ある大手仲介会社は、中古マンション査定で高い価格を提示し、専任を取ります。
売却したい人は高く売りたいですし、大手の名前に信用してしまいます。
しかし、その後は大した広告をしないで高い価格でレインズなどに載せておきます。
当然、高い価格なので問合せすら来ない期間が長く続きます。これを業界用語で「干す」と言います。
しびれが切れた売主に値下げを提案し、相場程度に落として、干している間に探していた買い手をあてがいます。
こうして成約に至った場合、両手と言って売り手・買い手両方から手数料3+3=6%を取ります。
こうした業者は売り手のために働いている訳ではなく、自分の保身のために働いている訳です。
こうしたことが起こるのは、不動産取引が不透明で、情報格差が大きいからです。
これを是正して、フェアな競争市場をつくるには、価格の透明性が欠かせません。
相場からかけ離れた価格では成約は非常に難しいですが、相場価格なら3ケ月以内で成約するものです。
今回の中古マンション時価の無料公表の意味はこうした点にあります。
フェアな市場では、フェアな競争が行われます。売り手のためなら広告や内覧時のサービスで高く売る努力をしますし、
買い手のためなら有利なローンや条件交渉を買い手のために行います。
その結果、評価されるエージェントに手数料が多く支払われる構造が望ましい市場の姿と考えます。
日経ビジネスオンラインに記事が掲載されたこととその後のクチコミは急速にネット上で拡がりました。
しかし、まだ充分とは言えません。
宜しければ、こうした現状を皆さんのブログやツイッターやSNSで広めて頂ければと思います。
不動産市場はきっと変わっていくものと信じています。
[第304号]「悪徳仲介業者対策」(10/22)
2011年10月22日