千葉県流山市の特徴
― ニッポンの自治体 ―
TX「つくばエクスプレス」が街の成長を牽引する住宅都市
流山市は千葉県の北西部に位置し、東は柏市、西は江戸川を隔てて埼玉県三郷市と吉川市、南は松戸市、北は野田市に接する。首都圏北東部にあたり、都心から25km圏に位置している。
同市は水と緑の豊かな自然が息づく住宅都市で、2005年(平成17年)8月に、東京都心との直結鉄道つくばエクスプレスが開業し、流山おおたかの森~秋葉原間を約25分で結んでいる。
同市総面積は35.32平方キロメートルで、県内では5番目に面積の小さい市である。市域は南北に長く、江戸川沿い及び市の南部は平坦な低地。市の中部や北部は、緩やかな高低差の台地となっており、ほぼ全域が住宅街や農地などになっている。
千葉県・流山市のマンション
2018年、千葉県・流山市で販売された新築マンションは102戸で、販売価格の相場は3530万円~4722万円。同市内の中古マンション相場価格は1470万円~4060万円。同市総面積は35.32平方キロメートルだ。
2019年1月現在、千葉県流山市の人口は、同市の発表によると19万534人、総世帯数は8万2646世帯。
かつて水運で栄えた街は、2005年のTX開業で急速に発展する
流山市域は、かつて利根川や江戸川を利用した水運で栄え、一時期葛飾県庁が置かれていた。1950年代以降、江戸川台や松ケ丘を中心に住宅開発が進み、市内各所が住宅街となる。1970年代までに流鉄流山線、東武アーバンパークライン(野田線)、JR武蔵野線が市内を走るものの、それぞれが接続しておらず市域が分断されていた。が、2005年のつくばエクスプレス(TX)の開通で問題が一挙に解消された。現在、流山おおたかの森駅周囲を市の中心拠点として整備が進められている。
同市は、1967年(昭和42年)、千葉県で20番目の市として誕生。2017年、市制施行50周年を迎え、1月29日には、文化会館で市制施行50周年記念式典を挙行するなど、さまざまな記念事業が実施されている。
子育て世代が急増する住宅都市
同市の大きな特徴は、子育て世代の人口が急増していること。同市HPのキャッチコピーは「都心から一番近い森のまち」「母になるなら流山市」となっているほど、子育て環境の良い自治体と高く評価される。全国的に注目されている「駅前送迎保育ステーション」は、流山おおたかの森駅、南流山駅から市内の認可保育所を結ぶバスを運行し、出勤時に子どもを預けて帰宅時に子どもを“駅で”迎えることができるサービスを実施している。
また、子育てしやすい住環境をつくるための「流山市・子育て応援マンション認定制度」があり、子育てに適した仕様のキッズルームや保育所を備えた集合住宅を市が認定し、子育てを支援している。
「つくばエクスプレス」が街を活性化させた
2005年、「つくばエクスプレス」の開業で流山市から東京都心へのアクセスは飛躍的に向上した。通勤時間には1時間に20本の電車が運行している。同エクスプレスの各駅のなかで秋葉原駅、北千住駅についで乗降客が多いのが、南流山、流山おおたかの森駅とされる。東武アーバンパークライン、JR武蔵野線との相互連絡で、新三郷や柏市など近隣へのショッピング街などにも縦横にアクセスできるようになった。
クルマでの移動もなかなか便利だ。常磐自動車道の流山インターチェンジから首都高速6号線、あるいは東京外環道を利用してレジャーなども便利だ。
流山市は自然環境も整った街だ。利根川と江戸川を結んでいる「利根運河」は、1890年(明治23年)にオランダ人牧師のムンデル氏の設計でつくられた運河だ。現在は、水辺公園として整備され。春は桜並木が、秋には曼珠沙華が咲き誇る、市民の憩いの場所となっている。2006年(平成18年)、「利根運河」は自然・文化・歴史が共存した景観が評価され、社団法人土木学会が「歴史土木遺産」に認定した。
著:吉田 恒道(公開日:2019.12.26)