埼玉県さいたま市北区の特徴
― ニッポンの自治体 ―
さいたま市の副都心、同時に自然が保全された広大な緑地のある行政区
さいたま市北区は、同市北部に位置する行政区で旧大宮市域。大宮台地上にあり、標高は7mから19.6mの比較的平坦な地区である。江戸時代の中山道大宮宿から上尾宿にいたるエリアだ。総面積は16.86平方キロメートルである。
埼玉県・さいたま市北区のマンション
2018年、埼玉県・さいたま市北区で販売された新築マンションは222戸で、相場価格は不明。同区内の中古マンション相場価格は1820万円~3640万円。
2019年1月現在、さいたま市北区の人口は、北区の発表によると14万7010人。総世帯数は6万7040世帯だ。
さいたま市北区は、国道17号、国道16号東大宮バイパス、産業道路などの広域幹線道路網が整備され、大宮駅から放射状に延びるJR高崎線、宇都宮線、川越線、東武野田線などの鉄道路線も充実しており、交通の利便性が高い地域だ。
さいたま市副都心機能が同区北部に立地
さいたま市北区東部は、芝川を境に見沼区、西部は、鴨川を境に西区、南部は、大宮区、北部は上尾市と接する。区内は、耕地整理や土地区画整理により、道路や公園、公共下水道など生活基盤の整った良好な住宅地として、市街地が形成されている。
同区の日進、宮原地区は、さいたま市本市の副都心のひとつに位置づけられ、都市公園、住宅、事業所、商業施設のほか、区役所、図書館、ホールなどが集中する。
戦前には中島飛行機制作所であり、1931年(昭和6年)から1938年(昭和13年)まで大宮競馬場だった跡地には、2008年(平成20年)に地域の活性化や地域づくりを支援するための複合施設であるプラザノースが建設され、生活交流拠点となっている。
同地域に、「カルソニックカンセイ」本社やファッションセンター「しまむら」などの本社がある。区内には陸上自衛隊大宮駐屯地があり、同じく陸上自衛隊化学学校が併設されている。
北部には大宮総合食品卸売市場や吉野原工業団地があり、生産・物流の拠点ともなっている。
自然環境保全地域「見沼グリーンセンター」「市民の森」
北区の「見沼グリーンセンター」「市民の森」を核としたエリアは、自然が保全された広大な緑地だ。1960年代から、埼玉県は積極的に見沼田圃の保全に向けた施策を打ち出し、「見沼田圃農地転用方針」(通称「見沼三原則」)を制定した。
この結果、見沼地区の農地転用は制限され、原則として開発行為が不可能となった。1969年、「見沼田圃の取扱いについて」(見沼三原則補足)を制定。1995年、県は「見沼三原則」「見沼三原則補足」に代わる新たな土地利用の基準として「見沼田圃の保全・活用・創造の基本方針」を策定した。これ以後、現在まで、急速な都市化の波が押し寄せたにもかかわらず、首都圏最大と言われる緑地帯を保っている。
現在も見沼全体としては一部市街化、公園化しているが、ほぼ原型を保っている。さいたま市は今後見沼セントラルパーク構想に基づき、見沼に100ヘクタール規模の広大な公園緑地帯を創出させる計画としており、見沼田圃公有地化推進事業を実施し、公園化を促進している。
著:吉田 恒道(公開日:2019.12.26)