神奈川県川崎市多摩区の特徴
― ニッポンの自治体 ―
川崎市最北端の行政区は、東京都下多摩区の多摩区都民の街
川崎市多摩区は、細長い川崎市の最北端に位置し、新宿、渋谷など都心との交通網が発達している。そのためか川崎中心部との商業的なつながりは薄く、同区住民は、東京都下多摩区の多摩区都民とも呼べる存在だ。北は多摩川を境に東京都と接する。南には多摩丘陵が広がり、生田緑地は市民の憩いの場となっている。
神奈川県・川崎市多摩区のマンション
2018年、神奈川県・川崎市多摩区で販売された新築マンションは317戸。新築マンション相場価格は4118万円~4963万円だった。同区内の中古マンション相場価格は2380万円~5250万円である。
川崎市多摩区の2019年1月現在の人口は、20万9208人。総世帯数は10万7202世帯だった。2002年(平成14年)6月に、同区の人口が宮前区、中原区に続いて20万人を超えた。同区の総面積は20.39平方キロメートルである。
多摩区は、1972年(昭和47年)4月に川崎市が政令指定都市に移行したのを機に誕生した。1982年(昭和57年)7月には多摩区の北西部が麻生区として分区し、現在の多摩区となった。川崎市の政令指定都市移行に伴い、多摩区発足。政令都市化に伴い、稲田公民館、稲田図書館、稲田保健所、稲田警察署がそれぞれ多摩区役所・多摩区民館、多摩図書館、多摩保健所、多摩警察署に名称変更となった。
かつて多摩区は、「多摩川梨」の栽培で知られる農村地帯だったが、都心への交通手段などに恵まれ大規模な宅地開発などが進み、2002年(平成14年)2月に区内にあった「向ヶ丘遊園」が閉園となったものの、6月に区の人口が宮前区、中原区に続いて20万人を超えた。
魅力的なスポット、見どころが点在する「多摩区」
向ヶ丘遊園内にあったボーリング場跡地には、ドラえもんをはじめとするキャラに出会える話題のスポット「藤子・F・不二雄ミュージアム」が建設された。
同ミュージアムの設置者は川崎市だが、株式会社藤子ミュージアムおよび藤子プロを後援する小学館と小田急電鉄も一定の関わり合いがあるとしている。
同館の入館方法は、三鷹の森ジブリ美術館と同様の「事前予約制」としており、入館者数を1日あたり2000人に制限する。なお、一般枠のチケット販売はジブリ美術館と同じくローソンHMVエンタテイメントが独占しており、発券はローソンで行なっている。入場料は大人1000円、高校・中学生700円、子ども(4歳以上)500円。
多摩丘陵に位置する生田緑地には、約117ヘクタールの広大な緑の中に、世界的に有名な芸術家である岡本太郎の作品を収蔵した「岡本太郎美術館」などがある。また、東日本の代表的な古民家をあつめた「日本民家園」、世界最高水準のプラネタリウム、メガスター3フュージョンを備えた「かわさき宙と緑の科学館」、春と秋に開放される旧向ヶ丘遊園の「ばら苑」など、見どころが多い。
区内には専修大学、明治大学、日本女子大学の3つの大学キャンパスが立地し、約2万6000人の学生が集う学園都市・若者の街という顔もある。
川崎市では、登戸・向ヶ丘遊園駅周辺地区を地域生活拠点と位置付け、登戸土地区画整理事業の推進などにより安全で快適なまちづくりを進めている。平成18年には、聖マリアンナ医科大学が指定管理する川崎市立多摩病院が完成。同時に、登戸駅ペデストリアンデッキ、南北自由通路の整備事業が完了し、登戸行政サービスコーナーがオープンするなど、生活しやすい環境づくりを推し進めている。
著:吉田 恒道(公開日:2019.12.26)