埼玉県春日部市の特徴
― ニッポンの自治体 ―
「クレヨンしんちゃん」が住民登録する埼玉東部の中心都市
埼玉県春日部市は、東京都心から35km圏にあり、関東平野のほぼ中央、埼玉県の東部に位置する。市域は南北約12km、東西約11kmで、総面積は66.00平方キロメートルだ。埼玉県で14番目の面積の自治体である。
埼玉県・春日部市のマンション
2018年、埼玉県・春日部市で販売された新築マンションは23戸で、相場価格は不明。同市で昨年販売した中古マンション相場価格は1540万円~3220万円だった。
2019年1月現在、埼玉県春日部市の人口は、同市発表によると23万4598人。総世帯数は10万5575世帯だ。人口は埼玉県で7番目となっているが、県内の人口減少を上回るスピードで減少している。
江戸時代、日光街道の宿場町として栄えた埼玉東部の中心都市
旧春日部は江戸時代、日光街道の宿場として栄え、明治以降、廃藩置県や町村合併を経て、1954年(昭和29年)7月に春日部町、豊春村、武里村、 幸松村、豊野村の1町4カ村が合併し、春日部市が誕生。1970年代から人口が急増し、埼玉県東部の中心都市として発展をしてきた。
旧庄和町は、埼玉県の東端に位置し、江戸川と中川に挟まれ、東武野田線南桜井駅 を中心として市街地が形成されており、市街地周辺には広大な水田が広がる水と緑の調和した街で、かつては江戸川の水運で栄えた。
現在の春日部市は、旧春日部市と庄和町が2004年(平成16年)11月に、両自治体が合併協議会を設置し、合併に関する協議を進めて検討。合併協定書がまとめられ、2005年(平成17年) 3月7日に埼玉県知事に廃置分合の申請を行ない、埼玉県議会の議決を経て、2005年10月1日、新しい春日部市が誕生し、2008年に特例市に移行した。2017年、新しい春日部市が誕生し10年を迎えた。
春日部という地名は、鎌倉時代に当該地域を治めていた武家・春日部氏にちなむ。
ただ、春日部という地名自体は、春日部氏登場以前から存在した。また、1944年(昭和19年)、埼玉郡内牧村と合併するまで“粕壁”と表記しており、現在でも春日部市内には市名と同音異字の“粕壁”という名称の地域が残る。
「クレヨンしんちゃん」の舞台として有名
春日部は「クレヨンしんちゃん」の舞台として有名だ。市制50周年の記念事業として2004年に、野原家の家族は特別市民という形で、春日部市に住民登録がなされており、春日部市役所でその住民票の写しを購入することができる。また、東武スカイツリーライン・東武野田線が交わる春日部駅から出てすぐのショッピングモール「ララガーデン春日部」には、「クレヨンしんちゃん」をモチーフとしたアミューズメントコーナーがある。
同市は全体的に平坦な地形であり、同市の中央には大落古利根川、東端には江戸川が流れ、肥沃な土壌と豊かな水利による大穀倉地帯となっている。道路交通網は、南北方面に国道4号バイパスが縦断し、東西方面に国道16号が横断しており、庄和インターチェンジで交差している。
鉄道網として、東武スカイツリーラインと東武野田線の2本の東武鉄道線が春日部駅で交わる。が、同駅には自由通路がないため西口と東口は分断されている。同様に道路も鉄道によって分断され、早期の高架化が望まれるが、実現の目途は立っていない。
なお、人口20万人以上の県内自治体で、「私鉄の駅だけで、JRの駅がない」、かつ「JRの鉄道路線」が通っていない市は、春日部市のほか草加市だけだ。
著:吉田 恒道(公開日:2019.12.26)