編集部厳選!マンション知識最前線!? 不定期
住まいサーフィン編集部

寒さに負けない!古い家のための冬の寒さ対策

2024年12月05日

  • 更新日最終更新日:

寒さに負けない!古い家のための冬の寒さ対策

古い家に住んでいるとどうしても寒さが気になりますよね。

窓からのすき間風や床下の冷え。暖房を入れてるのになんだか寒い!寒すぎる!と家の中の寒さに悩んでいらっしゃる方のために、その原因と解決方法を解説します。

しっかりと寒さ対策を立てて快適な冬を過ごしましょう。

この記事の編集者

住まいサーフィン編集部

1998年開設、マンションの適正価格や資産価値を判断するための価格情報サイト「住まいサーフィン」が運営。
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保有し、不動産の専門知識を持つスタッフが自宅売買に役立つ情報を発信します。
売り手と買い手の情報格差が大きい住宅業界。
自宅購入で後悔する人を減らすため、業界の専門知識・データを分かりやすくお届けします!

note:@sumai_surfin
Twitter:@sumai_surfin
Instagram:@sumai_surfin
Youtube:@sumai_surfin

1.古い家の寒さの原因を理解しよう

古い家(一軒家)が寒い理由

日本の木造住宅は高温多湿な気候に合わせ、湿度が高くならないように通気性重視の家が多かったのです。逆に言えば気密性が高くありません。よって、家の断熱性はあまり考えられていませんでした。

築30年~築40年ほどが経った古民家が寒いのは下記のような理由が挙げられます。

  • 1.断熱材のない家
  • 2.窓の作り:サッシや窓の種類
  • 3.すき間風

具体的に見ていきましょう。

1. 断熱材のない家

古い家では断熱材が施されていないことがあります。

断熱材のない家では、室内が外気温の影響を強く受けます

今では断熱材が壁の間、床下、天井裏と家全体を覆うように入って防寒していますが、古民家では断熱材を使用していないことがあります。断熱材が入っていないと、外と中を壁1枚で隔てており、外の寒さがダイレクトに伝わってしまいます。

家の中を暖房器具で温めても、なかなか家全体が温まらないのはこのためです。

また、断熱材が使われていても現在使われている断熱材よりもかなり性能が低いもの(薄いもの)が使用されており、壁、床、天井の間に隙間が生まれ、冷気が入り込みやすくなっています。

断熱材は30年~40年を目安に性能は劣化してしまいます。

2. 窓の作り

窓際に行くと冷気を感じることがありますよね。

日本の窓にはアルミサッシが多く使われています。

アルミサッシは非常に熱伝導が良いため、外気の影響を受けやすく、外の寒さが直接室内に伝わってしまいます。

窓辺の冷気は、冷たい風となり室内の暖かい空気の下に入り込み、暖かい空気を上へ上へと押し上げます。そのため、自分たちのいる空間がどんどん冷えてきてしまいます。これを「コールドドラフト現象」と言います。

このため部屋全体の温度を均一に保てなくなり、部屋を寒く感じやすくなるのです。

コールドドラフト現象はなぜ起こる?

暖かい空気は軽く、暖房などで暖められた空気は部屋の上へと上がっていきます。
一方、温められた空気が冷たい窓ガラスなどに触れると、下降していきます。
これにより、部屋の上の方は暖かく、下の方は冷たい空気が集まります。
天井付近の温度と床付近の温度差は5℃近くにもなります。
窓の断熱性の低さや家の構造によって起こりやすくなっています。

また、従来の日本のほとんどの古い家では1枚板の「単板ガラス」を使っていました。しかし、近年は2枚の「複層ガラス」(ペアガラス)を用いることがほとんどです。

単板ガラスは1枚のガラスで内と外を遮っているため、冷たい空気も入り込みやすく、外気の影響をもろに受けやすいです。それに比べて複層ガラスはガラスとガラスの間に空気の層があることで、熱が伝わりにくく、室内の暖気の流出も抑えることが出来ます。

3. すき間風

長年にわたる地震や台風などが発生する生活環境の中で少しづつ影響を受け、目に見えない歪みが蓄積し、建物の歪みにつながります。

経年劣化による建物の歪みによりすき間風が発生してしまいます。
床や壁、屋根などのほんの少しの隙間から冷気が家の中に入り込み、すき間風となって家全体を冷やします。
さらに、風通しの良い設計がなされている場合も多く、これが冬場の寒さを増幅させることがあります。
加えて、床下の通気口が適切に管理されていないと、冷気が床から侵入してくることもあります。
これらの要因を把握することで、適切な対策を講じることが可能になります。

2. 窓からの寒さを防ぐ方法

古い家の寒さの原因を見てきましたが、実は住宅全体の熱の大半が窓などの開口部から出入りしています。
冬場だと実に58%もの熱が開口部から外に出てしまいます。
窓回りの寒さ対策はとても重要です。簡単に対策できる方法がありますので4つご紹介します。

窓

1⃣ 隙間テープでの簡単対策

窓のサッシや玄関などにできたわずかな隙間をテープで埋める方法です。テープはホームセンターや100均、ネットでも購入することが出来、手軽に対策可能です。

すき間風防止テープは簡単にはさみでカットでき、簡単装着可能です。ナイロン製、シリコン製など様々です。

2⃣ 窓に断熱シートを貼る

窓に断熱シートを貼るのもお手軽な断熱効果をアップする方法です。

窓用のポリエチレンなどで出来たフィルム上のシートを貼ることで、シートと窓の間に空気の層を作ることによって、冷気が流れ込むのをシャットアウトし、室内の暖かい空気を逃しにくくします。

冬用の暖房効果を高め、結露を発生しにくくするシート、夏用の紫外線を遮り冷房効果のあるシート、冬夏兼用のシートとあります。断熱シートは使用に伴い、徐々に効果が薄れ、粘着力も弱くなってくるので半年ごとの交換が推奨されています。貼りっぱなしだと、カビが発生しやすくなったりもするので、季節ごとの張替えをお勧めします。

3⃣ カーテンを断熱仕様に

カーテンを断熱仕様のものに変えるのも寒さ対策には有効です。

断熱効果、保温効果が高い厚地のカーテンを取り付けましょう。またレースのカーテンやカーテンの裏地をつけて二重にしておくのも保温効果が上がります。

4⃣ DIYで窓枠を二重に

プラスチック段ボールやポリカーボネートを使って、二重窓にしましょう。

木枠を作って、そこにカッターで切断可能なプラスチック段ボールやポリカーボネートをはめ込み、二重窓にします。既存の窓に取り付けるだけですき間風が入り込みにくくなり、冷気を感じにくくなります。

賃貸物件でDIYで木枠を作るのがちょっと難しい・・なんて方はプラスチック段ボールを窓に立てかけておくでもだいぶ冷気の入り具合が変わります。

3. 床の防寒対策

すき間風だけでなく、床下からの冷えも気になる方も多いのではないでしょうか?

底冷えして暖房を付けても室内が暖まらないということもあるでしょう。そんな時は窓の対策も大切ですが床からの冷えも対策をしましょう。

カーペット

簡単にできる防寒対策方法は

  • ● カーペット・ラグを敷く
  • ● ホットカーペットを使う
  • ● 靴下・スリッパを履くなどの防寒対策グッズを使う

など、床の冷たさを直接足に伝わらないようにすることが大切です。

  • ● 床用の断熱、保温シートの併用

カーペットやラグなどを敷くときに併用すると断熱効果が上がります。

床用のものはアルミなどが蒸着され、発泡ポリエチレンのような断熱素材が入っているので、床に敷くことで床面からの冷気を伝わりにくくします。その上でカーペット、ラグなどを使用することで暖房効率がアップし節電にもつながります。

また、無垢の木材のフローリングとホットカーペットの間に敷くことで、木材の割れや反りを防ぐ効果もあります。

  • ● サーキュレーターを使う
先ほども出てきましたが「コールドドラフト現象」が起こると、暖房を付けていても足元が寒く感じてしまいます。

そんな時は、サーキュレーターや扇風機を使って部屋の空気を循環させて、室温を一定に保つようにしましょう。また、ホットカーペット、床暖房などで床を温めるのも有効な手段です。

4.リフォームでの本格的な寒さ対策

予算に応じた効果的なリフォーム

色々な方策を講じてもどうしても寒さが気になる時は、リフォームによる本格的な寒さ対策が必要です。
リフォームは古い家の断熱性能を大幅に向上させる絶好の機会です。
コストは高くなってしまいますが、長期的に見れば、光熱費の削減にもつながり、また寒さ、暑さに悩まされない快適な生活を手に入れることができます。

室内の温度を一定に保ち、外気の影響を最小限に抑えるには高断熱、高気密のリフォームが必要です。

1⃣ 壁や床の断熱リフォーム

まず古い家では、断熱材が不足していないかどうか専門家や工務店でチェックしてもらいましょう。
その上で、断熱材が不足している場合は断熱リフォームがおすすめです。
外壁と内壁の間、床下に断熱材をいれたり、内壁に断熱パネルを貼る、屋根や外壁に断熱効果のある塗装を行うなど方法はいろいろあります。

家の状態や構造によって、必要な断熱リフォームは異なりますので、まずは相談してみましょう。

壁・床の断熱リフォームの一般的な予算

リフォーム内容   予算目安
壁の断熱リフォーム 内壁断熱 5千円~1万円/1㎡
外壁断熱 1万円~2万円/1㎡
床の断熱リフォーム 床下断熱 4千円~8千円/1㎡

2⃣ 窓、玄関ドアなど開口部の断熱リフォーム

先ほどもお伝えしましたが窓回りの対策は非常に有効です。
窓の断熱性を上げるには、「単板ガラス」を「複層ガラス」(ペアガラス)に変える、もしくは「内窓」を設ける方法があります。

●窓ガラスを「複層ガラス」に変える

「複層ガラス」は2枚、3枚のガラスの層の間に空気層を含み、断熱効果を発揮します。複層ガラスは単板ガラスの約1.7倍の断熱効果があると言われています。

単板用ガラスサッシを複層用ガラスサッシに変えるにはカバー工法が多く使われます。
既存の窓枠の上から新しい窓枠を取り付けるカバー工法は外壁や窓枠の工事が不要なため、施工が数時間で完了します。

カバー工法によるサッシ交換の一般的な費用相場(製品価格+工事費)1窓辺り

  複層ガラス+
アルミ樹脂複合サッシ
Low-E複層ガラス+
アルミ樹脂複合サッシ
腰高窓 約15万円~25万円 約16万円~28万円
掃き出し窓  約27万円~35万円 約29万円~40万円
●内窓の取り付け

既存の窓の室内側に、新たな窓を取り付けて「二重窓」にします。既存のサッシを残したまま内側に取り付けるだけなので、簡単に低予算で行えるのがメリットです。
断熱効果や防音効果、結露防止などが期待できます。

内窓取り付けの費用相場(製品価格+工事費)1窓あたり

  単板ガラス 複層ガラス
腰高窓 約6万円~10万円 約7万円~12万円
掃き出し窓 約16万円~20万円 約19万円~23万円

窓、サッシの断熱について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

窓・サッシ断熱リフォームで快適な暮らし!費用やメリットデメリットを紹介

「窓・サッシの高断熱リフォーム」の費用やメリットとデメリットをご紹介します。

●玄関を断熱仕様に

玄関ドアを断熱仕様のものに交換するのも断熱性向上に欠かせません。
DIYで玄関の断熱に取り組んでも効果が無い場合は玄関ドアを完全に交換することを提案します。

断熱ドアへのリフォームにかかる費用は、工事費を含めておよそ50〜60万円程度です。
最新の断熱技術を活用することで、エネルギー効率も向上し、光熱費の削減にも繋がります。
こうしたリフォームは、単に暖かさを提供するだけでなく、住まい全体の快適さを向上させ、冬の暮らしをより豊かにします。特に、寒冷地にお住まいの方には、これらの対策が日常生活の質を大きく向上させるでしょう。リ フォームを通じて、寒さ知らずの快適な住まいを手に入れましょう。

5.まとめ

今回の記事では、古い家が寒い原因とその対策方法について解説しました。

まず気軽にDIYで実践できる対策方法をご紹介しましたが、それでもまだ寒さが気になる場合、断熱リフォームをすることになるでしょう。
ご紹介したように床や壁に断熱材を入れたり、内窓を設置したり、玄関を断熱ドアに交換するなどさまざまな方法があります。

最近は省エネ住宅が強く推進されているので、さまざまな補助金や減税制度があります。これらをうまく活用して、理想の住宅を建ててください。

今なら補助金ももらえる。いざ行動しよう!とした皆さんは、以下のようにも思われたのではないでしょうか?

  • 補助金の仕組みが複雑すぎて、何をどうしたら良いか分からない
  • ● 補助金はもらいたいが、仕組みを理解するために学ぶ時間が取れない
  • ● 業者に騙されたニュースを聞いたことがあり、少し怖い
  • ● 実際にどの業者を選べば良いのか分からない

当サイト住まいサーフィンの会員からも同様の声を数多く頂戴しているので、これらを解決するためのノウハウを沖有人に相談できる沖サロンにて特別にお教えすることにいたしました。
※沖への相談サービスは住まいサーフィンの会員限定です。

代表の沖が補助金に関して体系的に解説した動画を特別に公開いたしますので、是非ご覧ください。

▼動画を確認する

会員登録は無料です。退会も簡単に出来ますので、まずは気軽に会員登録してみてください。