埼玉県飯能市の特徴
― ニッポンの自治体 ―
かつて、林業と織物で栄えた街は、「森林文化都市」を標榜する住宅都市
飯能市は、埼玉県の南西部に位置し、東は狭山市と入間市、南は東京都青梅市と奥多摩町、西は秩父市と横瀬町、北はときがわ町、越生町、毛呂山町、日高市に接する。
地形は山地、丘陵地、台地に分けられ、北西部は山地で、市域の約76パーセントを森林が占める。南東部は丘陵地および台地で、北の高麗丘陵と南の加治丘陵の間の台地部分に市街地が発達する。さらに、入間川、高麗川の一級河川が、西部山地から東部台地へと流れる。 気候は、太平洋側の内陸型気候だが、山間部は季節による気温の変化が激しく、降水量は埼玉県内で多い地域である。
埼玉県・飯能市のマンション
2018年、埼玉県・飯能市で販売された中古マンション相場価格は1750万円~2380万円だった。
2019年1月現在、埼玉県飯能市の人口は、同市の発表によると7万9708人。そのうち外国人は923人。総世帯数は3万4869世帯だ。
飯能市は、1954年(昭和29年)に県下9番目の市として市制を施行した。同地域はかつて、林業と織物の街として栄えた。1960年代後半からは宅地化が進み、高校や大学、工場などが進出。首都圏の近郊住宅都市として発展する。2005年(平成17年)に、旧名栗村を編入、193.05平方キロメートルと、県内3番目という広大な面積を持つ自治体となった。
豊かな森林と人とが共生する「森林文化都市」
東京都心から約50km圏内に位置し、交通アクセスも良好な環境にありながら、緑と清流という自然に恵まれた飯能市は、古くから豊かな森林と人との共生によって、人々の暮らしや文化・歴史、産業が育まれてきた。こうしたことを背景に、2005年4月1日に「森林文化都市」宣言し、自然と都市機能が調和した、暮らしやすい街を目指し環境づくりが進められている。
こうした街づくりの一環として、飯能市は「企業版ふるさと納税」を実施している。これは、企業が自治体に寄附をすると、税負担が軽減される制度。正式な名称は「地方創生応援税制」といい、自治体が実施する地方創生事業に企業が寄附をすると、従来の税軽減効果に加え、さらに寄附額の約3割が税額控除される仕組みだ。自治体が企業から寄附を募るためには、地域再生計画を策定し、国の認定を受ける必要があり、東京近郊でふたつのプロジェクトが認定された自治体は飯能市だけだ。
「メッツァビレッジ」と「ムーミンバレーパーク」間もなく開業
具体的な施策も動き始めた。2015年(平成27年)6月30日に飯能市とフィンテックグローバル株式会社は、飯能市の地方創生について相互に連携協力することを定めた「地方創生に関する基本協定」を締結した
フィンテック社および株式会社ムーミン物語は、「北欧時間が流れる森と湖での体験を通じて、こころの豊かさの本質に気づき、日常生活へと持ち帰れる場所」を目指した「メッツァ」を、飯能市の宮沢湖を中心としたエリアに開業することを発表した。
メッツァには、グランピングや地元野菜のマーケット、北欧のライフスタイルが体験できる「メッツァビレッジ」を2018年秋に開業する。同時にムーミンの物語を主題とした、ムーミン一家が暮らすムーミン屋敷やムーミンたちと物語を追体験できるアトラクションが展開される「ムーミンバレーパーク」が2019年春にグランドオープンする。「メッツァ」は、この ふたつのゾーンから構成される予定だ。
飯能市へのアクセスは、西武池袋線・特急電車を利用して池袋駅から約40分。JR八高線の八王子駅から約34分 、JR埼京線を利用して大宮駅から川越を経由して約50分である。
著:吉田 恒道(公開日:2020.01.06)