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自宅選びの基本
この章では、失敗しない自宅選びの第一歩として、不動産コンサルティングで購入検討者の相談を受けるなかで特に多い3つの質問とその答えを解説する。住居費は、日常生活を営んでいく上での必要経費。この先一生かかり続ける費用であるからこそ、しっかりと考えておきたい。
INDEX
Q1.
「自宅は、賃貸vs持ち家
どちらがよいか」
A. 持ち家がよい
一番最初に良く聞かれる質問として、「持ち家と賃貸はどちらが有利か」がある。質問の答えは「断然、家を持つべき」だ。その根拠を詳しくお話ししていきたい。
日本は長年にわたり、
様々な持ち家推進政策を行っている
日本は長年にわたり、国民が家を購入することに対し税制と金利の優遇政策を国策として行っている。現在、80歳の人の持ち家率はなんと80%にも上る。また、過去の歴史のなかでは、景気が悪くなった際には経済活性化のカンフル剤として持ち家推進政策は特に助長されてきた。なぜ自宅を購入させることが経済活性化につながるかというと、不動産という大きな買い物をさせることで、それに伴う付属品(自動車や家電製品、家具等…)の購入が促進されるためである。
ここで、持ち家推進政策の代表ともいえる住宅ローン控除についてご説明しよう。
住宅ローン金利が実質ゼロ?住宅ローン控除
住宅ローンを借りると、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)が受けられる。これは、借り入れから10年の間、年末のローン残高の1%が還付される(最大40万円)という制度である。
現在、マイナス金利の導入で住宅ローンの金利は下がり、1%未満で借りられることも多い。したがって、住宅ローンの金利が実質ゼロ以下になってしまうというお買い得な状況となっている。
持ち家VS賃貸 生涯住居費の比較
大学を卒業してから亡くなるまでの期間を65年としたときに、賃貸住宅に住み続ける場合は65年もの間、家賃を支払い続けることとなる。
しかし、家を購入した場合、住宅ローンは35年支払いすれば必ず終わる。そのあとは管理費と積立修繕金の2,3万円程度の金額を支払えば一生住み続けることができるのだ。
賃料と同じ金額を35年支払って終わりにするか、一生死ぬまで家賃を払い続けるかを比較した場合、持ち家の方が断然、住居費にかかるコストが少なくて済む。
高齢での賃貸入居は断られる現状
社会問題化している現状として、賃貸に住み続けていたとしても、高齢になると入居を断られてしまう現状がある。契約時に連帯保証人がつけば入居はしやすくなるが、連帯保証人は働いている人しかなることができない。したがって、年金暮らしの親世代には連帯保証人になってもらうことができず、審査が通らないというケースが多い。「高齢になると賃貸住宅に入居することは難しくなる。」ということは認識しておきたい。
まとめ 家を持つべき3つの理由
- 日本は持ち家への税制・金利の優遇が大きい
- 生涯住居費は持ち家の方が断然割安
- 高齢での賃貸入居は断られる現状
Q2.
「自宅は、マンションと
戸建どちらを買うべきか」
A. マンションを買うべし
自宅購入を検討する人が一度は考える疑問、「マンションと戸建て」どちらを買うべきか。
マンション選びで損をしたくない方へ、住まいサーフィンの答えは、「住み替える可能性が少しでもあるなら、売却がしやすいマンションを買うべき」だ。
戸建の建物価値は約20年でゼロになる?
戸建てを買う場合の最大のリスクとしてあげられるのが、建物価値が22年でゼロになるという点。多くの戸建てが木造で建設されるが、木造建築の耐用年数は22年。その後は、自宅は土地代だけの価値となってしまう。
建物価値がゼロの場合、金融機関は土地代だけしか融資できないということだ。
22年住んだ自宅を売りに出した場合、購入希望者に下りるローン融資額は土地代のみ。結果として、土地代とほぼ同等の金額、もしくは建物の解体費まで引かれた金額でしか売却出来なくなってしまうリスクが高い。
対して、マンションは鉄筋コンクリートで建設されるが、鉄筋コンクリート造の耐用年数は47年と長い。したがって、先ほどの例と同じように、22年住んだ自宅を売りに出した場合にも、購入時の半分の建物価値が残っているので、次の購入者も金融機関からローンを多く引けることとなる。
戸建とマンションを資産価値の観点で比較
戸建ては郊外の駅から距離のある立地に建てられることが多いが、日本は人口が減少していく最中であり、駅から遠い土地は価値が下がる可能性が高い。将来、住み替える可能性が無いということであれば戸建てを選択するのもアリだが、ライフステージの変化などによる引っ越しの可能性が少しでもあるなら、売却しやすく、住み替えやすいマンションを選ぶことをお勧めする。
Q3.
「マンションは、新築と中古
どちらを買うべきか」
A. 中古の方がお買い得なことが多い!
マンションを買うなら、新築と中古のどちらが有利か。
答えは、「東京23区内はどちらもおすすめ、それ以外のエリアは中古の方がお買い得」だ。
新築価格と中古価格の内訳
新築マンション価格は、土地代と建築費、宣伝等の販売コストと10%程度の純利益を入れて値付けされている。 対して、中古マンション価格はマンションの販売価格に、3%の仲介手数料がプラスされた金額が実際の購入価格となる。そのため、中古マンションの購入は仲介手数料の金額分、損をするのではないかという意見を持つ人もいる。
そこで、新築マンションの1年後の価格の下がり幅(1年後価格下落率)と、中古を購入する際のコスト(仲介手数料)を比較し、どちらがお買い得かを考えたい。新築マンションを購入した場合の1年後価格下落率は、首都圏平均で大体10%程度といわれている。
しかしながら、実のところは下落率はエリアによりバラつきがある。東京都区部の1年後価格下落率は5%に留まるが、千葉県・埼玉県では15%程度まで下がってしまうとされる。
したがって、1年後価格下落率が5%の東京都区部の場合は、新築と中古のどちらも同じくらいおすすめできるが、それ以外の地域については、中古マンションの購入に仲介手数料3%がかかるとしても、築浅の中古マンションを購入した方がお買い得といえるだろう。
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