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住まいサーフィン編集部

延床面積とは?家を建てる時どのくらいの広さがあれば大丈夫?

2024年07月09日

更新日最終更新日:

延床面積とは?

新築一戸建てを検討されている方の中には「延床面積」という言葉をお聞きになった方も多いかと思います。

では、「延床面積」は家のどこにあたる面積のことを言うのでしょうか?

延床面積に含まれる場所、含まれない場所、また生活に必要な広さはどのくらいなのでしょうか?

具体例を交えてみていきましょう。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

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1. 延床面積とは?

まず、住宅の広さを表す「延床面積」についてみていきたいと思います。

日本固有の建物や土地の広さを表す「坪数」「畳数」についても、延床面積とどのような関係性にあるのか併せてみていきましょう。

延床面積の定義と計算方法

延床面積は建物のすべてのフロアの床面積を合計した面積のことです。

「延べ面積」「建物面積」などと同じ意味合いで使われ、建物の大きさ(居住スペース)を表します。

(延べ面積が正式名称となりますが一般的には延床面積と言われることが多いです。)

延床面積には居室やキッチン、お風呂などの生活スペースのほか、廊下や階段などの共有スペースも含まれます

延床面積は「1階の床面積+2階の床面積+3階の床面積・・」といったすべてのフロアの床面積を合計した面積のことで、一般的に平方メートル(㎡)で表します。(面積は壁もしくは柱の中心を基準に算出します。)

容積対象面積のことで容積率を計算する際に用います。

また、延床面積によって固定資産税の建物評価額が決まります。確認申請手数料の算定や不動産登記等の基礎になります。

【例1】3階建ての建物 1階:50㎡ 2階:50㎡ 3階:40㎡
⇒延床面積:140㎡ 【 50㎡ + 50㎡ + 40㎡ = 140㎡ 】

【例2】平屋(1階建て)の建物 1階:100㎡
⇒延床面積:100㎡

延床面積
延床面積の対象部分

坪数

不動産を探しているとよく耳にする『●●坪』という言葉。

この坪数は日本独自の床面積の単位で、1坪は約3.3㎡です。

坪数は、延床面積を3.3で割ると求めることができます。

坪数 = 延床面積 ÷ 3.3

例:延床面積132㎡=40坪  【 132㎡ ÷ 3.3 = 40坪 】

また、坪単価は「本体価格(建築費用)÷延床面積」で算出されます。

例:本体価格 4,000万円 ・延床面積 80㎡
4000万円 ÷ 80㎡ =50万円 ⇒坪単価50万円となります。

※現在「不動産の表示に関する公正競争規約」により不動産の広告ではメートル法による表示となっています。

畳(帖)

不動産の間取り図などには平米数と併せて、●畳(帖)と記載されているのをよく目にします。

この畳(帖)は畳一枚分の広さを言います。

畳は地域によって、その大きさが異なりますが、公正競争規約では畳1枚当たりの広さは「1.62平米」以上とするというルールを設けています。

畳は種類によって異なりますので、一般的には1坪は約2畳と表現されることが多いです。

平米数は、畳数に1.62をかけると求めることができます。

平米数 = 畳数 × 1.62

例:平米数 19.44㎡=12畳  【 12畳 × 1.62 = 19.44㎡ 】

次に『延床面積』と共に出てくる家づくりに必要な「面積」に関するワードの意味の違いについてみていきましょう。

建築面積との違い

建築面積は建坪とも呼ばれ、建物を真上から見た時の大きさが基準となります。

一般的には1階部分が一番広いため、1階の面積を建築面積として計算します。

もし1階よりも2階の方が広ければ、2階の面積が建物面積の対象となります。

建ぺい率を計算する際にこの「建築面積」が必要となります。

建ぺい率が80%のエリアで100平米の敷地に建物を建てる場合、建築面積を80㎡までに抑えなければいけません。

敷地面積との違い

敷地面積は土地面積とも呼ばれ、真上から土地を見た時の土地全体の大きさのことです。

真上から見るので、斜面や高低差がある土地は敷地面積が実際より小さくなることがあります。

建ぺい率・容積率を計算する際の基準となる面積となります。

容積率・建ぺい率
容積率と建ぺい率計算方法

また、敷地面積によって固定資産税の土地評価額が決まります。

  • ● 容積率とは…1㎡の土地に建てることができる床面積の割合
  • ● 建ぺい率とは…1㎡の土地に建てることができる建築物の敷地面積の割合

※建ぺい率・容積率、計算方法など詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

建ぺい率の基礎知識と重要性|住まいサーフィン編集部コラム|住まいサーフィン

建ぺい率や容積率について、またその計算方法や緩和措置などをご紹介します。

施工面積との違い

延床面積に含まれない、ベランダ、バルコニーや玄関ポーチなどの施工部分も含んだ「建物全体」の面積で、一般的に延べ床面積よりも広くなります。

特に建築基準法で明確な決まりはなく、住宅会社によって取り決めが異なります。

2. 延床面積の確認方法

延床面積に含まれない部分は?

延床面積を計算する時に、建築基準法により延床面積には含まない部分があります。

建物を建てる際は決められた建ぺい率、容積率を守って建てる必要があります。

でも、延床面積をこれ以上増やせない!となった場合でも、延床面積に含まない部分をうまく活用して、さらに広い家を建てることは可能です。

また、延床面積に含まれないということは固定資産税の対象外ということにもなりますので大いに活用していきましょう。

では、どんなところが延床面積には含まれないのか具体的に見ていきましょう。

【延床面積に含まれないところ】

● 吹き抜け

吹き抜けの上階部分には床がないため、部屋として使用することが難しいと判断され、延床面積には含まれません。吹き抜け部分を作ることで空間を縦に長く広がりを見せることができ、より開放的な空間になるでしょう。
また、吹き抜け部分に窓を作ることができれば採光や通風の面からもよりくつろげる空間をつくることができます。

● ロフト・屋根(小屋)裏収納

ロフトや屋根裏収納は以下の条件を満たせば延床面積に含まれません。

  • 設置する階の床面積の1/2以下の面積である
  • 天井高が1.4m以下である
  • はしごが固定されていない

生活するうえで収納スペースは意外と重要になります。居住スペースに面積を割きたいけれど、収納スペースも増やしたい!そんな時はロフトや屋根裏収納を検討してもいいでしょう。

● 地下室

地下室の面積が物件全体の1/3以内であれば延床面積に含まれません。
一般的には住宅地下室容積率不算入制度と呼ばれています。
上には高さが出せないという時、地下に部屋を作ったり、収納部屋を設けたりしてみてもいいでしょう。

● バルコニー・ベランダ

外気に有効に開放されている部分の高さが、1.1m以上あること、そして外気に有効に開放されている部分の高さが天井の高さの2分の1以上、かつ幅2mまでは床面積に含まれません。
奥行きのあるバルコニー・ベランダを作る時は注意しましょう。

● テラス・ウッドデッキ

屋根と、それを支える柱(もしくは外壁)のない部分は、延床面積に含まれません。
したがって、屋根のない中庭やテラス、ウッドデッキは延床面積に含まれません。

● 屋上テラス

屋上テラスも同様に延床面積に含まれません。
ただし、屋上部分に作られた高さ1.5m以上の建物は延べ床面積に含まれますので注意しましょう。

● 軒下・ひさし(庇)

先端から1mまでであれば、軒下・ひさし部分も延床面積に含まれません。
軒下は外壁から突き出た玄関などにある屋根の下のスペースです。

● 玄関ポーチ

玄関ポーチも延床面積に含まれません。
ただし、室内的用途の場合には床面積に含まれますのでご注意ください。

● ビルトインガレージ

建物の1階部分に駐車スペースを設けたガレージのことです。延床面積の1/5までは延べ床面積に含まれません。
ただし、住まいとなる建物と別棟の独立したガレージや車庫は、延床面積に算入されます。

● 出窓

出窓も以下の条件を満たせば延べ床面積に含まれません。

  • 床面から出窓の下までの高さが30cm以上
  • 外壁面から出た水平距離が50cm未満
  • 見付面(出っ張った部分の壁の面積)の1/2以上が窓

出窓を設けることで採光も取れ、空間に奥行きを作ることができます。
また、出窓に収納スペースを設けたり、出窓が部屋全体のアクセントにもなります。

● 外部の廊下・屋外階段

外部の廊下・屋外階段についても以下の条件を満たすことで延べ床面積に含まれません。

  • 階段に設置された手すりや壁から天井までの高さが1.1m以上
  • 天井までの高さの1/2以上が外気に開放されている
  • 外部に開放されている部分の長さが、外部階段の周長の1/2以上

3.延床面積と生活空間の関係

次に注文住宅の平均的な広さや家族構成別のデータを見ていきましょう。

必要な延床面積の目安

住宅を建てる際に家族構成やライフスタイルによって、必要な家の広さは異なります。

あまりに狭すぎて必要なスペースが確保できていなければ、毎日の生活でのストレスとなります。

逆に必要以上に広すぎてしまっては維持費や税金が多くかかったり、掃除をする場所が増えてしまったりとデメリットも考えられます。

また、家の広さは住宅の価値に直結し、将来売却を考えるといった時にも大きく価格が左右されます。

自分たちのライフスタイル、将来のことを見据えて、必要な広さを検討していきましょう。

次に具体的にどのくらいの延床面積が必要となってくるのかみていきます。

まず、国土交通省発表の「住生活基本計画」において、世帯人数に合わせて「豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準」が出ていますので見ていきましょう。

また、最低居住面積水準も併せてみていきましょう。
(国土交通省「住生活基本計画(全国計画)」https://www.mlit.go.jp/common/001392030.pdf)

世帯人数別の住戸専用面積①
世帯人数別の居住面積水準計算方法

上記の水準に合わせて、世帯人数別の表にまとめてみました。

世帯人数別の住戸専用面積②
世帯人数別の居住面積水準目安

では次に、具体的に単身者向け、家族向けにわけて平均的な延床面積をみていきましょう。

単身者向けの注文住宅の平均延床面積

単身者向けの注文住宅は1LDK~2LDKの割とコンパクトな家が多いです。

30~50㎡前後の延床面積が平均的なようです。あまり大きすぎても建築費や維持するのにも負担が大きくなってしまいます。

必要な部屋数(1~2)とLDKがメインとなる家が多いです。

また、ご自分の趣味の部屋を作る方も多い傾向にあります。

家族向けの注文住宅の平均延床面積

家族向けの注文住宅では3LDK~4LDK+ガレージの家が主流です。

部屋数を確保しつつ、快適に過ごせる家を求められることも多く、75㎡~120㎡くらいの延床面積が平均的とされています。

これらの延床面積の数値は参考の一つであり、家族ごとの構成やライフスタイル、何を重要視するかなどによって必要な広さは異なります。

延床面積の広さで価格や税金、部屋数も変わってきます。

当然、延床面積が広くなれば価格も不動産取得税や固定資産税などの税金も上がります。

自分たちに合った注文住宅の広さを見つけるためにも、様々なプランを比較検討し、専門家と相談することが大切です。

4.まとめ

この記事では延床面積の定義、また家族構成ごとの必要な延床面積についてみてきました。

家を建てることは人生の中でも大きなイベントの一つです。

今後、生活していく上で何を大切にするのか、また、将来的にも何が必要で何が必要でないのかなど家族で話し合い、自分たちにあった広さや間取りの家を手に入れましょう。

この記事をお読みの方は、注文住宅を検討している方も多いかと思います。

注文住宅を建てる方の多くは、まず先にデザインを重視する傾向にあります。
しかし、戸建て住宅に住む上でこのような心配事はありませんか?

  • ● 地震発生時の倒壊リスクが、マンションよりも戸建ての方が高い
  • ● マンションに比べて、部屋が寒い印象がある
  • ● 友人のマンションに比べ、エアコンの効きが悪い
  • ● ヒートショックはマンションよりも戸建てで起きやすい

上記のようなリスクがあるため、デザインだけでなく住宅性能を考慮した家造りが重要です。

住宅性能は目に見えませんが、部屋の暖かさや通気性の良さは住んだ後に実感できます。
さらに、高性能住宅は省エネ効果が高いため毎月の光熱費削減にもつながります。

安全・安心で快適な暮らしを送るために、耐震性や断熱性にも配慮したマイホーム計画を立てましょう。

また近年、住宅関連の様々な補助金制度が運用されており、高性能住宅を建てれば補助金が受け取れます。
さらに、省エネ住宅は税制優遇までも受けられるので活用して損はありません。

リフォームでも補助金はもらえるので、リフォームを考えている方も断熱化を検討すべきでしょう。
補助金の詳細はこちらをご覧ください。

理想の注文住宅を手に入れたい方はこちらの動画をぜひご覧ください。

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注文住宅の魅力について気になる方は「注文住宅が向いているのはどんな人!?」もご覧ください。

注文住宅が向いているのはどんな人!?

住まいに求める条件から注文住宅購入に向いているのはどんな人か?を詳しく解説します。