神奈川県三浦郡葉山町の特徴
― ニッポンの自治体 ―
海と丘陵で形成され高額納税者が多く住まう、御用邸がある保養と観光の街
神奈川県葉山町は、三浦半島の西北部に位置し、北は逗子市、東部、南部は横須賀市に接し、西は相模湾に面する。面積は17.04平方キロメートルで東西にやや長く、西半部は、市街化が進む。町内には、森戸川、下山川がともに西に流れ、相模湾に注ぐ。
相模湾に面し、遠く富士山や箱根の山々 を眺望できる美しい海岸とその背後にある緑豊かな丘陵の街だ。
神奈川県三浦郡葉山町は、現在、神奈川三浦郡に所属する唯一の自治体である。
神奈川県・三浦郡葉山町のマンション
2018年、神奈川県・三浦郡葉山町で販売された中古マンションの相場価格は2520万円~5320万円。三浦郡葉山町の2019年1月現在の人口は、3万3194人。総世帯数は1万4427世帯である。
葉山町は、東京から50km圏に位置しており、町内には鉄道駅がなく、葉山町への交通アクセス手段は、JR横須賀線・逗子駅、京浜急行線・新逗子駅からのバス路線だけだ。約20系統のバス路線があり、一部はJR横須賀線・衣笠駅に連絡する。東京駅からおおむね80分、横浜駅から約45分の距離。加えて、時間帯によっては横浜・葉山間にバスが運行されている。自動車でアクセスするには、横浜横須賀道路・逗子ICまたは横須賀IC、一般道は国道16号・134号を利用する。
日本ヨット発祥の地「はやま」は、「保養と観光の街」
葉山町は、1889年(明治22年)の全国町村制実施によって木古庭、上山口、下山口、一色、堀内、長柄の6ヶ村が合併して葉山村となる。村の誕生と同じ年に横須賀線が開通し、文人・名士の別荘が続々と建てられ、さらに明治27年には葉山御用邸が竣工し名実ともに別荘地葉山となった。
1925年(大正14年)に町制を施行した。
葉山海岸は、森戸海岸、芝崎、一色海岸、小磯、長者ヶ崎海岸という砂浜と岩礁が交互に連なっている南北4kmにおよぶ美しい海岸線で、1996年(平成8年)には「日本の渚・百選」に選ばれた。 森戸、一色、大浜・長者ヶ崎の3つの海水浴場や葉山港などの港湾設備も整備されていて、有名なマンションを含むリゾート施設「葉山マリーナ」などがあり、海水浴や磯遊び、ヨットやボート、ウィンドサーフィンなどのマリンスポーツができるスポットとして広く親しまれている。明治初期には、日本人が最初に作ったヨットで楽しんだといわれており、日本ヨット発祥の地としても知られる。
研究学術住宅地「湘南国際村」
葉山町と横須賀市の境界またがる格好で広がる三浦丘陵で山林を切り開いて造成され、開発された多目的区画地域「湘南国際村」がある。
公式ホームページでは、国際的視野に立脚した「学術研究」「人材育成」「技術交流」「文化交流」という相互に関わりの深い機能を集積した「21世紀の緑陰滞在型の国際交流拠点」と名乗っている。
域内は、居住エリア、公共施設エリア、研究・開発施設エリア、サービス施設エリアに分かれており、湘南国際村センターなどの宿泊研修所、国立大学法人総合研究大学院大学、公益財団法人地球環境戦略研究機関などの研究所が立地する。
葉山町は課税所得額が全国12位(2012年度)という結果があり、高額納税者が非常に多い。行政の一般会計収入は、2012 年度決算で町税が全体の 59%を占めている。さらに、個人町民税、固定資産税、都市計画税だけで、その内の 95.1%を占めている。法人町民税は 2.1%しかない。つまり、高額納税の多くが個人によるもので、いわゆるお金持ちの住民が多い地域といえる。しかし、このような裕福な税収があるにもかかわらず、葉山町には総合体育館や町民プールのような公立の余暇施設が少ない。
著:吉田 恒道(公開日:2020.01.06)