マンションデベロッパー業界の参入障壁は低い。お金もしくは土地があれば始められるので、ポリシーもノウハウもなくても外部の専門家(設計・施工・販社など)を揃えればやれてしまう。別業種の大企業の子会社で、実質担当者1人という会社もあるくらいだ。
そうであるが故に、この業界は寡占化が進まない。シェアで10%取れる会社が1社あるかないかという状態である。
そんな中でも品質や顧客満足などに注力する会社はある。そうした会社は自ら高い品質基準を設定したり、販売員の教育研修に熱心だったり(抜き打ち検査まで定期的に実施しているところもある)、アフターサービスに力を入れたり、住み心地アンケートを商品企画に反映したり、自発的な努力を続けている。
もちろん、そうした会社の物件はコストパフォーマンスが相対的に高い。ヒューザーに見られるように、価格は1~2割しか異ならないのに、品質は雲泥の差ということがある。
そうした会社の見分け方として、物件以外の同封情報を重視してもらいたい。地味ながら自分たちの取り組みを表現している資料はその試金石になるものだ。こうした会社が業界の標準になることで、欠陥マンション等の不幸な事件は少なくなることを願ってやまない。
[第67号]努力している会社(03/01)
2006年03月01日