「うちは立地にこだわらない。4000万円台前半で供給できる場所がマンション適地である」
というマンションデベロッパーは多い。
確かに、バブルの前後も含め、この考えは間違いとは言い切れなかった。
バブル以前はファミリー世帯は子育ての環境などを考え、郊外へ移転するケースが非常に多かった。いわゆる、「ドーナツ化現象」である。
これに対して、最近は「都心回帰」が主流であり、その背景として、世帯人員が少なくなっていること(世帯の構成が4人から3人、3人から2人と減っていること)の影響が大きい。世帯が小さくなると大人の利便性が重視され、都心に集まる傾向にある訳だ。
静かに進行するこうした現象に対して、供給者側は「4000万円台前半なら」という短絡的な考えをそろそろ変えるべきだと思う。今時、マンション立地の最果てで供給しても、以前ほど需要が付いて来ないだろう。
購入者側も購入しようとしているマンションが予算的に「買えるマンション」になってはいないか再考が必要だと考える。地価は下がり始めると安いところほど下がる傾向にあることを忘れてはいけない。長い目で見ると、なるべく資産価値の高いマンションの方が有利なのである。
[第131号]4000万円の呪縛(9/11)
2007年09月11日