神奈川県逗子市の特徴
― ニッポンの自治体 ―
神奈川県でもっともコンパクトな住宅都市、古都保存法指定・観光都市
神奈川県逗子市は、神奈川県の東部、三浦半島の付け根に位置し、鎌倉市、横浜市、横須賀市、葉山町と境を接する。北、東、南の三方を緑豊かな丘陵に囲まれ、西は海に向かって開けた街だ。
面積が17.28平方キロメートルと、県内の市でもっともコンパクトな市域に、JR横須賀線の駅が2駅、京浜急行線の駅もふたつある。三浦半島を縦断する横浜横須賀道路・逗子インターチェンジがある。
東京都心まで電車で約1時間弱のアクセスと利便性が高いにもかかわらず、自然環境が豊かで、海と山が身近に感じられるエリアだ。
温暖な気候に加え、風光明媚な土地であり、明治期から東京の裕福層の別荘地として栄え、現在も豊かな自然に囲まれた静かな住宅都市として発展する。
神奈川県・逗子市のマンション
2018年、神奈川県・逗子市で販売された新築マンションは48戸。また、同市内の中古マンション相場価格は1960万円~5530万円だった。
逗子市の2019年1月現在の人口は、5万9573人。総世帯数は2万7287世帯である。
歴史的風土地区の指定、地区内の開発規制によって守られる古都
神奈川県逗子市は、隣の鎌倉市とともに「古都保存法」の指定都市となっている。正式名称「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」とは、歴史的風土地区の指定、地区内の開発規制、その土地の所有者への補償について規定した法律である。
逗子市には数多くの歴史遺産や文化財が残されており、池子の東昌寺境内に祀られている五輪塔や鎌倉市とつながる名越切通、長柄桜山古墳群など、市内の「指定文化財」は31件、「周知の埋蔵文化財包蔵地(遺跡)」は143カ所にのぼる。
鉄道2路線の開業で発達した高級住宅地がある住宅都市
東京や横浜のベッドタウンであり、高級マンションとして人気のリゾートマンション「逗子マリーナ」、1965年に造成が開始され「逗子披露山シーサイドコート」などが建つ披露山庭園住宅など新興の高級住宅街が見られる。また鎌倉・葉山などとともに海水浴場「逗子海岸」などを擁する湘南エリアの観光都市でもある。
また、住宅都市としても渋谷や新宿に通勤通学するなら、乗り換えもなく、1時間ほどで到着できる。品川や東京駅方面に向かう際にも同じように乗り換えなしで向かうことが可能だ。大きなポイントは、JR湘南新宿ラインの始発駅であるというメリットを最大限活かせるからで、ゆっくり座席に腰掛けて目的地まで向かうことができる。また、同ラインにはグリーン車が連結されており、経済的にゆとりある乗客利用が多いことが分かる。
1889年(明治22年)に官設鉄道(現JR横須賀線)が開通し逗子駅が開設され、次いで1913年(大正2年)、田越村が町制施行し逗子町となり、以降発展する。1930年(昭和5年)には、湘南電気鉄道(京浜急行電鉄)が開通し、湘南逗子駅(新逗子駅)が開業。1952年(昭和27年)4月、 横須賀線・東逗子駅開業。1954年(昭和29年)に市制施行し逗子市となった。
逗子という地名は、もとは現在の逗子駅南側一帯の町丁(1889年までの逗子村)の名称で、これが横須賀線の駅名に採用され、さらに逗子村を含む7村が合併した田越村が町制に移行するにあたり、町名に採用された地名だ。
著:吉田 恒道(公開日:2020.01.06)