神奈川県茅ヶ崎市の特徴
― ニッポンの自治体 ―
旧くから別荘地・保養地として知られる、湘南を代表する住宅都市
神奈川県茅ヶ崎市は、県の中南部に位置し、東京から西に50kmあまり、東は藤沢市、西は相模川をはさんで平塚市、南は海岸線約6kmにおよぶ相模湾、そして北は寒川町と接する。東西6.94km、南北7.60kmで、同市の総面積は35.76平方キロメートルである。
神奈川県・茅ヶ崎市のマンション
2018年、神奈川県・茅ヶ崎市で、昨年販売した新築マンションは31戸。その相場価格は4808万円~4877万円で、同市内の中古マンション相場価格は2030万円~4970万円だった。
2019年1月現在、神奈川県茅ヶ崎市の人口は、同市の発表によると24万3931人。総世帯数は10万6999世帯だ。横浜のベッドタウンとして人気の街で、人口は市制施行以来、一貫して増え続けている。
明治期から湘南エリアの別荘地、保養地として有名に
茅ヶ崎市の気候は総じて温暖であり、明治から昭和初期にかけては湘南エリアの別荘地、保養地として知られるようになった。こうした自然に恵まれた住みよい条件のなかで、1947年(昭和22年)10月、神奈川県8番目の市として市制を施行し、1955年(昭和30年)4月、旧小出村との分村合併で現在の市域となった。
その後、東京、横浜への交通の利便性や恵まれた自然環境を背景に急激な都市化が進み、戦後一貫して人口が増えている。東京や横浜のベッドタウンとして県下で7番目の20万都市となり、特例市に発展した。
茅ヶ崎は観光都市としての側面もあり、いわゆる“湘南海岸”の一翼を担い、夏には海水浴場「サザンビーチちがさき」がオープンし、大勢の海水浴客が訪れ、毎年8月には大規模な花火大会が行なわれる海浜だ。また、サーフィンなどのマリンスポーツは1年中盛んで、茅ヶ崎海岸の風物詩となっている。
また、2013年に柳島キャンプ場がリニューアルされ、アウトドアリゾートとしても海沿いの好立地をいかし活況を呈している。また、ここには、「茅産茅消」として地産地消型の食材が用意されている。
一方で急速な宅地開発で、第一次産業地、すなわち農地は平野部でほぼ姿を消した。茅ヶ崎市は2017年、市制施行70周年を迎える。
JR茅ヶ崎駅周辺を行政・商業の中核
市内には鉄道駅としてJR東日本東海道線「茅ケ崎駅」「北茅ケ崎駅」「香川駅」の合計3駅があり、茅ヶ崎駅はJR 相模線の始発駅でもある。JR東海道線を使うと東京駅まで約55分、湘南新宿ラインで新宿まで60分の距離。
茅ヶ崎市の核となるのは茅ケ崎駅周辺であり、行政、商業の中心地となっている。一方市内東部の市民は、隣接する藤沢市の辻堂駅を通勤通学で利用することも多い。そのため、辻堂駅再開発事業湘南C-Xには、駅西口を中心に茅ヶ崎市も一部財源を負担している。また湘南ライフタウン付近の住民は辻堂駅以外にも小田急江ノ島線湘南台駅の利用が便利で直通のバスも出ている。
一方、市内の道路は狭隘であり、東海道線で南北に分断され踏切が多い。国道134号、新湘南バイパス、言動46号相模原茅ヶ崎線をのぞいて道路事情は良くない。とくに行政・商業の中心地である茅ヶ崎駅の北側を走る国道1号線を筆頭に慢性的な渋滞が発生し、自動車での移動は時間が読めないのが現状だ。
茅ヶ崎の文化か、軽薄な行政手法か?「みちの愛称」
なお、茅ヶ崎市は「みちの愛称検討委員会」を職員と公募した市民で開き、道路愛称を街頭インタビューや公募などで決定し、2000年(平成12年)に国道1号の南側14路線、翌2001年には国道1号と新湘南バイパスの間10路線、2002年には新湘南バイパス北側の7路線の愛称が発表された。
このような「みちの愛称」を茅ヶ崎の文化とする住民がいる。一方で、かつて「東海岸通り」と呼んで親しまれていた道を加山雄三にちなむとして「雄三通り」と改称し、サザンオールスターズの人気にあやかろうとして「サザン通り」の名を採用した行政の姿勢に、抵抗感を示す住民もいる。
著:吉田 恒道(公開日:2019.12.26)