京都府京都市北区の特徴
― ニッポンの自治体 ―
世界文化遺産に登録された上賀茂神社、金閣寺など観光資源に恵まれた街
京都市北区は 1955 年(昭和30年)に上京区から分区し誕生してから今日まで、京都市の北部の中心として発展してきた。
同区の面積は94.92平方キロメートルで、京都市全体の11.5%を占めている。市内自治区で右京区、左京区に次いで3番目に大きな行政区だ。 京都市の北西に位置し、東には賀茂川が流れ、北には北山の山なみが続き、西には衣笠山が広がり、美しく豊かな自然に囲まれている。南部は他区と一体となって市街地が形成されている。
京都府・京都市北区のマンション
2018年に京都府・京都市北区で販売された新築マンション数は不明。新築マンションの価格相場は、5275万円~5679万円で、中古マンション相場価格は2310万円~4690万円だった。
2019年1月現在、北区の人口は、11万853人。同区の人口は、1975年(昭和50年)約13万8000人をピークに、以降緩やかに減少。一方、世帯数は、1980年(昭和55年)から1990年(平成2年)にかけて5万1075世帯にまで減少したものの、その後は増加が続いており、現在の総世帯数は5万4192世帯である。
京都らしい特徴のある産業が盛んな行政区
同区は住宅地を中心とする地域だが、地域ごとに特色のある産業が盛んだ。同区の産業は大きく3つに分類できる。北山杉を代表とした林業が盛んな北部山間部。
すぐき菜、加茂ナス、柊野ささげ、鷹峯とうがらし、辛味大根などの伝統野菜は、いわゆる「京野菜」として全国的に支持されているブランド野菜だ。これらの栽培が盛んなのが、上賀茂、柊野、大宮、鷹峯地区だ。
そして南部では西陣織を中心とした繊維工業が盛んである。
学園都市として街づくり、歴史的景観の維持が進む
一方で、北区は大学の街でもある。大谷大学、京都産業大学、佛教大学、立命館大学が立地する「学生の街」だ。北区の街づくりを進めるに際して、次世代を担う若者が集い活気にあふれ、街づくりについて幅広い知見を有する大学との協働を大切にする行政区だ。大学との協働を進め、学生や大学と共に街づくりを進めている。
豊かな自然と長い歴史に培われた北区は、京都の伝統的な街並みと戦前から整備された整然とした区画に京都らしい落ち着きのある生活環境を備えている。区内には、その街並みが「伝統的建造物群保存地区」に指定されている上賀茂地区をはじめ、上賀茂・西賀茂、神山、金閣寺、衣笠・御室など「歴史的風土特別保存地区」がある。
伝統的建造物群保存地区には、文化財保護法に基づき、北区内で上賀茂地区が指定されている。伝統的な様式をもつ建造物(伝統的建造物)については、その様式に従って修理を行ない、保存を図る。一方、モルタル塗りやアルミサッシなどの現代化によって、伝統的な様式を失った建造物については、伝統的な様式に準じて、修景を図ることにより、地域の特色を守るとしている。
世界遺産をはじめとした日本を代表する神社仏閣、豊かな観光資源
また、世界遺産登録された賀茂別雷神社(上賀茂神社)、鹿苑寺(金閣寺)をはじめとした、南北朝時代に創建された禅宗寺院の名刹大徳寺や光悦寺、正伝寺など日本を代表する神社仏閣も数多く立地し、多くの美術・工芸品や名勝・史跡・庭園にも恵まれている。
同時に有名な祭事に、京都三大祭のひとつ「葵祭」、京都三大奇祭のひとつ今宮神社の「やすらい祭」などの伝統文化行事も数多くある。また8月16日に 京の夜空を彩る「五山の送り火」では、左大文字、船形万燈籠の二山が北区にあるなど、重要な観光資源が多数存在する。
同区内には北大路や北野白梅町などにある大型店舗だけではなく、地元に密着した多くの商店街があり、生活に便利な環境だとされる。
著:吉田 恒道(公開日:2019.12.26)