ヤマダ電機がエス・バイ・エルを子会社化した。これまでもセコムがデベロッパーに資本を出したり、住宅設備メーカーが業務提携するなどの話はあった。
しかし、今後の住宅業界のトレンドとして、業績が不安定な企業ほど他業界の経営の安定している企業に買収されるケースは増えるかもしれない。
それは住宅事業の市況が不安定なこととと経営能力の問題の2つの帰結のように思える。
事業者のことはさておき、購入者側からするとこれは喜ばしいことだと考えている。
なぜなら、経営は安定し、破たんリスクが相当に軽減される。
瑕疵担保責任を負うなどの問題解消に制度はできたものの、履行されないに越したことはない。
もうひとつ、この買収の背景がある。
それは、オール電化推進である。
東京電力がこうした事態で他の電力会社も経営の安全性を問われる時代に、もはやオール電化推進母体は電力会社ではなく、電気メーカーや家電量販店になっている。
この変化に適応する業界関係者の反応が遅いようだと命取りになりかねない。
単純に、イメージを打っていた電力会社よりも実物商品を売っている部隊の方が影響力は今や強い。
今回のような住宅業界再編の流れはオール電化だけでなく、今後も進んでいくことが予想される。
秋口以降の売行きがその合従連衡を加速化する可能性だけは頭に入れておいた方がいい。
[第294号]住宅メーカーの異業種連合(8/15)
2011年08月15日