千葉県千葉市花見川区の特徴
― ニッポンの自治体 ―
JR幕張本郷駅周辺は幕張新都心の玄関口、発展をつづける区の象徴
千葉市花見川区は、同市北西部に位置し、北部は八千代市、北東部は佐倉市および四街道市、西部は習志野市に隣接する。区域は南北に長く、その中央を区名の由来となっている区のシンボルでもある「花見川」が北部から南部へと流れ、流域は豊かな河川空間が広がる。 同区の面積は34.24平方キロメートルである。
千葉市・花見川区のマンション
2018年、千葉県・千葉市花見川区で販売された新築マンションは108戸で、相場価格は3963万円。中古マンション相場価格は1470万円~3500万円だった。
2019年1月現在、花見川区の人口は、17万6723人。総世帯数は8万3692世帯。花見川区の人口は、すでに2010年(平成22年)の18万225人をピークに減少に転じており、今後も減少傾向が続くと考えられる。高齢化傾向も急速に高まっており、20年前には、9.3%とわずかながら千葉市全体の9.7%を下回っていた高齢化率は、現在、千葉市全体の24.5%に対し、26.2%となっている。
今後も高齢化は進むと予測され、現時点で年齢構成比の高い40歳代が65歳を迎える2040年に高齢化が一気に高まり、高齢化率44.4%に達すると推測されている。
区域の5割が市街化調整区域で農地と山林で占める
同市域は旧千葉郡検見川町、幕張町、犢橋村の合併で生まれた。そのため、現在でも市街地が検見川、幕張、花見川団地(旧犢橋村)の3地域に分散している
同区内は市街化区域と市街化調整区域が混在しており、区域の約5割を占める市街化調整区域の大部分は農地、山林などで、古くからの集落もある。
花見川沿いには、野菜を中心とした都市型農業の営まれる農地や豊かな緑が残されており、千葉市の近郊農業として重要な役割を担う。また、桜並木が点在し、美しい河川景観をつくりあげている。
区の北部に大規模な住宅団地が建設、一方で工業も盛んなエリア
区の北部から南部にかけては、み春野団地、こてはし台団地、花見川団地、西小中台団地などの大規模な住宅団地が造成されている。一方、千種町には千葉鉄工業団地が建設され、農業、商業に加え、工業も盛んな自治区だ。
同市内の生活圏は大きく南と北で分かれており、鉄道の利用も南はJR中央総武線、京成千葉線。北は京成本線が走る。
また、道路交通網においては、高速交通網の結節点となる京葉道路の幕張ICや武石ICがあるほか、国道14号、 16号、357号、主要地方道の千葉鎌ヶ谷松戸線、長沼船橋線、穴川天戸線などが主要道路として利用されている。
また、南部にはJR総武線や京成線が通り、JR新検見川駅・幕張駅周辺には商業施設の集積が見られる。また、JR幕張本郷駅周辺は幕張新都心の玄関口として発展をつづけている。
区内の遺跡から出土した古代ハス「大賀ハス」発祥の地
同区は千葉県天然記念物、千葉市の花でもある古代ハス「大賀ハス」発祥の地でもある。「大賀ハス」は、1951年(昭和26年)、千葉市検見川の東京大学検見川厚生農場(現在の東京大学総合運動場)の落合遺跡で発掘された、2000年以上前の古代ハスの実から発芽・開花させたハスの花だ。発掘された3粒の古代ハスの実を発芽育成させた植物学者・大賀一郎博士の名をとって「大賀ハス」と名づけられた。今では日本国内はもとより、世界各地に植栽されている。花期は7月~8月。夏の早朝に開花し、正午ごろ閉じる。
著:吉田 恒道(公開日:2019.12.26)