埼玉県加須市の特徴
― ニッポンの自治体 ―
埼玉県内で最大の穀倉地帯と都市機能が集積する市街地が融合した街
埼玉県加須市は、(かぞし)は、都心からおおむね50km圏にあり、埼玉県の東北部に位置し、群馬県、栃木県及び茨城県に接している。地勢的には関東平野のほぼ中央部を流れる利根川中流域にあり、利根川が運んだ土砂の堆積により形成されたという平坦地だ。面積が133.30平方キロメートルの水と緑あふれる農村地域と、都市機能が集積する市街地との調和が、加須市の特徴だ。
埼玉県・加須市のマンション
2018年、埼玉県・加須市で販売された中古マンション相場価格は1960万円だった。
2019年1月現在、埼玉県加須市の人口は11万3321人。総世帯数は4万6780世帯だ。
市町村合併を繰り返して発展してきた自治体
1953年(昭和28年3)、国により町村合併促進法が制定され、翌年の1954年(昭和29年)に加須町、不動岡町、三俣村、礼羽村、大桑村、水深村、樋遣川村、志多見村の2町6村の合併案が出された。
関係2町6村議会代表者など30余名による検討の結果、新しい加須市が誕生した。大越村は、1957年(昭和32年)に編入して旧加須市の市域ができあがった。
現在の加須市は2010年(平成22年)3月23日に、旧加須市・旧騎西町・旧北川辺町・旧大利根町の1市3町が合併して誕生した。
鉄道は、東武鉄道2路線が市内を走っていて東武伊勢崎線「加須駅」と「花崎駅」、東武日光線[新古河駅]と「柳生駅」の4駅がある。また、JR宇都宮線・東武日光線の「栗橋駅」に近接している。都心からのアクセスは、JR宇都宮線上野駅から久喜駅乗り換えで東武伊勢崎線加須駅まで約70分。東武伊勢崎線浅草駅から加須駅まで約70分である。
主要な幹線道路は、東北自動車道と国道122号が南北方向に、国道125号と国道354号が東西方向に走り、東で国道4号に近接している。
利根川に育まれた肥沃な土地に広がる田園風景
市内には利根川に育まれた肥沃な土地と、豊かな水を利用した昔ながらの田園風景が広がる。また、2012年にラムサール条約湿地に登録され、多数の動植物が生息する面積3300ヘクタールの広大な遊水地「渡良瀬遊水地」や全国「水の郷百選」に選ばれた「浮野の里」など、豊かな自然が市域のバックグラウンドに存在する。
一方、市街地には関東三大不動尊のひとつにも数えられる「不動ヶ岡不動尊總願寺」のほか、国の重要無形文化財に指定されている玉敷神社の神楽、加須のわら細工など、過去の歴史を現在に伝える数多くの有形、無形の文化財が存在している。
加須市は、埼玉県内有数の米どころで、なかでも北川辺地域は県内一の米作地域だ。また、二毛作で栽培される小麦も県内トップクラスの作付面積。
この小麦を使った加須うどん(かぞうどん)が有名で、加須市のソウルフードともいわれる。
うどん店は加須市内には約50~60軒あり、うち20店が「加須手打うどん会」に参加している。町おこしの一環として市役所なども取り組みを強化しており、6月25日を「加須市うどんの日」と定める条例を2013年に制定した。
著:吉田 恒道(公開日:2020.01.06)