このコラムで「来年の住宅取得控除の行方」を書いたのが8月26日。
ほぼその当時の予測は当たったことになるが、想定外だったのが9月初旬の福田首相辞任と9月下旬の麻生首相の誕生である。
現首相でなかったら、減税されるとはいえ、今回の報道にあるような大幅なものとはならなかっただろうと思う。その意味では、購入予備軍にとっては朗報であろう。
今回の控除枠が2008年と比較して総額で最大400万円程度増えるかも知れない。還付された税金を住宅ローンの早期弁済にまわせば、控除枠を金利で割り引いた分だけ「値引き」されたことになる。非常に大きい金額なので、販売センターの方などにじっくり相談するのがいいだろう。
また、今回の減税は2009年1月1日からとなるであろうから、その前の入居については適用されないので、注意されたい。売主側からすれば3月末の決算数字を作りたい切実なニーズと年度内竣工物件の在庫削減の命題から、1月契約というのは書き入れ時になるであろう。
というのも1月を待っていた需要(購入)サイドと2・3月は竣工物件の引渡しに忙しい供給(売主)サイドの都合が合う絶好のタイミングだからである。その場での即決価格(値引き)も1月は切羽詰っている分、期待できるかもしれない。
[第176号]住宅取得控除の拡大(10/29)
2008年10月29日