「沖レク」マンション購入一問一答

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特別編
コロナ禍での
賢いマンション売買戦略

前代未聞の事態となったコロナショックの最中で、マンション市場はどのように変化していくのか。沖有人の見解をまとめました。今後のマンション売買計画の一助となりますように。

Q1.
「コロナショックでマンションは暴落するのか」

A. 価格が大幅に下落することはない

コロナショックで不動産価格が大きく変動すると考えている方も少なくないだろう。しかし、不動産を十把一絡げに考えてしまうと判断を見誤ることになる。
住宅市場の仕組みを正確に理解することが大切である。

住宅の実需は底堅い

コロナショックが不動産へ影響を及ぼしていることは事実であるが、全ての不動産が大打撃を受けているわけではない。不動産の中でも種別によって影響の度合いは異なる。

不動産種別の想定事象

もっとも影響が大きいのは、「物販・飲食・ホテル」であり、これは渡航制限・外出自粛の影響で売り上げが急減したことが理由となる。
実際に、J-REIT(日本版不動産投資信託)においては、1カ月でホテル・商業系は半額になった(現在はそこから2割程度戻している)。
次に影響を受けるのは「オフィス」だ。これはコロナの影響で業績悪化した企業が増えることでオフィス需要が低下するためだ。オフィス賃料は需給バランスにより決まるので、需要が低下すると市場価格が落ちる可能性がある。
最後が「住宅」で、これは個人の雇用や所得が悪化した場合に需要低下が考えられる。しかしながら、商業系と比べて個人の所得の変動幅は小さく、ホテル・オフィスのように大きく需要が後退することはないだろう。

需要の影響要因

今後のオフィス需要を考えた場合、先行指標になるものが株価であり、今回のコロナショックで株価が大きく変動したのは、企業業績が悪化していくのではと考えられているからである。その意味でもオフィス需要がコロナショック前よりも悪化する可能性は高い。
一方、「住宅」の需要は、個人の所得と連動する。それは、失業率の低下や年収・ボーナスが減るといった話になるが法人の業績ほど大きく動くことはない。こういった理由もあり、住宅は不況の際に最も底堅いマーケットであると言われている。

リーマンショック後の住宅価格

また、マンション価格は実際に過去の市場崩壊の際も大きく価格を落とすことはなかった。
例として、2008年9月に発生したリーマンショック後のマンション価格の値動きを1年目~3年目の時系列で見ていこう。

新築・中古インデックス比較

まずリーマンショック直後の1年目の値動きであるが、新築・中古も1年で1割ほど値下がりした。
アメリカでの住宅バブル崩壊を契機とした100年に一度の金融危機の際も、発生直後の価格変動は1割の値下げに留まっており、住宅価格が底堅いことが分かる。

そして、リーマンショックの翌年になっても、新築マンション価格はそのままほぼ横ばいで推移する。
なぜ価格は下げ止まったのか?その理由は、中堅以下のデベロッパーの多くが倒産したことにより、新築マンションの供給戸数が前年比の1/3まで減ったためである。住宅需要は「実需」と言われるように、どんな状況・時期でも必ず一定量は存在する。新築マンション供給が急激に減少したことにより、需要に対し供給が満たない状況となったのだ。
また、中古価格については、新築マンションの供給減により需要過多となったことで、1年をかけて徐々に値上がりした。
こうして、2年目経過時には、新築マンションはリーマンショック前の1割下げ、中古マンションはリーマンショック前の水準に回復した。

そして、3年目には再び下落する。理由としては、生き残ったデベロッパーへの銀行融資が復活したためだ。それにより新築供給は再び増え始め、供給が回復したことで、新築・中古ともに価格が1割程度下がった。

ここまで説明してきたように、リーマンショック後のマンション価格は、3年の間に、新築は2割の下落、中古は1割の下落となった。
100年に一回の金融危機と言われたリーマンショックであっても、マンション価格は1~2割の下落で済んでいるのだ。

大手デベロッパーの販売戦略

最後に、コロナショックの影響を受けて、今年度のマンション市場がどのような形勢となっていくのか予想してみたい。

まず前提として、今回のコロナショックの状況下においては、人と人との接触を減らす必要がある。新築の販売センターは密閉空間に近いため、販売はある程度自粛せざるを得ない。緊急事態宣言の解除後も新築の供給戸数がすぐに上がることはないだろう。

ただし、販売不振であるから価格を下げるという話にはならない。供給戸数が減っても、常に一定量の需要は存在するため、リーマンショック後と同様に価格を大きく下げる必要はなくなるのだ。
なぜ、「需給バランスが悪化すると価格が下がる」という教科書通りの市場メカニズムが働かないかというと、供給戸数も価格もデベロッパーが決めることが出来るからである。
というのも、リーマンショック時に中堅以下のデベロッパーの多くは倒産しているため、現在生き残っているデベロッパーのほとんどが大手上場企業である。実際に新築マンションの供給は大手7社が半数を占め、上場企業では7割程度のシェアがある。こうした少数の会社が市場を占めている状態では市場メカニズムは働かない。

需要が減退する分、販売期間が長引くことになるが、それは財務力と低金利の借入のおかげで大企業は我慢することができる。こうして新築マンション価格が下がらないと中古価格が下がる理由がなくなる。
中古マンションの投げ売りが増えるという意見もあるが、正直言ってその可能性は低い。なぜなら、多くの人は購入時に多額の住宅ローンを借り入れしているので、大幅に価格を下げてしまうとローン返済が出来なくなってしまうためだ。

したがって、今後1年のマンション市場の形勢としては、マンション供給戸数は大幅減、それにより価格相場も下がりにくい状況となることが予想される。

Q2.
「コロナ禍でのマンションの買い時」

A. 価格相場は緩やかに下落する見込み

コロナ後のマンション市場は、短期と長期の2段階で変化していくと考えられる。直近、1年後までに起きうる変化と2~3年後にどのようなマンションが販売されるのか?を解説する。

直近1年間のマンション価格予測

前項で説明した通り、大手デベロッパーは、マンションの供給量を調整することで、価格が大幅に下がることを防いでいる。供給戸数と価格は反比例の関係にあるのだ。
したがって、今年度は供給戸数が大幅に減るゆえに、価格は緩やかな下落スピードとなる見込み。

この状況でマンションをお得に買いたいという方は、中古マンションの割安物件を見つけ出して購入することも一つの手だ。しかし、中古で売り出された物件を毎日全件査定しているが、投げ売り的に割安になっている物件は、好立地のものに限ると週に2~3件程度に過ぎない。
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2~3年後にお買い得な新築マンションが?

コロナショック前までは景気が上向きであったため、都心の高い建物が建つ用地は、ホテル・商業施設>オフィス>マンションの順で開発が行われていた。近年、都心の好立地にはホテルやオフィスが優先して建設され、マンション建設は不利な状況にあった。
過去を振り返ってみると、リーマンショック前の2005~09年やアベノミクス後期の2015年以降に建設されたマンションは景気が良いので立地が悪かった。それに対し、不景気だった2001~2004年、2010~2014年のマンションは立地がいいし、価格も安いという状況だった。

今回のコロナショックにより、ホテルと商業施設が牽引してきた都心の好立地の地価は、今後下がることが予想される。
それにしたがって、新築マンションの用地購入価格も下がるだろう。ただ、その一方で建築費は下がりそうにない現状を考え合わせると、土地価格と建築費で構成される新築マンション価格はやや下落局面を迎えそうだ。

しかし実際に、用地の購入からマンションの販売が始まるまでには2~3年掛かる。このため、リーマンショック後に購入した安くなった土地価格がマンション価格に反映されたのは2~3年後だった。新築マンション価格は急には変われないのである。

したがって、3年後には好立地の大型マンションの供給が今よりもリーズナブルな価格で販売できるようになるかもしれない。

Q3.
「コロナ禍でのマンションの売り時」

A. 今すぐ売却検討を行うべき

コロナ禍で今後、マンション価格は緩やかに下落していくだろう。急激に価格が暴落するといったことはないが、より高い価格で売却するためにはなるべく早めに動いた方が良い。

売り時は今!

ここまでご説明してきた通り、今後マンション価格は新築・中古ともに緩やかに下落していく見込み。
そのため、今から早期に高値での売却を狙う方が有利になることは認識しておきたい。

早めに行動することで、慌てずに丁寧に売却活動を行うことが可能となる。現段階では1~3年後の価格の下落を見越して、利益確定することをお勧めする。
購入した時期によっては、これまでの含み益が数千万円に及ぶ人も多いだろう。下げ局面で納得の行く売却をするには、まずは早く動くことが必要だ。なぜなら、中古マンションの価格は直近の価格と比較して動くからだ。今売却するのと、半年後に売却するのでは直近の取引価格は半年後の方が低いはずだ。

家を売ろうとする側が注意すべきは、高値を追っても実現せず、長期化すればするほど相場が下がっていくことだ。
ではどのように行動すべきかというと、現在の成約価格水準の1割増し程度の売出価格を設定し、指値が入っても成約価格水準を上回る水準を維持することだ。
具体的には、成約した物件の売出と成約の乖離幅は平均6%なので、この範囲の値引き程度で抑えて、成約価格水準の4%上を狙うことだ。このやり方を取らないと売れる確率は極端に低くなり、長く市場にさらされた物件ほどその後の客付きが悪くなるだけだ。今後1年で1割程度の価格下落を見込むなら、今成約する方が圧倒的に有利なことを肝に銘じよう。

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