東京都八王子市の特徴
― ニッポンの自治体 ―
広大な面積の市域に20を超える大学が設置、全国屈指の学園・住宅都市
八王子市は、東京都心から西へ約40km、新宿から電車で約40分の距離に位置する。おおむね盆地状の地形で、東は関東平野に続き、北・西・南は海抜200メートルから800メートルほどの丘陵地帯に囲まれている。市の総面積は186.38平方キロメートルと広大で、面積においても奥多摩町に次ぐ2番目の広さである。
東京都・八王子市のマンション
2018年、東京都・八王子市で販売された新築マンションは748戸。同市で販売した新築マンション相場価格は3112万円~6165万円。同市内の中古マンション相場価格は1610万円~5810万円だった。
八王子市の2019年1月現在の人口は、56万2460人。総世帯数は26万7736世帯だ。人口の増加は2010年に55万人を突破して以降、横ばい状態となっている。そのため、八王子市の予想では2020年に人口がピークとなり、その後減少に転ずるとみている。
2015年(平成27年)4月に、東京都初の中核市となった。
東京市に次いで2番目に市制施行した「はちおうじ」は、いまや学園都市
八王子市は、中世から近世、近代に至るまで東西を走る甲州街道と川越・桐生・日光(千人同心街道)など関東北西部、小田原・鎌倉・横浜(浜街道)など南西部・南東部を結ぶ街道が交差する交通の要衝であり、江戸時代には甲州街道の宿場町として栄えた。
明治以降、東京府管轄だった1917年(大正6年)、東京市に次ぐ2番目の市として市制施行した。2017年(平成29年)に100年を迎えた。
首都大学東京(東京都立)や中央大学、多摩美術大学、帝京大学をはじめとした23の大学・短大・高専を抱え、外国人留学生約3100人を含む約11万人の学生が学ぶ、全国でも有数の学園都市として発展している。
2004年4月から、同市には市立の小学校・中学校に学校選択制度が導入された。小学校では指定校と隣接校から、中学校は市内全域のすべての学校から、通学する学校を選択することができる。
また、2008年から府中市、調布市、日野市、多摩市、稲城市と八王子市が「京王線沿線7市図書館連携」がスタートし私立図書館の相互利用が始まっている。
鉄道・道路交通網の要衝
前述したように八王子は旧くから道路交通網の要所で、現在でも甲州街道(国道20号)、横浜から川越に抜ける国道16号(東京環状)、青梅街道の交点であり、高速道路においても中央自動車道と首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の交点、八王子ジャンクションがある。鉄道網においてもJR八王子駅は、中央本線のほかJR八高線、JR横浜線が乗り入れ、京王電鉄の始発駅、八王子駅と高尾山口駅がある。
世界一の登山者数を誇る「高尾山」
なお高尾山はミシュランガイド三つ星を獲得した国際的な観光地であり、高尾山薬王寺の寺域だ。高尾山の標高は599m。都心から京王電鉄を使って高尾山口駅まで1時間ほどの交通アクセスの良さや、整備された登山道、ケーブルカーやリフトがあり、比較的簡便に登山が可能で、老若男女問わず登山者数が多い。年間の登山者数は約260万人を超え、世界一の登山者数を誇る。
整備された登山道はおおむね7通り。各種ルートを組み合わせて低山登山が楽しめる。なお、高尾山の標高は低いが登山口の標高も低いため、標高差は小さくはない。山頂までの所要時間は全行程徒歩で1時間半から2時間程度だ。
JR八王子南口駅前広場の拡幅整備より完成した高さ150m超41階建ての商業・業務・住宅・公共公益施設(オリンパスホール)で構成される複合ビル「サザンスカイタワー八王子」は、同市の新しいシンボルとも言えそうな施設だ。
著:吉田 恒道(公開日:2019.12.26)