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- 東京都港区六本木・麻布十番の特徴
東京屈指の歓楽街が、最先端トレンド発信地でありビジネス拠点に大きく変貌
東京で屈指の夜の繁華街として華やぎを提供してきた街・六本木だが、「六本木ヒルズ」と「東京ミッドタウン」の完成で新しい一面も見せている。アート、デザイン、エンターテイメントの発信地として進化しながら最先端のトレンドを発信する街で、昼はビジネス街としての存在感も高まっている。
世界のグルメ、夜のパノラマビュー、バーやクラブに至る夜の顔に、美術館や野外シネマイベントなどアートから、ハイブランド・ショッピング街などの魅力を内包する。
六本木ヒルズ、東京ミッドタウン(港区赤坂)は、六本木エリアを象徴する都市型複合施設だ。このふたつのランドマークとも言える街には、高級ホテル「グランドハイアット東京」と「ザ・リッツ・カールトン東京」が入居して、インターナショナルなコンベンションやパーティが開かれる。六本木はまた、アートとデザインの街として数多くの美術館が立地する。「国立新美術館」「森美術館」「サントリー美術館」は徒歩で回れるほど距離が近く、六本木アート・トライアングルとも呼ばれる。
安藤忠雄氏が設計した東京ミッドタウンにあるデザインの専門施設「21_21 DESIGN SIGHT」では、アート、写真、デザインに関する印象的な展示が行なわれている。安藤忠雄氏がテーマとしたのは「日本の顔としての建築」。日本一長い11.4 メートルの複層ガラスや、折り曲げられた約450 平方メートルの巨大な一枚鉄板の屋根を用いるなど、日本が持つ建築技術を最大限に追求し設計された。
ディレクターには三宅一生氏、佐藤卓氏、深澤直人氏が就き、アソシエイトディレクターに川上典李子氏を加えて、ギャラリーの企画を担当する。
江戸の風情を感じされる街であり、住宅街でもある十番
いっぽう六本木の南、都営地下鉄大江戸線で隣の麻布十番駅の周辺は、高級住宅街である麻布を冠するにもかかわらず、江戸の下町を思わせる風情が感じられる街だ。駅周辺の麻布十番と元麻布の町域には、大規模な商業施設は少ない。個人商店や小規模な雑居ビルに小さな洋品店や飲食店が建ち並ぶ商店街「麻布十番商店街」などがある。
この町域名の由来はいくつか説があるようだ。江戸時代に古川の改修工事のため「第10番目の工夫を出した地域」とか「10番目の土置き場だったから」「10番目の工区だったから」などの説が有力だ。特に最後の説は、土置き場を示す杭が後に残っていたという記録があったことから信憑性が高いといわれるが、はっきりしたことは分かっていない。
麻布十番エリアの商店街はおおむね近隣の東洋英和女学院(幼稚園~高等部)、港区立南山小学校、幼稚園、西町インターナショナルスクールなどの通学路にあたるため、風俗営業や客引きのない商店街づくりを目指している。多くの小売店は午後8時、飲食店は午後11時で終了。「夜の街」にならない、庶民的でありながら品のある麻布十番のブランドを保っている。
世帯収入が23区中でもっとも高い港区立南山小学校
住まいサーフィンが2017年に発表した「年収の高い小学校区・中学校区ランキング」によると、東京23区のなかで、もっとも世帯年収が高い小学校は港区立の南山小学校(元麻布)で平均世帯年収は1409万円。2位は千代田区の番町小学校(六番町)で1151万円。3位は大田区の田園調布小学校(田園調布)で1016万円だった。
南山小学校は番町小学校を大きく引き離し、23区中で平均世帯年収が1400万円を超えている。この理由として、同社は学区内には、六本木ヒルズや元麻布ヒルズなど専有面積の広い高級マンションが数多く建ち並んでいることを要因に挙げている。
また同小学校は、港区の指導で外国人児童に多様な教育の機会を提供するため、通常学級に外国人児童を受け入れる国際学級ESC(English Support Course)を設置し、ESCの児童に対して英語による1学年10名までの授業クラスを2017年から実施している。
ESCは2012年度から目黒区立東山小学校で実施していた。南山小学校はESC指定2校目だ。通学区は麻布十番1丁目全域、同2丁目1番~8番、元麻布1丁目1番~4番、同2丁目と3丁目の一部、六本木5丁目9番から14番、同6丁目の全域だ。
港区では南山小学校のほかにも、有名小学校である白金小学校(平均年収865万円)や、学校選択制で最も倍率の高い御成門小学校(平均年収893万円)など、高所得者層が集まる学区がいくつかある。
麻布十番エリアで進む大規模再開発
ところで、麻布十番エリアでも比較的規模の大きな再開発計画が進められている。東京都都市整備局による「三田小山町西地区第一種市街地再開発事業」だ。
計画では三田小山町西地区は、西側が古川及び首都高速2号線、北側が特別区道1022号線に接した地区である。同地区の大部分は過去の震災や戦災を免れており、平成12年の都営大江戸線・東京メトロ南北線麻布十番駅、都営大江戸線赤羽橋駅が開業後、周辺が都市化する中で、小規模な土地利用、木造建築物が多く残っているエリアだ。
本事業は、竣工済みの隣接地区(三田小山町東地区及び三田小山町地区)と一体的に安全で快適な魅力ある複合市街地を形成することにより、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとしている。
再開発用途計画によると、北街区は共同住宅(約790戸)、事務所、店舗となり、南街区は共同住宅(510戸)、店舗となる。高さの限度は北街区が北側道路沿い55m、南側は165m、南街区は西側が125m、東の公園側が80mだ。
北街区は地上45階の住宅A棟と地上10階の事務所棟、南街区は地上33階の住宅B棟と地上16階のC棟となる。つまり、住宅A棟は地上45階建て、高さ165m以下、事務所棟は地上10階建て、高さ55m以下、住宅B棟は地上33階建て、高さ125m以下、C棟は地上16階建て、高さ80m以下となる予定。共同住宅戸数は都市計画で1300戸となっている。
予定する参加組合員は、三井不動産レジデンシャル、新日鉄興和不動産、三菱地所、首都圏不燃建築公社となる。