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住まいサーフィン編集部

UA値で断熱性能を知ろう!基準値や高断熱住宅のメリットについて解説。

2024年04月22日

更新日最終更新日:

マイホームの購入やリフォームを検討中の方の中には、UA値という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。UA値は、住宅の断熱性に関係した用語です。
断熱性能が高い住宅は、冬に暖かいだけでなく、さまざまなメリットがあります。

今回の記事では、UA値の内容や基準値、高断熱住宅のメリットについて解説します。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

1998年開設、マンションの適正価格や資産価値を判断するための価格情報サイト「住まいサーフィン」が運営。
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1. 断熱性が高い家のメリット

まずは、UA値との関連性が高い「住宅の断熱」についてご説明します。
高断熱な住宅には、このようにさまざまなメリットがあります。

高断熱住宅の主なメリット

  • ● 冬は暖かく、夏は涼しくて家の中が年中快適
  • ● 光熱費が削減される
  • ● ヒートショックや熱中症のリスクが低くなる
  • ● 補助金や税金の控除を受けられることがある

高断熱な住宅なら外気温からの影響を受けにくいので、冬は暖かく・夏は涼しく過ごすことができます。最近は毎年のように異常気象(猛暑・厳寒)が起きているからこそ、室内では快適に過ごしたいですよね。
断熱性が高い家なら冷暖房の使用頻度が下がり、さらに効きも良くなるので、光熱費が削減されて節約にもなります。

また、断熱性が高い家は健康に繋がっています。
断熱性能が優れていると住居内の寒暖差も少なくなるので、ヒートショックが起こるリスクが減ります。
また、意外と家の中でなることが多いのが「熱中症」です。高断熱な家なら、外から熱気が入ってくるのを防いでくれます。
それだけでなく、花粉症・喘息・アトピーなどの症状が軽減されるという研究結果も出ています。
参考:近畿大学と共同で、住宅内温熱環境と居住者の健康に関する研究論文を発表(株式会社LIXIL)

断熱性(省エネ性能)が高い家を購入したり断熱性を高めるリフォームをしたりすることで、補助金や税金の控除を受けられることがあります。
例えば子育て世帯や若者夫婦世帯が新築住宅を購入した場合、80万円(ZEH住宅)または100万円(長期優良住宅)の補助金がもらえます。この補助金事業については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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このように断熱性が高い住宅には多くのメリットがありますが、特に大きいのは健康面のメリットです。事実、断熱性が高い家に住んでいる人の方が平均寿命は長くなっています。
断熱性が高い住宅が健康につながるということは、ご自身だけでなく家族全員がそのメリットを享受できるということです。また、健康に生活できることで医療費の削減にもなります。

断熱性能と健康についてさらに詳しく知りたい方は、住まいサーフィン代表・沖有人のコラムをご覧ください。
「寿命を縮める家」と「寿命を延ばす家」の決定的な違い(ダイヤモンドオンライン)
「寿命を縮める家」に住んでいる人が気づかない“断熱性”の驚くべき格差(ダイヤモンドオンライン)

2. UA値とは何か?

つづいて、UA値(ユーエー値)とは何なのかご説明します。

UA値は外皮平均熱貫流率のことです。外皮とは建物の内部と外部を隔てる境界のことで、外壁・屋根・天井・窓などが該当します。
簡単に言うと、UA値は室内と外気の熱の出入りのしやすさを表すための指標になります。

熱が出入りしにくいほど、その家の断熱性は高いと言えます。UA値は断熱性を表すための一つの基準でもあるということです。

ところで、UA値は何の略なのか気になる方もいらっしゃるでしょう。実は「U」は英語の略ではなく、熱貫流率を示す国際的に決められた記号になります。「A」はAverage(平均)の頭文字です。

UA値の計算方法

UA値はこのようにして計算されます。

UA値(W/㎡・K)=単位温度差当たりの外皮総熱損失量÷外皮総面積

UA値を計算することで、外皮1㎡あたりでどれだけ熱が損失するのか分かります。UA値が低いほど断熱性能は高いということになります。

Q値やC値との違い

UA値と似た言葉に、Q値やC値があります。それぞれの言葉についても、簡単にご説明します。

  • Q値:熱損失係数
  • C値:相当隙間面積

Q値(熱損失係数)は住宅から熱がどれくらい逃げやすいかを示すものです。Q値が低いほど熱が逃げにくくて高断熱ということになります。

Q値とUA値は似ていますよね。実はQ値は、かつて断熱性能の基準でした。
ただ、Q値は外皮面積ではなく延床面積で計算をします。延床面積だと、窓や壁などから逃げていく熱が考慮されていないため、UA値よりも正確ではありません。
そのため、今はQ値に代わってUA値が断熱の基準として使われています。

C値(相当隙間面積)は住宅にどれくらい隙間があるのかを示すものです。C値が低いほど隙間が少なくて高気密な住宅ということになります。
C値は建物の中で測定をすることで調べることができます。2024年現在、C値は国の省エネ基準等では使われていません。

UA値・Q値・C値の違い

3.UA値の基準

UA値がどれくらいの数字なら、断熱性能が高い住宅と言えるのでしょうか?
この章ではUA値の基準について解説をしていきます。

断熱等性能等級

住宅の断熱性能を表すのが、「断熱等性能等級」です。断熱等性能等級(以後、断熱等級とする)は等級1~等級7まであり、等級が高くなるほど求められるUA値は低くなります。

具体的なUA値を見ていく前に、断熱等級と省エネ住宅についてご説明します。

政府は「2050年までにカーボンニュートラルを目指す」という目標を立てて、省エネ政策に力を入れています。
2022年3月までは断熱等級は等級4が最高等級でしたが、2022年4月以降にはこのように新しい等級が設けられるようになりました。

2022年4月 断熱等級5を創設
2022年10月 断熱等級6、7を創設(戸建て)
2023年4月 断熱等級6、7を創設(共同住宅)

断熱等級は、省エネ住宅の判断基準の一つになっています。

  • 長期優良住宅→断熱等級5以上
  • ZEH住宅→断熱等級5以上
  • 省エネ基準適合住宅→断熱等級4以上
  • ※上記住宅と認定されるためには、断熱等級以外にも条件があります。

断熱性能に関しては、断熱等級4以上であれば省エネな住宅だと言えるでしょう。

なお、2025年4月からは、すべての新築住宅について省エネ基準適合が義務化されます。つまり、断熱等級4以上であることが当たり前になるということです。
さらに、2030年にはすべての新築住宅がZEH基準であること(断熱等級5以上)を求められる予定となっています。

断熱等級

各断熱等級で求められるUA値

それでは、断熱等級4以上で求められるUA値を見ていきましょう。

同じ断熱等級でも、地域によって基準となるUA値は異なります。日本は地域によって気温に差があるからです。

地域区分
画像出典:令和6年地価公示の概要(国土交通省)

北海道・東北といった寒い地域ほど求められる性能は高くなっています。

※お住まいの場所がどの地域に該当されるのかは、「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」の「基本情報:地域の区分・年間の日射地域区分・暖房期の日射地域区分の地図」でお調べください。また、検索エンジンで探すことで手軽に調べることもできます。

等級4以上のUA値は、地域別だとこのようになっています。

  等級4 等級5 等級6 等級7
地域1
(例:旭川市)
0.46 0.4 0.28 0.2
地域2
(例:札幌市)
0.46 0.4 0.28 0.2
地域3
(例:盛岡市)
0.56 0.5 0.28 0.2
地域4
(例:仙台市)
0.75 0.6 0.34 0.23
地域5
(例:宇都宮市)
0.87 0.6 0.46 0.26
地域6
(例:東京都23区)
0.87 0.6 0.46 0.26
地域7
(例:長崎市)
0.87 0.6 0.46 0.26
地域8
(例:那覇市)
- - - -

東京都23区(地域6)の断熱等級6は、寒冷地(地域1や地域2)の等級4と同じ基準の0.46です。真冬でも家の中はかなり暖かいことが想像できますね。

なお、断熱等級はUA値だけでなくηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)も基準となっています。ηAC値は太陽日射の室内への入りやすさのことで、数値が低いほど日射は入りにくいです。
上記の表で那覇市などの地域8はUA値が「-」となっていますが、UA値の基準がない代わりにηAC値の基準が設定されています。詳しい数値は、国土交通省のホームページをご覧ください。

4. UA値はどれくらいが良いのか?

最後に、UA値はどのくらいが望ましいのかについてご説明します。

UA値が低いほど、断熱性能は高くなります。低ければ低いほど良いのは分かりますが、一般的には断熱性能が高い家ほど価格や建築費、リフォーム代は高くなってしまいます。

断熱性能は、少なくとも断熱等級4(東京都23区の場合、UA値0.87以下)、できれば断熱等級5(東京都23区の場合、UA値0.6以下)は満たすようにしましょう。

断熱等級5は他の住宅より価格は高そうだからやめようかな、と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、ハウスメーカーによっては既に断熱等級5が標準仕様となっているところもあります。
断熱性能が高いと光熱費が削減できるので、ずっと住むことを考えると断熱性能が高い住宅の方がトータルでお得とも言えます。

断熱等級6や断熱等級7の家であれば、メリットを最大限享受できるでしょう。ただ、断熱性が相当高い家は基本的には注文住宅になります。建売住宅の場合は選択肢が少ないでしょう。もしくは断熱リフォームをする必要があります。
高断熱の家は建築費用やリフォーム費用は通常より高くなりますが、その家に住む家族全員がより健康的に生きることができます。住宅購入やリフォームを検討している方は、UA値の低さや断熱性能を重視するようにしてください。

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5.まとめ

今回の記事では、高断熱住宅のメリットやUA値の基準について解説しました。

ところで、2025年4月から、すべての新築住宅に省エネ基準適合が義務化されます。一定以上の省エネ性能は保障される一方で、価格が心配という方も多いのではないでしょうか。住宅価格の高騰は今後も続く見通しです。
また、住宅価格の高騰以外にも、将来の金利上昇、建築費高騰、人口減少といった不安要素は多くあります。住宅購入で後悔しないためには、やはり情報収集が重要です。

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