大阪府摂津市の特徴
― ニッポンの自治体 ―
旧くは大阪と京都を結ぶ交通の要衝、幾度かの市域変遷で誕生した自治体
大阪府摂津市は大阪平野の北部に位置し、市域は東西6km、南北4.5kmの大阪府下でも比較的小さな面積の自治体だ。市内には淀川、神崎川、安威川、山田川、正雀川の5つの河川が流れ、旧くから大阪と京都を結ぶ水陸交通の要衝として重要な地域だった。大阪都心部から約12km圏にあり、大阪市やその衛星都市と幹線道路や鉄道で結ばれている。
大阪府・摂津市のマンション
2018年に大阪府・摂津市で販売された新築マンションは142戸。同市で販売した新築マンションの相場価格は3274万円~4784万円で、中古マンション相場価格は1890万円~3430万円である。
大阪府摂津市の人口は、2019年1月現在、8万5855人で、総世帯数は4万543世帯だった。そのうち外国人登録者は1361人である。
戦後の昭和、市域再編成など大きな変遷を経て誕生した摂津市
大阪府摂津市は、淀川右岸にあり、市の北を阪急京都線、JR東海道本線(京都線)が東西に走る。また、市の中央部を大阪モノレールが南北に走る。中心となる鉄道駅は、JR東海道本線の千里丘駅だ。が、同駅は吹田市や茨木市との市境にあり、両市からの利用者も多い。また、阪急の摂津市駅は、千里丘駅に近接し、正雀駅は市域西部に吹田市との市境に跨っているため、市域よって、JRや阪急の路線を近隣他市の駅から利用する乗客も少なくない。
摂津の市域は戦後・昭和に大きな変遷があった。1956年(昭和31年)、摂津市域で味舌町、味生村、鳥飼村が合併して三島町が誕生した。当時の人口は1万7000人あまりだった。その後、三宅村の一部を編入、吹田市と市域入れ替えなどを経て、1966年(昭和41年)に摂津市として市制移行した。市域は非常にコンパクトで、現在の市域面積は14.87平方キロメートルである。
鉄道ファン垂涎の、「鳥飼車両基地」がある街
摂津市は大阪府下の市として際立った特徴がない自治体だが、市内安威川南町には鉄道ファンに熱烈に支持されている「新幹線公園」や「鳥飼車両基地」がある。なかでも「鳥飼車両基地」は大阪仕業検査車両所、大阪修繕車両所など4つの大規模な車両検査・修繕基地の総称であり、JR東海に所属する東海道・山陽新幹線の車両基地および車両工場群である。
その規模は壮大で甲子園球場の9倍ともいわれ、東西約2km、南北約230mで、面積37万平方メートルという面積をもつ。大柄な新幹線車両を約680両収容する。東海道新幹線下りの基地として、東京方面からやってきた車両の整備・点検を行なう。
東海道山陽新幹線を走るほぼすべての車両が見られる、鉄道(新幹線)ファンには貴重なスポット。大阪一の幹線道路である中央環状線に面しており、一般の人の目に留まることも多いせいか、休日ともなると、鉄道ファンのみならず、幼い子供を連れた家族連れなどが集まる。
また「新幹線公園」には、1969年に製造された当時の新幹線0系車両(総走行距離532万kmで1984年に退役)と国鉄EF型電気機関車が展示されている。中央環状線から当公園までの約400mの安威川堤防沿いには桜が植えられており、開花時期には桜のトンネルとなるため多くの花見客で賑う。
著:吉田 恒道(公開日:2020.01.06)