逆風のコロナ禍でも高まる外国人管理人への期待
昨年に続きマンション管理業務の委任意向は上昇し、技能実習生の受け入れ再開は追い風に
目次
要旨
- 一昨年と比較して全項目でDI値が大幅に上昇、外国人管理員への管理業務の委任意向が高まる
- 「清掃業務」と「サービス取次ぎ」、「外国人労働者への期待度」ではDIが30を超える
- 依然としてコミュニケーションの不安が拭えず、相談業務の委任には未だ日本人を求める傾向
- 原則停止していた外国人技能実習生らの入国も条件付きで再開、今後のマンション管理業務での活躍にも期待が高まる
調査概要
分譲マンション購入・売却検討者27万人を有するマンションのセカンドオピニオンサイト「住まいサーフィン」(https://www.sumai-surfin.com/)は、マンション居住者に対し、外国人管理員に対する意識調査を行いました。「住まいサーフィン」は不動産ビッグデータを活用しコンサルティングを行う、スタイルアクト株式会社(東京都中央区・代表取締役:沖有人)が運営しています。
今回の調査では、「外国人管理員への“マンション管理業務”に対する委任意向」、「外国人管理員とのコミュニケーション」、「外国人管理員への“個別業務”に対する委任意向」について聞きました。本調査は、2018年から実施しており、今回で4年目となります。
- 実施時期
- 2021年6月25日~7月31日(インターネット調査、郵送調査)
- 調査対象者
- 「お住まいの分譲マンションに関する調査」の回答者
- 有効回答数
- 2147
調査結果
分析結果から、コロナ前の一昨年と比較してすべての項目で外国人への委任度が大きく上昇していることが分かりました。委任意向は年々著しく上昇しており、「共有部の清掃業務」や「受付でのサービス取次」、「外国人労働者への期待度」ではDI(※)が30を超えました。昨年度よりも外国人労働者への期待度は大きくなっているものの、言語や文化が異なることからコミュニケーションに不安を感じている人は一定数おり、特に相談業務では依然として日本人への委任志向が強く表れました。
出生率の低下や人手不足の影響により、政府が外国人労働者の受け入れ拡大を進めています。コロナウイルスの流行により、長らく原則停止していた外国人技能実習生らの入国も条件付きで先日から開始しました。本調査の結果ならびに2021年10月20日当社リリースの「第4回 マンション管理業務のAI・ロボットへの意向調査」でもAI・ロボットへの委任意向においても一昨年と比較して大幅な増加が見受けられることから、マンションでの暮らしの中でAI・ロボットや外国人労働者が欠かせない労働者になると予想されます。
一昨年と比較して全項目でDI値が大幅に上昇、外国人管理員への管理業務の委任意向が高まる
コロナウイルス流行前の一昨年度調査と比較し、全項目で外国人管理員への委任意向が上昇したことが分かりました。これは多くのマンション管理会社が研修や試験等の取り組みによって、管理員の人材教育に力を注いでいるため、外国人管理員になっても業務レベルが維持されるという期待が高まっていると考えられます。
「清掃業務」と「サービス取次ぎ」、「外国人労働者への期待度」ではDIが30を超える
「共有部の清掃業務」では34.2(一昨年比+8.5ポイント)、「受付でのサービス取次」では36.0(一昨年比+12.7ポイント)、「外国人労働者への期待度」では34.7(一昨年比+6.1ポイント)となりました。
「相談業務」に関しては、未だ抵抗を感じるようですが、共有部の清掃や受付の業務においては託しやすいことが伺えます。
依然としてコミュニケーションの不安が拭えず、相談業務の委任には未だ日本人を求める傾向
期待度は上昇しているものの、コミュニケーションについて不安を感じている意見が一定数あり、DIは-5.6と依然として不安を感じていると考えられます。
「相談業務」に関しては、未だ抵抗を感じるようですが、共有部や受付の業務においては託しやすいことが伺えます。人手不足や高齢化が進み、外国人労働者の受け入れが拡大する中、言語や文化が異なることによるコミュニケーションへの懸念が挙げられました。
スタイルアクト株式会社
ITコンサルティング事業部
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