兵庫県川西市の特徴
― ニッポンの自治体 ―
豊かな自然、歴史遺産のある大坂・神戸のベッドタウンとして発展
兵庫県川西市は兵庫県の東南部に位置し、東は大阪府池田市と箕面市に、西は宝塚市と猪名川町、南は伊丹市、北は大阪府能勢町と豊能町に隣接している。東西方向は狭く、南北に細長い地形だ。北部は山岳地帯の一部は猪名川渓谷県立自然公園に指定されている。南部は平たんで、市の中心市街地は南部に形成される。
兵庫県・川西市のマンション
2018年に兵庫県・川西市で販売された中古マンション相場価格は1400万円~4340万円である。
2019年1月現在、同市の人口は15万8003人で、総世帯数は6万9763世帯である。面積は53.44平方キロメートルだ。
大坂・神戸への通勤圏、自然に恵まれた住宅都市として発展
1954年(昭和29年)8月、川西町、多田村、東谷村の1町2村が合併し、人口3万3741人の川西市として市制施行した。大阪都心や神戸を通勤圏とする自然環境に恵まれた住宅都市として発展した。市域南部では、後述する都市インフラの整備も着実に進み、都市機能や周辺地域の商業機能も高まっている。中部には閑静な住宅街が広がる。
一方、市の北部は山岳の起伏に富み、豊かな自然が残されており、その一部は猪名川渓谷県立自然公園に指定され、一庫ダム周辺に整備された県立一庫公園は多くの人でにぎわう。
清和源氏発祥の地として有名、歴史遺産の街
鎌倉幕府を開いた源頼朝など清和源氏発祥の地として有名な多田院として国の史跡として指定される多田神社がある。市域に居城を構えていた源満仲によって970年(天禄元年)、天台宗寺院として建立され、明治以前まで多田院と呼称する寺であった。が、明治に神仏分離で神社に転じた。多田神社は清和源氏の霊廟として、源満仲、源頼光、源頼信、源頼義、源義家を祀る。
源氏の流れを汲む、足利氏や徳川氏も多田神社を源氏霊廟と認めており、歴代将軍の遺骨を多田神社に分骨している。現在の社殿は、寛文年間に江戸幕府第4代将軍・徳川家綱が再建した建物である。
11世紀ごろから銀や銅の採掘が多田銀銅山で行なわれ、江戸時代に最盛期を迎えたとされる。
また、南部には弥生時代の暮らしを物語る加茂遺跡や栄根遺跡など数多くの旧跡が点在する。1994年(平成4年)5月に加茂遺跡で国内最古の方形区画に囲まれた大型建物が発見され、邪馬台国の謎を解く鍵として注目された。
大阪都心まで20分でアクセスできる住宅都市
市内では鉄道・道路・バス網が整備されており、市南部の中心地からは大阪都心まで20分圏内にある。現在、同市の中心となる鉄道駅は、市内を西から南へ走るJR福知山線の川西池田駅、ならびに阪急宝塚線・能勢電鉄の川西能勢口駅だ。川西能勢口周辺では、鉄道高架事業や市街地再開発事業が行なわれ、都市機能と周辺地域の商業機能強化が進められた。
ふたつの駅はベデストリアンデッキで結ばれていて、徒歩での移動も可能だ。
市中心部の川西池田・川西能勢口両駅を軸として、阪急宝塚本線は東西に、JR福知山線は南から西へと走る。なおJR福知山線・北伊丹駅北改札口は川西市、南改札口は伊丹市に属する。能勢電鉄は川西能勢口から北上し、市内を縦断する。
著:吉田 恒道(公開日:2020.01.06)