千葉県千葉市美浜区の特徴
― ニッポンの自治体 ―
区内全域が埋め立てによる造成地で、計画的に建設した国際街区
千葉市美浜区は、千葉市6区を構成する行政区だ。国道14号南西側、海岸線まで区内全域が埋め立てによる造成地だ。計画的に街づくりが進められた結果、都市機能が充実した街区となっている。総面積は21.2平方キロメートル。千葉市内6区のなかで最も小さな面積だ。
海岸の浅瀬を埋め立てしてできた区域なので、極めて軟弱な地盤となっている。そのため強い地震に襲われると液状化現象や地盤沈下などが起こりやすい。区内の高層マンションや高層建築物は、地盤改良や支持層と呼ばれる硬い岩盤まで基礎の杭を打つなど対策がとられる。
千葉県・千葉市美浜区のマンション
2018年、千葉県・千葉市美浜区で販売された新築マンションは無かった。同区で販売した新築マンション相場価格は4177万円~4558万円だった。同区内の中古マンション相場価格は1890万円~3850万円だ。
2019年1月現在、千葉市美浜区の人口は、14万8430人。総世帯数は6万6524世帯だ。ちなみに千葉市6区合計の人口は97万49人。
幕張メッセを中核施設とする幕張新都心
美浜区を代表する街は、やはり幕張新都心だろう。すべて埋立地に誕生した、国際交流業務機能、中枢的業務機能、研究開発・学術・商業・文化機能、スポーツ・レクリエーション機能、幕張ベイタウンのような住宅機能などが一体的・計画的に集積した国際都市である。同街区を代表する国際展示場「幕張メッセ」は、バブル経済最終章である1989年に竣工、ここでは数多くのイベントが毎週のように開催され、日本を代表するコンベンションセンターとなっている。
先導的中核施設で、年間550万人の集客能力を持った幕張メッセをはじめ、千葉ロッテマリーンズの本拠地「ZOZOマリンスタジアム」や業務研究ビル、教育・研究施設や、ホテル・商業の誘致及び幕張ベイタウンでの住宅整備の推進などにより、「職・遊・学・住」の複合機能が集まり、就業者・居住者・就学者及び新都心への来訪者を合わせると現在日々約23万人の人々が活動する街区となっている。
白砂青松の復活を目指す造成された日本初の人工海浜「いなげの浜」
習志野市津田沼から千葉市中心部までの沿岸は、白砂青松で有名な美しい海岸線と干潟が続く19kmにおよぶ海岸線だった。その青松の林は、昔の海岸線である国道14号沿いに現在も広がる。
その干潟を利用して1912年(明治45年)に日本初の民間飛行場が開設された。そのため稲毛海岸は「民間航空発祥の地」とされ、稲岸公園に記念碑がある。また、稲毛海浜公園に建てられた稲毛民間航空記念館には、当時の複葉機である「鳳号」などが復元展示されている。
美浜区の名称を象徴するのは、日本初、そして最長の人口海浜として有名な「いなげの浜」だ。その「いなげの浜」は、埋め立て事業によって失われた旧稲毛海岸の砂浜の復活を目指して1975年2月から復元作業が進められ、1976年4月に完成した。「いなげの浜」は、稲毛海浜公園内にあり、千葉市唯一の海水浴場でもある。条件がよければ2月と10月には、ここからダイヤモンド富士を見ることができる。また、同園内にはヨットハーバーや三陽メディアフラワーミュージアムなどのレジャー施設も。1979年には「幕張の浜」、1988年には「検見川の浜」がオープン、海岸線の総延長は約4.3kmに達する。世界有数の人工海浜だ。
著:吉田 恒道(公開日:2019.12.26)