仲介してもらうことがほとんどです。仲介の契約方法は大きく三種類に分かれていて、その中の一つが「専任媒介契約」になります。
家を高値で売るためには、この専任媒介契約がおすすめです。

この記事では、専任媒介契約の特徴やメリット、注意点を解説します。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

1998年開設、マンションの適正価格や資産価値を判断するための価格情報サイト「住まいサーフィン」が運営。
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保有し、不動産の専門知識を持つスタッフが自宅売買に役立つ情報を発信します。
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1. 専任媒介契約とは何か

最初に、専任媒介契約についてご説明します。

そもそも媒介契約とはどういう契約なのでしょうか。日常生活では聞き馴染みがない用語ですよね。

媒介とは、売主と買主(または貸主と借主)の間に立って契約が成立できるように仲立ちすることです。具体的にはこのようなことをしてくれます。

  • ● 買ってくれそうな顧客を紹介する
  • ● 広告を出す
  • ● 内覧で案内をする
  • ● 購入希望者と交渉する

媒介は仲介と同じように思えますが、厳密に言うと媒介とは仲介の中の一部です。
仲介は不動産の取引の仲立ちとして広く使われるので、不動産会社は買主や借主(家を借りたい人)のサポートもします。一方で媒介契約は不動産の売主と結ぶことが一般的です。

媒介契約は3種類に分かれています。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

それぞれの違いを見ていきましょう。

一般媒介契約・専属専任媒介契約との違い

3種類の媒介契約を表にすると、このようになります。

  一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約できる業者数 複数社と契約OK 1社のみ 1社のみ
自己発見取引 可能 可能 不可
契約期間 任意 3ヶ月以内 3ヶ月以内
業務処理状況の
報告義務
任意 2週間に1回以上 1週間に1回以上
レインズへの
登録義務
任意 7日以内 5日以内

専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社としか契約ができません。
その1社との契約期間は最長3ヶ月までで、自動更新は認められません。ただし、売主(依頼者)から申し出をすれば再度契約することができます。

自己発見取引

自己発見取引とは、売主自身が買い手を探すことです。
知人や親戚に声をかけたところ、家を買ってもらえることもあります。一般媒介契約や専任媒介契約では、それが認められています。この場合、媒介契約をした不動産会社に対して仲介手数料を支払わずに済みます。
※ただし、広告宣伝費を請求されることはあります

専属専任媒介契約の場合は、自己発見取引はできません。買ってくれそうな人を自分で見つけても、不動産会社を通じて取引をすることになり、仲介手数料も発生します。

業務処理状況の報告義務

専任媒介契約と専属専任媒介契約は、売主へ定期的に活動状況を報告する義務があります。
後ほどご説明する「レインズ」への登録状況や広告掲載、販売物件への問い合わせ内容などを報告してもらいます。
必ず紙の文書にしなければならないわけではなく、メールや口頭での報告も可能です。

レインズへの登録義務

レインズ(指定流通機構)とは、国土交通省から指定を受けた不動産流通機構のことです。レインズに登録されることで他の不動産会社にも不動産の情報が共有されるので、買主を見つけやすくなります。

一般媒介契約ではレインズへの登録義務がありません。しかし、登録不可能なわけではないので、依頼をすることで登録してもらうこともできます。


以上が一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の違いでした。

一般媒介契約であれば複数の会社と契約できますが、業務報告やレインズへの登録は任意です。
専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社としか契約できませんが、その代わり不動産会社にはさまざまな義務が課せられます。
専任媒介契約と専属専任媒介契約の大きな違いは、自己発見取引の有無です。専属専任媒介契約は自己発見取引ができないですが、業務報告の頻度が高く、レインズへの登録期限も早くなっています。

2. 専任媒介契約のメリット

3種類の媒介契約の違いについて見てきました。
次に、専任媒介契約のメリットをご説明します。

1社だけに依頼をするからこそ、熱心に売却活動してもらえる

専任媒介契約は1社としか契約できません。複数の不動産会社に依頼できる一般媒介契約の方が早く買主を見つけられるのでは、と思う方もいるでしょう。ところが、そうとは限りません。

複数の会社に依頼できても、仲介手数料をもらえるのは売買契約に漕ぎ着けた1社だけです。それ以外の会社は、どれだけ顧客を紹介しようとも広告を出そうとも仲介手数料は1円も入ってきません。努力してもすべて無駄になるかもしれないことから、一般媒介契約だとやる気が出ないという不動産会社も少なくないでしょう。

しかし専任媒介契約は、売買契約を結べば仲介手数料を得ることができます。そのため、一般媒介契約よりも積極的に売却活動をしてくれるでしょう。

1社だけだからやり取りの手間が少ない

1社だけに依頼をするメリットはまだあります。それは、不動産会社とのやり取りが少なくて済むことです。

複数の会社とやり取りをするのは手間がかかります。家を売却するのと同時に購入手続きを進めるという方は、片方の手続きだけでも忙しくなりますよね。
仕事などが忙しくて時間に余裕がない人は、専任媒介契約や専属専任媒介契約が向いています。1社だけに任せれば、内覧のスケジュール管理もしてくれます。

専任媒介契約は自己発見取引もできる

知り合いの中から買ってくれる人が現れるかもしれない、という方は自己発見取引ができる専任媒介契約がおすすめです。自己発見取引なら仲介手数料は支払わなくて済むので、大幅な節約になります。

仲介手数料は法律(宅地建物取引業法)で上限が決まっています。上限額を請求されることが多いです。

不動産売買の仲介手数料

不動産の売買価格 手数料の上限額
売買価格が200万円以下の場合 5%+消費税
売買価格が200万円以上400万円以下の場合 4%+2万円+消費税
売買価格が400万円以上の場合 3%+6万円+消費税

例えば5000万円で売買したら、税込171.6万円です。
売却時の手数料についてはこちらの記事で解説しているので、詳しく知りたい方はご覧ください。

なお、自己発見取引であっても広告費が請求されることはあります。

3. 専任媒介契約を結ぶときの注意点

つづいて、専任媒介契約をするときの注意点をご説明します。

専任媒介契約は不動産会社の力量に左右される

専任媒介契約や専属専任媒介契約は、1社とだけ契約をします。そのため、不動産会社の売却能力が高くないとなかなか売れないという事態になってしまうので注意してください。
営業活動は積極的に行ってくれているか・担当者は信頼できるのかなどを見極める必要があります。見極めの方法は後ほどご説明します。

専任媒介契約と専属専任媒介契約の契約期間は最長3ヶ月です。同じ会社と再度契約(更新)することもできますが、期間内に売れなかった場合は他の選択肢も検討しましょう。他の不動産会社と専任媒介契約(専属専任媒介契約)を結ぶ方法や、一般媒介契約に切り替えるという方法があります。

囲い込みのリスクがある

専任媒介契約や専属専任媒介契約では、囲い込みをされることがあります。囲い込みとは、両手取引をするために他の不動産会社からの問い合わせに応じないことです。

不動産売買での仲介手数料は、売主だけではなく買主からももらうことができます。売主と買主両方から仲介手数料をもらうことを「両手取引」と言います。

片手取引と両手取引の違い

レインズに登録したり広告を出したりすると、他の不動産会社から問い合わせが来ます。このとき「既に購入申込みが入っている」「内覧の予定が合わない」など嘘をついて、他の不動産会社が仲介している買主には売らないようにするのが囲い込みです。

囲い込みが行われると、売却期間が伸びてしまい、想定よりもかなり安い金額で売却してしまう可能性があります。例えばこんな手口があるので、注意が必要です。

  • ① 囲い込みをして他社の内覧希望者はブロック
  • ② 「内覧も少ないので価格を下げましょう」と提案
  • ③ 安くなったところで、自社の顧客に「お買い得物件がある」と紹介する
  • ④ 売主と買主両方から仲介手数料をもらう

売主にとっては不利益しかないです。かなり悪質ですよね。
有名な大手不動産会社ならそんなことしないのでは…と思うかもしれませんが、大手不動産でも囲い込みが行われることはあります。集客力が高い大手だからこそ囲い込みができてしまうとも言えるでしょう。

確実に囲い込みをしているという証拠を見つけるのは難しいです。疑わしい点があって指摘しても、上手く言い訳をされてしまいます。

4.囲い込みを防いでスムーズに売却するためのポイント

最後に、囲い込みを防いでスムーズに売却するためのポイントをご説明します。

適切な価格を知っておく

売却を成功させるために重要なのが「売り出し価格」です。売り出し価格が高すぎればいつまでも売れず、安すぎれば損をしてしまいます。

売り出し価格は不動産会社と相談して決めることになりますが、悪質業者だと相場から離れている価格を提案してくることがあります。しかし相場や適切な価格が分かっていれば、その時点で「この業者は信用できないかも」と気付くことができます。

適切な価格を知るためには、売却予定の不動産を査定して、相場価格を調べましょう。

査定といえば、複数の不動産業者にまとめて査定依頼をする「一括査定サービス」を想像する人が多いと思います。一度の手続きで複数社から査定結果が届くので便利ですが、注意が必要です。

なぜなら、依頼を獲得するために、査定価格を相場よりも高く提示してくることがよくあるからです。
「うちならこの価格で売ってみせますよ」と言ってくるので、ついつい信用して専任媒介契約を結んでしまいます。もちろん売れるはずもなく、結局価格を下げることになります。

そんな事態を防ぐために、一括査定をする前にご自身で情報収集を行いましょう。周辺の不動産がどれくらいの価格で売られているのか定期的にチェックしてみてください。

住まいサーフィンの各物件詳細ページでは、販売中の中古マンションの価格が「割安」か「割高」かその場で判定しています。

また、住まいサーフィンで「自宅査定」もできるので、所有マンションがいくらで売れるのかその場で分かります。こちらのサービスは不動産業者を通さないので、個別に営業連絡がくる心配もありません。

無料登録でどちらもすぐに確認ができますので、是非お試しください。

信頼できる不動産会社を見つける

売却活動において、信頼できる不動産会社と契約することもかなり重要です。

専任媒介契約を結ぶ会社を決めるときのチェックポイント

  • ● 査定価格は適切か?
  • ● 質問に対しての答えは的確か?
  • ● レスポンスは早いか?
  • ● 何の仲介が得意か?(賃貸/売買、マンション/戸建て)
  • ● 口コミサイトやSNSでの評判はどうか?

その不動産会社には問題はなくても、担当者がご自身と合わないということもあります。基本的には査定した人が担当者になります。媒介契約をしたら何度もやり取りをするので、相性の良くない担当者だとストレスになってしまいます。
合わないと思ったら、他の会社にするのも手です。

また、心配なのが囲い込みされないかどうか。
事前に「囲い込みはしないように」と伝えておきましょう。そう言われながら平然と囲い込みをする悪質業者もありますが、ある程度の予防線を張ることができます。

それでもやっぱり心配だし信頼できる業者にお願いをしたい、という方には「高値売却サービス」がおすすめです。

フォームから必要事項を送っていただければ、相場価格と売り出し予想金額をお届けします。その後売却相談していただくと、住まいサーフィンがそのエリア・物件種別を得意としている仲介業者を探します。仲介業者が見つかったら、仲介会社から査定額が届きます。

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