神奈川県大和市の特徴
― ニッポンの自治体 ―
鉄道・道路交通網に恵まれた緑豊かな林間住宅都市
神奈川県大和市は、同県のほぼ中央に位置し、横浜、相模原、藤沢、海老名、座間、綾瀬、東京都町田の各市に隣接する、人口約23万人の自治体だ。市域は南北に細長く、ほぼ平坦な地形である。
市域面積は小さく27.09平方キロメートルだが、都心から40km圏内にあり3本の鉄道が東西南北に走り、東京渋谷・新宿へ1時間弱、横浜へ約20分の距離だ。市内には小田急江ノ島線、東急田園都市線、相鉄本線の8つの駅があり、市域のほとんどから各駅まで15分以内の徒歩圏内にある。ただし、人口20万人以上の都市では稀な、JRの駅が立地していない街だ。神奈川県下では同市と厚木市だけとなる。
しかしながら、道路網も整備され、国道16号線、246号線及び467号線のほか県道4線が縦横に走り、東名高速道路・横浜町田インターチェンジにも近いなど、交通利便性が高いエリアとなっている。
神奈川県・大和市のマンション
2018年、神奈川県・大和市で販売された新築マンションは123戸で、相場価格は4244万円~4438万円。また、同市内の中古マンション相場価格は1680万円~4270万円だった。
大和市の2019年1月現在の人口は、23万7112人。総世帯数は11万1822世帯である。現在でも同市の人口は緩やかな増加傾向を示しているが、年齢別構成において、老年人口が漸増しており、高齢化の進行が今後も続くとみられている。
また、経済情勢の変化により工場や事業所閉鎖・移転の跡地に、高層マンションが建設される例が増えている。
1960年代からの高度成長期に人口が著しく増加した緑豊かな街
大和市域は1889年(明治22年)、全国的に実施された市町村制施行にともない下鶴間・上草柳・深見・下草柳で構成する「鶴見村」と上和田・下和田・福田・長後・高倉からなる「渋谷村」が誕生した。
1891年(明治24年)に「鶴見村」が「大和村」に改称。1956年(昭和31年)、「大和町」と「渋谷村」が合併し、1959年(昭和34年)に神奈川県下で14番目の市として「大和市」が誕生した。
大和市は、冒頭で述べたように本市は、東京・横浜の近郊に位置し、自動車交通、鉄道交通ともに至便であったため、1960年代から1980年代にかけての高度経済成長期に人口が著しく増加した。 市制施行当時の人口約4万人だった人口は、1992年には約5倍の20万人を突破した。その人口増加にともない宅地開発が進み、宅地面積が約4倍に増加した。いっぽうで、田・畑・山林の面積は大きく減少した。1960年の田・畑・山林の合計面積18.0平方キロメートルは、2005年に約4分の1の3.81平方キロメートルとなっている。
計画的に開発された林間都市・田園都市
現在、大和市都市計画マスタープランで設定している5つの地域は、以下のとおりで、「中央林間・つきみ野エリア」「南林間・鶴間エリア」の人口密度が市内でもっとも高い。林間都市・田園都市として開発され、ゆとりある低層の住宅地内に緑化された豊かな緑が多く残っている。
また、下鶴間には、JVCケンウッド・クリエイティブメディアの本社工場や三機工業大和事業所と技術研究所、三菱重工冷熱の大和工場、三井住友銀行大和電算センターなどが立地し、計画的に配置された企業の研究所や工場などの緑豊かな空間が広がる。
「大和・相模大塚エリア」は、開発が進んでいる大和駅周辺や鉄道沿線や幹線道路沿いで、商業施設の集積が進み、市内で最も緑が少ない地区だ。
「桜ヶ丘エリア」は、鉄道沿線や幹線道路沿いで、中高層住宅や商業施設が立地する。
「高座渋谷エリア」は、土地区画整理事業により形成された比較的新しい住宅地で、道路や公園がバランス良く配置されている地域だ。
著:吉田 恒道(公開日:2020.01.06)