京都府京都市西京区の特徴
― ニッポンの自治体 ―
桂川以西にあり、京都11区でもっとも新しい行政区「にしきょうく」
京都市西京区(にしきょうく)は、京都市の西南部に位置し、京都の西の玄関口としての役割を担っている。1976年(昭和51年)10月に桂川を境界線として右京区から分区して誕生した。山科区と同時に区制施行した、京都市でもっとも新しい自治区である。
桂川が区の東部をゆったりと流れ、西部には嵐山、小塩山などの西山連峰を有する、水と緑、そして自然が豊かな行政区だ。区域の東側は右京区、南区、西側は亀岡市、大阪府高槻市、南側は向日市、長岡京市、大阪府三島郡島本町と接する。2016年10月、区制施行40周年を迎えた。
桂川以西の西京区と、乙訓郡(向日市・長岡京市を含む)を合わせて、西ヶ岡あるいは西山と呼ばれる。
京都市・西京区のマンション
2018年に京都府・京都市西京区で昨年販売した新築マンションの価格相場は、5475万円で、中古マンション相場価格は2310万円~4690万円だった。
2019年1月現在、西京区の人口は、14万9958人。総世帯数は6万7523世帯である。面積は59.24平方キロメートル。
分区当時の西京区の人口は約9万人だったが、桂駅を中心とした市街化、洛西ニュータウンの建設、桂坂の住宅開発、桂川右岸における区画整理事業により、約15万人の住民が暮らす京都市内で4番目に人口の多い行政区となっている。
歴史遺産が数多く残る「西京樫原界隈景観整備地区」
同区には、嵐山の法輪寺や松尾大社、華厳寺(鈴虫寺)、西芳寺(苔寺)、西山山麓の勝持寺(花の寺)や大原野神社、善峯寺など、歴史ある寺社が数多く存在する。また、由緒ある社寺が多く残されているだけでなく、多くの文学作品の舞台として登場するため、歴史や文学の愛好家が多く訪れるエリアだ。
また、桂川沿いには江戸初期に造営された桂離宮があり、旧山陰街道沿いには「西京樫原界隈景観整備地区」に指定されている歴史的な街並みが広がる。
同区は街の活性化を図る目的で、洛西ふれあいの里などの福祉施設、文化スポーツの拠点となる西文化会館ウエスティ、桂川地域体育館など区民のさまざまな活動を支援する施設の整備し、街づくりを進めてきた。
都市基盤の整備と産学連携を推し進める行政区
また、桂川街道の開通や阪急洛西口駅の開設、隣接する南区におけるJR桂川駅の開設など、都市基盤の整備も進めてきた。現在も、阪急京都線連続立体交差化事業をはじめ、国道9号京都西立体交差事業や京都第二外環状道路の整備、善峰川や新川の改修事業を進めている。
また、京都大学桂キャンパス内にナノテクノロジーやバイオ技術などの研究について産学連携をより一層推進するための拠点となる、京都に本拠を置き日本を代表する半導体メーカーのローム記念館が平成17年5月にオープンした。同時に京大桂ベンチャープラザも整備され、最先端の研究の事業化を促進し、起業家の支援や産学共同研究の場となることを目指す「桂イノベーションパーク構想」の推進が図られた。
一方、同区では野菜づくりを中心とした都市型近郊農業も盛んで、全国的に有名な筍や富有柿のほか、茄子の収穫量も市内で最大となっている。また、大原野では花き団地を作り、花苗などの生産が行なわれている。
著:吉田 恒道(公開日:2019.12.26)