新築の方がいい気持ちは分かる。
新築プレミアムが乗っていても、住宅贈与の特例を使えば許容範囲の人もいるだろう。
しかし、既に価格の問題ではない状況になっているという認識である。
価格が高騰する中で、
立地が遠くなり、敷地条件も悪くなり、
商品企画は販売が困る程の仕様になり、
面積は小さくなり、間取りは欠点が増え、
構造は見劣りし、施工状態は品質保証ができない程悪い。
私にとって既に新築マンションを推奨する時期は終わっている。
リスクがあり過ぎて、実物の安心感が勝ってしまう。
新築を望むなら、1年前に売っていた引き渡し前のキャンセル住戸の方がいい。
相続対策のお客さんには指南しているが、
上記の新築リスクがある中で、竣工時期が先になる新築は相続対策にもならない。
新築を購入する時には、近隣の築浅中古物件を見て、数年後こうなり、
この価格になることを認識するだけでなく、住み心地まで阻害され兼ねないと考えよう。
1年経てばすべて中古扱いになる。
その際に評価されるのは、第一に立地で、第二に商品企画であり、
新築の時には考えられないほど、築年の優先順位が落ちる。
最後に、中古を売っている方々に言いたい。
新築がモデルルームの見せ方に戸当たり600~800万円かけるのに、
両手市場主義で、コストミニマムの見せ方しかできないから、
中古はアンダーバリュー(価値より低く価格設定される)になる。
リノベーションの顧客受けの良さを応用する売り方を考えよう。
[第421号]「新築がいいという病」
2014年05月22日